《男比が偏った歪な社會で生き抜く 〜僕はの子に振り回される》10話
5月15日(火)。楓さんや鈴木さんと同棲を始めて7日目になり、この生活も慣れたと思っていた。
お風呂場のノックは欠かしたことがないし、出るときにはパジャマを著てからリビングに移していた。トイレだってノックはするし、他の人が出てから數分間は中にらない。もちろん、他人の部屋に勝手にることもしない。
ラブコメ(?)にありがちな「XXさんのエッチー!」が出ないように、自分なりに気を使っていたし、完璧にこなせていたと思っていた。でも、それは獨りよがりな考え方であり、同棲生活をする上ではお互いが相手のことを思いやり、注意しなければ意味がないようだ。そのうえ、どんなに科學が発展しても人間である限り不注意は無くならない。
◆◆◆
育の授業でマラソンをして汗をかいたため、晩ご飯を作る前にお風呂にっていた。いつもは晩ご飯を食べた後にお風呂にっているので、僕がっているとは思わなかったのだろう。水が滴る髪を拭き終わり次はというタイミングでドアが勢いよく開き、ジャージ素材のホットパンツと薄手のタンクトップ姿の楓さんがってきた。トレーニングをしていたのだろう。額や元に汗が浮かんでいて、全にうっすらと湯気が出ているように見える。し甘い汗の匂いと薄著の相乗効果で、視覚と嗅覚への刺激が強い。
非常に魅力的だ。
楓さんの姿に目を奪われたため行が遅れてしまった。僕がもたもたしている間に、楓さんが所にってしまった。中にってから全で頭を拭いている僕の存在に気づいたようで、今度は楓さんのきが止まる。目線は僕の間に釘付けになっている。本當に混するときが止まってしまうようで、思考が止まってけない狀態が數秒続いた。
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「変なモノを見せてしまってごめんね」
自分でもなんで謝っているのかわからないけど、早く隠さないとマズイことぐらいは分かったので、頭を拭いていたタオルをゆっくりと腰にまきつけて心を落ち著かせる。
今の発言で時がき出したように楓さんは顔が赤くなり、力が抜けたようにおを床にぺたんとつけて座ってしまった。涙目になりながら口をパクパクとかしているが、あまりにもショックが大きかったため聲は出せないようだ。
このまま落ち著くまで待つことも考えたけど、さすがに腰にタオルをつけたままで待つのはマズイ。急いで服を著るために、パンツとTシャツを取り出し、風呂場で著替えてから所に戻ることにした。
「申し訳ございませんでした!」
聲・姿勢・タイミングが全て完璧な、綺麗な土下座だった。
はっきりと大聲で謝罪をしてくれたが、他の人が來ると困るので、小聲で謝ってしかった。と、そう思った瞬間に遠くからドンドンと足音が聞こえてきた。考えるよりも先にがき、を隠すために慌てて風呂場に戻る。
「僕は隠れるから、適當にごまかしてね!」
首を縦にかしていたので、意図は伝わっただろう。後は、僕がうまく隠れるだけだ。周囲を見渡してみても隠れられる場所はないが、見つかるわけにはいかない。なんとか隠れると同時にドアが開いた。
「大きな聲がしたけど、どうしたのー?」
この聲は鈴木さんだ。
「黒い影が見えたのでゴキブリだと思ってんだんですが、よく見たらゴミのようでした。騒がせてしまいごめんなさい」
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「ゴミねぇ……そのゴミはどこに行ったのかな?」
「と、飛んでどこかに行きました」
「お風呂場に飛んだのかなぁー?」
話を聞いているようで聞いていない。鈴木さんは何かを確信しているようで、お風呂場に侵してきた。
「な、何を疑っているんですか? そっちには、何もありませんよ?」
「なんで焦っているのかな? あれ? 床が濡れているよ! お風呂にっていないのに床が濡れているなんて、不自然じゃない?」
す、するどい。いや、冷靜に考えれば當たり前か……。
僕は浴槽に隠れているので、ふたを開けられたらばれてしまう。頑張って、別の場所に導して!
