《(ドラゴン)メイド喫茶にようこそ! ~異世界メイド喫茶、ボルケイノの一日~》プロローグ 開店準備 ◇
ドラゴン。
それを聞いて、いったいどのようなイメージを抱くだろうか?
鱗でおおわれた?
窟で鎮座するラスボス?
炎を吐いて勇者を待ちける?
まあ、いろいろあると思う。
俺だってそう思っていたさ。……この世界に來るまでは。
世界、というよりも店と言ったほうがいいかもしれないかな。喫茶店ボルケイノ。異空間で経営している故、様々な客が訪れる。俺はこのお店で働いている、というわけだ。言っておくがマスターというわけではない。店長は他に居る。
「おら、ケイタ! きちんと仕事しているのか!」
そう言ったのは赤髪のだった。目つきは鋭く、目の下には今日も夜更かしをしたのかクマが出來ている。しかしそれ以外は整った顔立ちをしており、普通に化粧をすればモデルとしてやっていけるのではないか、と思うほどの形だった。実際、出るところはしっかり出ていてスタイルもいい。
そしてそのスタイルをさらに引き立てているアイテムというのが――彼の著ているメイド服だ。黒のワンピースに白いフリルのついたエプロンという、まったくもってスタンダードなそれをに付けている彼は、まさに給仕たる風格を見せていた。
「もちろん仕事していますよ」
そう言って俺は左手に持っていたワイングラスを見せる。
俺の仕事は皿洗い。もちろん料理を作ることもあるが場合によってはその味が客に會わないこともある。そういうこともあるので、メニューによってはその赤髪の――メリューさんが擔當することとなっている。
メリューさんはああ見えて、というのもおかしな話ではあるが、このボルケイノのマスターを務めている。というより、俺がこの空間に偶然ってしまった時からずっと務めているようで、マスターとしての風格もあった。因みにメリューさんはここに住んでいる。裏に居住スペースがあるのだ。
「おう、ならいいんだ」
男勝りの口調で言ったメリューさんは頭を掻いた。きっと起きたばかりなのだろう。目もあまり開いていない。
「……ところで、ティアの姿が見えないが?」
「ティアさんなら、そこで」
そう言って俺はカウンターを指差す。メリューさんが見ると、目を見開く。
なぜならティアさんはカウンターの奧の席を陣取って夢の世界に迷い込んでいたからである。とても楽しい夢を見ているのか、笑顔だ。だが開いている口からは涎が垂れており、とても年頃のが見せるそれでは無い。
いや、正確に言えばメリューさんもティアさんも人間では無い。
それを位置付ける一番のポイントがメイド服からちょこんと出ている尾だと思う。翼は収納されているらしいし。
彼たちは、ドラゴンだ。ドラゴンといってもピンと來なかったし、まさかほんとうにそんなことが……って思っていたから実際にはまだあまり信じられていない。
でも、実際にあの姿を見てしまえば――或いは信じるしかなかった。信じるほか、俺には手段が無かったのだった。
まあ、そんなことはどうだっていい。今はここに働かせてもらっている。それだけで充分。
さて、そろそろ開店時間だ。
「メリューさん、今日の仕込みは終わっていますので。取り敢えず開店しますよ?」
「ああ、解った。よろしく頼む。私はティアを何とかする。……おい、ティア、起きろお!」
……ティアさんのことはメリューさんに任せることにして、俺は開店させることにしよう。とはいっても簡単なこと。扉にかけられている『CLOSE』の掛札を逆にすればいい。
こうして、ドラゴンメイド喫茶ボルケイノの一日がスタートする。
【電子書籍化】退屈王女は婚約破棄を企てる
☆2022.7.21 ミーティアノベルス様より電子書籍化して頂きました。 「婚約を破棄致します」 庭園の東屋で、フローラは婚約者に婚約破棄を告げる。 ほんの二週間前、「婚約破棄してみようかしら」などと口にしたのは、退屈しのぎのほんの戯れだったはずなのに――。 末っ子の第四王女フローラは、お菓子と戀愛小説が大好きな十五歳。幼い頃からの婚約者である公爵家の嫡男ユリウスを、兄のように慕っている。婚約は穏やかに続いていくはずだった。けれど、ユリウスが留學先から美しい令嬢を伴って帰國したその日から、フローラを取り巻く世界は変わってしまったのだった――。 これは、戀を知らない王女と不器用な婚約者の、初めての戀のお話。 *本編完結済み(全20話)。 *番外編「婚約者は異國の地にて王女を想う」(全3話)はユリウス視點の前日譚。 *番外編「『綺麗』と言われたい王女と『可愛い』と言いたい婚約者」(全3話)は本編から約2ヶ月後のフローラとユリウスを描いた後日譚です。
8 132異世界で最弱の職についた僕は、最強を目指しました。
異世界に転生した主人公がはちゃめちゃな展開を乗り越え最弱から最強へ成長していく殘念系異世界ファンタジーです。
8 1303人の勇者と俺の物語
ある世界で倒されかけた魔神、勇者の最後の一撃が次元を砕き別世界への扉を開いてしまう。 魔神が逃げ込んだ別世界へ勇者も追うが時空の狹間でピンチが訪れてしまう。 それを救うのが一ノ瀬(イチノセ) 渉(ワタル)、3人の少女と出會い、仲間を得て、 魔神を倒す旅へ出る。 2作目の投稿となります。よろしくお願いします!
8 71規格外の殺し屋は異世界でも最兇!?
幼い頃公園で両親を殺されたごく普通の少年。彼はは1人の殺し屋と出會い《蒼空》と名付けられる。少年は殺し屋として育てられ、高校生になり、彼は裏の世界で「死神」と呼ばれる。 そんなある日、屋上から教室へ帰ろうとすると・・・・・・・・ 1人の少年が描くテンプレ込の異世界転移物語です。 はい、どうも皆さまこんにちは!このたび作品初投稿させていただきましたくうはくと言います。 不定期更新していくつもりですので暖かい目で見守っていただけたら幸いです!いいね、フォロー、コメントなどお願いします!┏○ペコ
8 113神様に楽しめといわれたからお言葉に甘えてチートで無雙しようと思う
俺は神様の手違いで死んじゃったけど神様に異世界を楽しめといわれたからお言葉に甘えてチートをガンガン使っていこうと思う
8 92ヤンデレ彼女日記
高校一年の夏休み前のある日、清楚で成績上位で可愛くて評判な同級生に告られた市川達也。(いちかわたつや)すぐさまOKしたが、彼女はヤバイ人だった…。
8 175