《四ツ葉荘の管理人は知らない間にモテモテです》秋乃先輩の撤退
秋乃先輩は軽音學部の打ち上げで、遅くに帰ってきた。おれたちは四回目のパーティー終盤で、もう冬海が作ってくれたデザートに手を出していたが、秋乃先輩も荷を部屋に置いて、參加してくれた。
「秋乃先輩たち、本當にすごかったですね。おれ、すごいしました」
おれが口火を切ると、みんな稱賛の聲を上げる。
秋乃先輩が照れたように、おさげをると、小さな聲でありがとうと言った。
「今日はんな人に褒めてもらってるけど、いくら褒めてもらっても慣れないなぁ。本當に嬉しい、ありがとね」
「わかります! いくらでも嬉しいし、いくらでも照れくさいんですよね」
うんうんと頷く。嬉しいものは嬉しい、これに限る。
「うん、この気持ちに慣れたくないなぁ……こんなに気持ちいいんだもん」
秋乃先輩もまだ心をライブ會場に置いてきているようだ。秋乃先輩は目も聲もとろけている。
そんな秋乃先輩は、どこか気をまとっていて、とてもしかった。おれは言葉をなくす。
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「私、もう部屋に帰るね。秋乃先輩、今日は本當にありがとうございました。イメージが大量に降ってきてます」
春花はそう言うと、急いで部屋に帰っていった。ライブで湧いたイメージのスケッチが、まだ終わってないのだろう。忙しそうだが、幸せいっぱいの顔をしていた。
「わたしもきょうは、もうかえるぞー。きょうのさけは、いつもよりおいしかったなー」
一本しか飲んでないがペースが早かった夏樹先生は、ふらふらしながら帰っていく。次の日には殘らない質は便利だそうだ。
「私もちょっと部屋のキッチンの片付けをしてくるね。こっちの部屋も片付け手伝うから、ちょっと待ってて」
幾帳面な冬海のことだから、自分の部屋にあるキッチンの片付けも大変だろう。
「こっちは、おれ一人でするから任せてくれ。いつもおいしいデザートありがとな」
冬海の顔が赤く染まる。そして咳払いすると、ゆっくりと言葉を考えたようで、間が空いた。
「おいしいって言ってくれて嬉しい。食べたいお菓子があったら、なんでも作ってみせるね」
そう言うと、部屋から去っていった。心なしかロボットのようなきだった。
「蒼太くんって罪作りだねぇ。冬海ちゃん、すごい照れてたよ」
秋乃先輩はにやにや笑いながら言う。まるで獲を見つけたハンターのようだ。
「罪作りってなんですか? 違いますよ」
「そうかなぁ? 春花ちゃんと冬海ちゃんを弄んじゃだめだよ」
こういう後輩を思いやるところは、とても先輩らしい。おれは弄んでないけどな。
「弄んでないと思いますけど、わかりました。秋乃先輩ってお姉ちゃんみたいですよね」
そう言うと秋乃先輩は嬉しそうに瞳を輝かせ、おれの方にを乗り出す。
「秋乃、実は妹がいるんだよ。その子にはお姉ちゃんって認めてもらえてないんだけど……それは別として、お姉ちゃんって言われるの嬉しい!」
複雑な家庭環境を抱えているとは知らなかった。だが、それでも明るい秋乃先輩はまさに太のようだと思う。
「片付けも秋乃が手伝うよ。お姉ちゃんと一緒にやろうね」
なんだかノリノリだ。秋乃先輩のポイントを突いたようだ。
「ありがとうございます、お姉ちゃん」
「えへへー」
そうやって二人でキッチンに皿を下げる。食べ殘しもほとんどないので、いつも片付けは簡単なのだが、二人でやった方が早い。
おれが皿を洗い、それを秋乃先輩が拭く。食洗機はあるが、時々こうやって自分で洗っている。洗い、乾燥を待つのが、に合わないからだ。
皿を片付けようとしている時、おれは上の棚を、秋乃先輩は下の棚を擔當していたのだが、し高かったようだ。秋乃先輩が後ろにぐらつく。おれは皿を持っていたので、秋乃先輩の背後に回り、でけ止める。
ししか重をかけていないのもあるだろうが、とても軽く溫かった。
「あ、ありがとう、蒼太くん」
勢を立て直した秋乃先輩は、気まずそうだった。腕は皿を持ち、上にあげているが、後ろから抱きつくような勢だからだろう。おれもし恥ずかしい。
「いえ、気にしないでください。秋乃先輩は大丈夫でした?」
「秋乃は大丈夫! 蒼太くんは重たくなかった?」
「全然重たくなんかなかったですよ! むしろ軽かったです」
正直に答える。は自分を重たいと思っているとよく言うが、これは謙遜しすぎだ。
秋乃先輩はおれのの中から出ると、顔が赤い。さっきまで顔が見えていなかったが、こんな可い表をしていたのだ。
「そう……ありがとう! あんまりそう言われたことないから、照れるなぁ」
「いや、本當に軽かったですよ。あんまり謙遜しないでくださいよ。秋乃先輩はすごい素敵な人なんだから」
秋乃先輩はいつも周りを見ていて、気が利く素敵な人だ。思ったことを言うと、秋乃先輩はもっと顔を赤らめた。
「蒼太くんはたらしなんだね! もうちょっとで、たらされるところでした! 逃げます!」
皿を置いて管理人室から出ていこうとする。しかし、戻ってきた。
「最後まで手伝えないのはごめんなさい。もうしで春花と冬海のライバルになるところだったから、ちょっと逃げるね。訳は教えてあげない」
え? おれのせいなのか?