「先にシャワーを出して水が溫まるまで待っていたんです。それで、濡れているんです」
「なるほど。なるほど。でも、シャワーは止まっているね。苦しい言い訳だ」
「ゴキブリだと思っていたゴミを探そうとして止めたんです」
「ほうほう。で、何で私の腕を摑んでいるのかなー?」
「あ、足が濡れると思ったからです」
「それは、ご親切にどうもありがとう。でも、気にしなくていいよ! それに私、分かっているから。男の子に関する覚がするどいの、忘れちゃった?」
そういえば覚の鋭い子だった……もうダメだぁ。
數秒後、浴槽のふたが勢い良く取り除かれ、仰向けに寢っ転がり湯舟に浸かっている僕と目があった。僕は、獲を見つけたような笑顔をしている鈴木さんに手を振ることしかできなかった。
「どうしてこんなことになっているの?」
鈴木さんは、腰に手を當てて所で正座をしている僕たちを見下ろしている。目線は僕の顔ではなく、その下のだ。Tシャツが水でけているようで、食いるように見ている。橫に座っている楓さんもチラッチラッと僕のを見ている。に忠実すぎるでしょ……。
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「僕がお風呂から出ようとしたら、楓さんとバッタリ會っちゃって、それで驚いて大きな聲を出しただけなんだ」
「だけってねぇ。で、どこまで見たの? まさか全ってことはないよね?」
「……」
無言で楓さんの顔が赤くなる。あぁ、もう全てがバレたと思って良いだろう。
「うそ! ありえない! ズルい! 私が最初に見るって、決めていたのに!」
なんてことを決めているんだ。それを決める権利は僕にあるはずなのに……あるよね? よほど悔しかったのか、振りが大きくなりしずつ聲も大きくなってきた。
「母さんと絵さんにバレたくないから、聲を小さくしてもらえると嬉しいかな……」
「そうだね。景子さんは仕事、絵さんは部屋にいるから、私が黙ってさえいればバレないね!」
「……どうすれば黙ってくれるかな?」
「私も見る!」
「えぇぇぇ!」
それは恥ずかしい。それに、想像しただけで「はぁはぁ」と呼吸が荒くなっているし、見せただけでは絶対に終わらない。このお願いは何としてでも回避しなければ。
「ごめん。さすがにそれは恥ずかしい。明日、お菓子を一個プレゼントするでどうかな?」
「へー。楓さんはバッチリ見たのに、私はお菓子なんだー。ユキト君のってお菓子と同じぐらいの価値しかないの? 300円払うから毎回見せてもらうかなー!」
「さすがにそれは言いすーー」
「あなたが、何かを言う権利はありません!」
余計な口出しは無用とばかり、楓さんの発言を途中で切る。會話の主導権を、譲る気はないようだ。冷めた目で見つめる鈴木さんと、歯をむき出しにして威嚇するような表をする楓さんの間に不穏な空気が漂ってきた。早く、妥協點を見つけなければならない。
「300円でを見せるのは嫌だなぁ。二人っきりで、どこかに出かけるのは……さすがに危ないか」
「うん。私一人だと他のから守り切るのは難しいと思う。でも、二人っきりで出かけても良いと思ってくれたのは嬉しいな!」
「だったらプールに行こう! 確か、男がいるなら貸し切れるプールがあったはず。室プールだから、今の時期でもれるよ」
「もちろん、二人っきりだよね?」
「うん」
「なら、それで決まり! 今週の日曜日ね! それとは別に、勉強會も忘れないでね!じゃ、楓さん。お風呂から出ましょうか」
スキップしそうなほど軽い足取りで、楓さんの手を引いて出て行ってしまった。こうやってまた、僕は、未來の自分に期待することになってしまった。
「おはよう」
翌日、鈴木さんと廊下を歩いていると飯島さんが挨拶をしてくれた。今日もメガネが似合っていて思わず見とれてしまう。
「おはよー! ねーねー聞いて。今度、ユキト君とプールに行くことになったんだ!」
「それはすごいね。家族と一緒に行くの?」
プールに行くことを自慢したかったのだろう。鈴木さんの弾丸トークは止まらない。
「それがねー。プールを貸し切って二人で楽しむことになったの! すごいでしょー! でね、せっかくだから新しい水著を買おうと思っているんだけど、どんなデザインが良いと思う?」
「それはすごいね。學校の水著じゃなダメなの?」
ファッションについては疎いようで「なんで新しく買う必要がの?」といった風に、疑問を浮かべている。僕は、學校の水著はないと思うけど、新しく買う必要はないないかなといった中間的な意見だ。
「さおりは甘いね! ちょっとドキッとするような水著を著て、ユキト君のハートをガッチリと捕まえる計畫なんだよ! 普段はライバルがいるからね。一歩先に出るためには、水著だって手は抜けない!」
「でもそれは、本人の前で言ったら意味がないと思うの」
僕もそう思ったが、鈴木さんは違うようだ。
「それの考えは甘いね。こうやって前振りをすることで、プールに行く前から私のことを意識させる作戦なんだよ。毎晩、どんな水著を著るのかな? と過ごしながら當日を迎えるの!」
