《一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...》next stageへ 6

〈奏太side〉

俺は今、表參道の有名ハイブランドジュエリー店の前で人生で最大に張している。

あぁ、お察しの通りだ。

來蘭へプロポーズをする為に、エンゲージリングを買いに來た。

來店予約もしてから來たし、あの重厚なエントランスのドアマンになめられぬように、瀬名さんに付き合ってもらって、高級イタリアブランドのスーツも作って著てきた。

え?

大事なこと忘れてないかって?

來蘭の指のサイズ知ってるのかって?

よくぞ聞いてくれた!

どうやって気が付かれずに指のサイズを測れるかググり、その中で一番失敗しなさそうだなと思って実行してみたのは、寢ている間に『パンとかの袋を閉じる針金りのひも』を指に巻き付けてサイズを測ると言う方法。

果たして正しく測れたかどうか、いささか不安ではあるけども...

よし!行くぞ!

ドアマンに名を告げると

「お待ちしておりました、青木様」

と言って、重厚なドアを開けてくれた。

接客対応してくれたのは、30代前半くらいのとてもじの良い男だった。

「今や飛ぶ鳥を落とす勢いの『Re Light』のドラマーの青木様でいらっしゃいますよね? そんな方に、選んで頂けて栄です」

そんなことを言われて悅にる俺の前に、何點かエンゲージリングが置かれた。

「青木様が、來蘭様にお贈りするのに相応しいと思われるリングをお選びしました。いかがでしょう」

「え? 來蘭に贈るってなんで知ってるんですか?」

驚く俺に彼は言った

「お恥ずかしながら、私Re Lightのデビュー前からのファンなのです。

青木様と來蘭様が育んでこられた語のことは、よく存じ上げております...

私、青木様が來店とお聞きしまして、『いよいよなのか!』とを熱くしました...

來蘭様へのエンゲージリングをお選びするのならば是非私に!と、擔當を買って出た次第でございます」

「そうだったんですか。

いや、こちらの方こそ熱ですよ。

俺と來蘭のことを、ファンとして見守ってくれていた方にエンゲージリング選びを手伝って頂けるなんて、こんなに嬉しいことはないです。

えぇと、それで、あなたの名前は...」

「あぁ、申し遅れました、私『倉田』と申します」

「倉田さん、それであの...とんでもないリングが出されてますけど...これ、一千萬円超えのですよね...」

「よくお分かりで...いかにもこちらは一千萬円代のお品でございます。」

「いやいやいやいや、そんなのは俺には買えませんよ!」

「いいえ!來蘭様にはこれでも見劣りするくらいですよ?それと、ご予算についてはご心配なく...瀬名の方からきちんと承ってますから」

「え?瀬名って言いました?今?」

「はい」

「瀬名さんと知り合いなんですか?」

「瀬名とはそれはもう」

「......もしや、紫音先生のことも...」

「もちろん知っておりますよ、咲のことも...」

人生ってのは、人と人との『縁』で紡いで行かれるものだなぁ...と、つくづく思う。

またしても『縁』のある方と繋がり、その方に來蘭に贈るエンゲージリング選びを手伝ってもらう事が出來た。

最終的に俺は、『ブロッサム』と言われる、最高級のエンゲージリングを來蘭に選んだ。

來蘭の指のサイズを伝えるのに差し出したアレには、さすがの倉田さんも吹き出してたけどな...

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