秋乃先輩は、早口で言うと、おやすみ、と管理人室の扉を閉めた。
賑やかだった管理人室に、頭をはてなで埋めたおれだけが殘った。
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8 180クリフエッジシリーズ第二部:「重巡航艦サフォーク5:孤獨の戦闘指揮所(CIC)」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一二年十月。銀河系ペルセウス腕にあるアルビオン王國では戦爭の足音が聞こえ始めていた。 トリビューン星系の小惑星帯でゾンファ共和國の通商破壊艦を破壊したスループ艦ブルーベル34號は本拠地キャメロット星系に帰還した。 士官候補生クリフォード・C・コリングウッドは作戦の提案、その後の敵拠點への潛入破壊作戦で功績を上げ、彼のあだ名、“崖っぷち(クリフエッジ)”はマスコミを賑わすことになる。 時の人となったクリフォードは少尉に任官後、僅か九ヶ月で中尉に昇進し、重巡航艦サフォーク5の戦術士官となった。 彼の乗り込む重巡航艦は哨戒艦隊の旗艦として、ゾンファ共和國との緩衝地帯ターマガント宙域に飛び立つ。 しかし、サフォーク5には敵の謀略の手が伸びていた…… そして、クリフォードは戦闘指揮所に孤立し、再び崖っぷちに立たされることになる。 ――― 登場人物: アルビオン王國 ・クリフォード・C・コリングウッド:重巡サフォーク5戦術士官、中尉、20歳 ・サロメ・モーガン:同艦長、大佐、38歳 ・グリフィス・アリンガム:同副長、少佐、32歳 ・スーザン・キンケイド:同情報士、少佐、29歳 ・ケリー・クロスビー:同掌砲手、一等兵曹、31歳 ・デボラ・キャンベル:同操舵員、二等兵曹、26歳 ・デーヴィッド・サドラー:同機関科兵曹、三等兵曹、29歳 ・ジャクリーン・ウォルターズ:同通信科兵曹、三等兵曹、26歳 ・マチルダ・ティレット:同航法科兵曹、三等兵曹、25歳 ・ジャック・レイヴァース:同索敵員、上等兵、21歳 ・イレーネ・ニコルソン:アルビオン軍軽巡ファルマス艦長、中佐、34歳 ・サミュエル・ラングフォード:同情報士官、少尉、22歳 ・エマニュエル・コパーウィート:キャメロット第一艦隊司令官、大將、53歳 ・ヴィヴィアン・ノースブルック:伯爵家令嬢、17歳 ・ウーサー・ノースブルック:連邦下院議員、伯爵家の當主、47歳 ゾンファ共和國 ・フェイ・ツーロン:偵察戦隊司令・重巡ビアン艦長、大佐、42歳 ・リー・シアンヤン:軽巡ティアンオ艦長、中佐、38歳 ・ホアン・ウェンデン:軽巡ヤンズ艦長、中佐、37歳 ・マオ・インチウ:軽巡バイホ艦長、中佐、35歳 ・フー・シャオガン:ジュンツェン方面軍司令長官、上將、55歳 ・チェン・トンシュン:軍事委員、50歳
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