おぉ。ちゃんと考えている!でも、それこそ僕の前で言ったら意味がないきがするけど。そんな取り留めもない會話をしながらクラスにり、いつもの席に著く。この前の警告が効いているようで、席の周囲には誰もいない。席に著いても鈴木さんと飯島さんの會話は止まらず、飯島さんは聞き役に徹していた。
「はぁ」
席に著いた途端に、自然とため息が出てしまった。幸いみんなには聞こえていないようで、特に反応はない。男は常に々な意味で見られているため、ため息一つだすのにも注意が必要で、いつもはため息はつかないようにしている。そのはずなのに、ため息が出てしまうとは、かなり疲れているのかもしれない。
目下の悩み事は、楓さんと鈴木さんとの関係だ。
出會い方が悪かったので楓さんは一方的に敵視しているし、鈴木さんはそれに対して反を覚えているようだ。挨拶を返さないレベルで仲が悪い。昨日のお風呂事件だって、本來であればもっと穏便に済んだはずなのに、対抗意識のせいで引くに引けない狀態だったのだろう。鈴木さんの今の狀況で、あの取引は危うかったと思う。
「ーーユキト君も気にならない?」
急に話しかけられたので意識を外に向ける。考え事をしていたため、話は聞いていなかった。
「何の話?」
「聞いてなかった? 飯島さんが、ものすごく勉強を頑張っているって話だよ!」
いつの間にか、水著の話から勉強に話題が変わっていたらしい。
「験生でもないのに、部活もアルバイトもしないで毎日勉強をしているみたいなんだよ。夜遅くまで毎日! すごいよね」
確かに、験生でもないのに勉強時間が長い気もする。一般的な學生であれば、遊んだりアルバイトしたりするのではないだろうか。
「將來は醫者になりたいから、それに向けて勉強しているだけだよ。全然すごくない……」
「將來やりたいことを決めてる時點でスゴイって! 私なんて、遊ぶことしか考えていないし!」
高校一年だし、鈴木さんみたいな考え方が一般的だろう。の進學や就職は當たり前だが、男のほとんどは専業主夫になるので、學問は必要ないとされている。高校までは通わせてもらえるが、大學まで進學する男は數だ。
平が終わった今の時代でも、前世でいうところの「昭和的な考え」が當たり前のように蔓延している。就職する男もほとんどいないのだから、男比が偏っているこの世界では「男は家にるもの」といった社會的な圧力は強いのかもしれない。
大學に進學できる人たちを羨ましとじる気持ちはあるが、それは僕の問題だ。飯島さんの努力は素直に賞賛するべきなのだろう。
「そうだね。僕もそう思う」
鈴木さんに同意すると、恥ずかしいのか下を向いてしまった。
「そんなことないよ。運は苦手だし、私の取り柄は勉強だけだから。醫者になると決めたのも、お金がいっぱい稼げそうだからって、理由だし……」
自分がやっていることに自信がないような態度だ。謙遜を通り越して、自分には価値がないと思い込んでいるようにもじる。目的は人それぞれなんだし、もっと自信を持って、を張って人生を楽しめば良いのにと思ってしまうのは、お節介なのだろうか。
「目標に向かって行できているんだから、自的になったらダメだよ!」
「うん。ありがとう」
鈴木さんが勵ましたおかげで、しだけ表が明るくなった気がする。やっぱり鈴木さんと飯島さんの相は良さそうだ、こんなじで楓さんと仲良くなってほしいけど、二人とも自分の考えを譲らないからなぁ。時間がかかるかもしれない。
◆◆◆
事の発端は些細でくだらない「どっちが先にお風呂にるか?」といったものだった。僕がトイレからリビングに戻った時には、すでに激しい言い爭いに発展していて、二人とも的になっている。
「何度も言いますが、トレーニングをして汗をかいているので私が先にります」
「來るのが遅いかららないと思って、服をいじゃったよ! 私の後にしてくれない?」
下著姿を直視するのは恥ずかしいから、鈴木さんは服を著てほしい。僕が見ても気にならないのだろうか。
「すでにお風呂にっているのであれば諦めますが、いだだけならまた著ればいいだけじゃないですか。そもそも、お風呂の順番は私の方が先です」
「あなたのお風呂の時間は終わっているよ! 間に合わなかったんだから、おとなしく最後にってよ」
「違います。まだ、あと5分殘っています」
「5分しかないじゃない! どう考えても時間が足りないよ!」
「いいえ。間に合わせます!」
……力してしまうほど、低次元な爭いだ。これが22歳と16歳の爭いなのか? 爭いの容を聞いて呆れてしまったけど、このまま続けさせるわけにもいかないので仲裁する。
「ちょっと、二人とも落ち著いて!」
二人の間にり、両手をばして言い爭いをしている彼たちを離す……ことに失敗し、僕を挾み込むように二人の距離がどんどん近づく。
「は、離れよう! ほら、が當たっているよ! 気づいーーむぎゅ」
