《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》優輝と由香の 2

翌日から、壯絶な由香の抗がん剤投與治療が始まった。

無菌室の中で彼は一人、強烈な副作用と戦っていた。

僕と彼を繋ぐ唯一の手段は、このスマホだった。

最初の數日は、すぐに返事が返って來ていたのだが、段々と返事が返ってくるのに時間がかかるようになってきて、僕は24時間スマホを握り締めているようになっていた。

なにか僕に出來ることと言ったら...

曲だ!

由香のための曲を作ろう。

溢れるほどの由香への想いを込めた曲は、もうそれは驚くくらいにあっという間に仕上がった。

ただ歌詞だけはダメだった...いくら書いても小學生男子のラブレターみたいなのしか書けなかった...

リハーサルの合間、ケアの加を當てる來蘭ちゃんに聲を掛けた

「來蘭ちゃん...折りってお願いがあってさ...」

「どしたの?そんなにかしこまって」

「実は...來蘭ちゃんに歌詞を書いてしい曲があってさ...」

「ん?新曲?」

「いや...その...個人的な曲...」

「Re Lightの曲じゃないの?」

「由香への曲なんだ...」

それだけで來蘭ちゃんはすべてを察してくれて、二つ返事で引きけてくれた。

三日もしないで來蘭ちゃんが書き上げてくれたその歌詞は、由香の好きな可らしい世界観の中で伝えたいことは〈どストレート〉に落とし込まれていて、當たり前だけど僕の書いた小學生のラブレターみたいなそれとは雲泥の差の歌詞に帽だった。

さて、これを曲にしないとならない。

「えっと...それであの...」

「わたしに歌わせて。こんな素敵な曲、わたし以外の歌い手に歌わせたくないよ」

「來蘭ちゃん...」

「まずはギターとピアノと歌だけのシンプルなのでデモ作ってみようよ」

「うん!僕もそのイメージでいたよ!」

Re Lightのリハーサルが終わった後、來蘭ちゃんと2人で殘ってやってみることにした。

來蘭ちゃんを借りるのを、奏太に言いに行くと、なんだか奏太も忙しいらしく、そそくさとスタジオを出ていった。なんかあいつ最近コソコソ忙しそうにしてるんだよな...なにやってんだか...

來蘭ちゃんのギターの音は獨特だ。

ピックで弾いている訳では無いから、とても音に丸みがあってらかい。

僕の想いを込めたメロディーに、來蘭ちゃんの言葉が乗り、とても素敵な曲になった。

まだ作業をして殘っていたレコーディングエンジニアの中川さんに、ダメ元でレコーディングしてくれないかと頼んでみる。

「わかったよ、コーヒー1本奢ってくれよ?」

そんなことを言いながら、快く引きけてくれた。

僕のピアノと來蘭ちゃんのギターと歌

せーので一発録りをした。

たった1回で最高のテイクが録れた。

「これ...とんでもない名曲が生まれちゃったんじゃないの? Re Lightの新たな顔になる曲になるんじゃない?」

靜かにしながら中川さんが言う。

「いや、実はこの曲はRe Lightの曲じゃないんだよ...この曲はね、今病気と戦ってる僕の人ただ1人に贈る曲なんだ」

「なるほど...その子の病気、良くなることを祈ってるよ」

「ありがとう、中川さん」

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