非常にけない聲を出してからしばらくして気づいたようで、二人とも距離をとってくれた。僕は「はぁはぁ」と新鮮な空気を吸うのに一杯だ。
二人ともしきま気まずそうな顔をしているが、言い爭いが止まったのでを張ったかいはあったのだろう。このまま、仲直りしてもらえれば……。
「あなた、ボディーガードのくせにユキト君に危害を加えたね!」
「あなたこそ、居候のくせにユキトさんに危害を加えましたね」
現実は殘酷だった。容が変わっただけで、言い爭いは継続している。彼たちはお互いが気にらないから爭いが止まらない……。
「だいたいボディーガードのくせに、し馴れ馴れしいんじゃない? 私は未だに名字でしか呼ばれないのに、なんであなたは下の名前で呼んでもらっているの? ズルイじゃない。」
ごめん。そんな風に思っていたんだ。グイグイと攻めてくる鈴木さんにし引いていたので、意識的に距離をとるようにしていたのは事実だ。でも、そんな風に悩んでいると知ってしまった今は心が痛い。タイミングを見計らって、鈴木さんも下の名前で呼ぶようにしよう。
「それは、あなたが原因なのでは? それに、6ヶ月間の期間限定の人と仲良くしても無駄ですからね」
「あなただって、お金で雇われているだけじゃない! たった一枚の契約書でつながっている薄い関係。契約が更新できなければ、そこで終わり。はっ、私と似たようなものじゃない!」
「契約は絶対に更新してもらいます! ユキトさんほど、母本能をくすぐる男はいません。諦めるわけにはいかないんです」
「それは私だって同じ。諦めない! 一目見ただけで、理が吹き飛んじゃうくらいなんだから!」
……確かに、それは説得力がある。
「その結果、ユキトさんを襲うなんて本末転倒も良いところです」
「それは、仕方がないじゃない! 今まで見た男の中で一番魅力的なんだから!」
「……確かにそうですね」
え、まさかの同意? 思わず振り向いて楓さんの顔を見てしまった。若干、顔が赤い。
「でも、だからと言って許せるものと、許せないものがあります」
「あなたに許してもらう必要なんてないけど?」
一度離れた彼たちが再び近づいている。もうこの言い爭いを止める最終手段の「僕のために爭わないで」を出すしかない! そう思って一歩前に出た瞬間、「パンパン」と手を叩く音が聞こえた。
「二人とも、落ち著きなさい」
いつの間にか、母さんと絵さんが僕の側に立っている。今の一言で二人は黙ってしまった。
「話は聞いたわ。最初に言っておくけど、一緒に住んでいるのだからプライベートに踏み込むなとは言わないわ。私は、ユキちゃんが公私ともに親しくなっても良い人しか採用していないし、この家にもれていないのよ」
そんな採用基準あったんだ。
「だから、二人とももっとユキちゃんと仲良くなっても良いわ。それこそ、仕事の枠を超えてね」
今までグレーだった「僕にどこまで踏み込んで良いのか?」というラインが明確になってしまった。親公認で踏み込んでよし! と、結論が出てしまった。楓さん一人だと僕との進展が遅くなるだろうと予想できたから、起剤として鈴木さんを家に招いたのかもしれない。
それは確かに効果的だったのだろう。まさに今、実している。
母さんは「早くハーレムを作って結婚しなさい」とは言わないけど、口に出さない代わりに「作らざるをえない環境」を整えていたのか。無言のプレッシャーが強い。外堀がドンドン埋められていく……。
「ただ、今のままだと二人とも不完全燃焼でしょ? 決著をつけたいわよね。私としては、二人には仲良くなってもらいたいから、この件を引きずってしくないのよね。そうね……ここは一つ友が芽生えるように、二人には試験を乗り越えてもらいましょうか」
試験を乗り越えるって、二人に何をしてもらうつもりだ。今の発言で、二人とも張したように母さんをみている。
「簡単な試験よ。ユキちゃん、今やりたいことある?」
急に會話を振られて戸うが、昔からやりたいことは決まっている。母さんもそれを見越して行っているのかもしれない。
「……街に出かけて買いがしたいかな」
生まれてから今まで、街を歩いて買いをしたことがない。
に襲われるといった問題もあるし、そもそも男向けの商品を取り扱っているお店もない。都心にあるいくつかのお店が、男向け商品をわずかに取り扱っている狀態だ。そんな狀況なので、洋服やインテリアはネットショップで購していた。
最近は、電車移も始まりしずつ世界が広がってきた。もっと外を見てみたい、いろいろな人とれ合ってみたいという求は強くなるばかりだ。この世界では男を、箱り息子として育てるのは常識だ。自由に出歩くのは諦めていたのだけど、思いがけないところでチャンスをもらえたようだ。
「今週の土曜日に三人で買いに行きなさい。場所は渋谷ね。そこで、二人はユキちゃんが気にいるを買ってね。それが今回の勝負容よ。勝ったら常識的な範囲で、お願いを葉えてあげる」
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