《異世界に食事の文化が無かったので料理を作ってり上がる》7 異世界人と初めての料理『みんな大好き・特製ハンバーグ』前編
さて、リーナに料理を教えるにあたって、とても難しい問題が一つある。
それは基礎から教えるっつっても、基礎ってどの辺りからが基礎やねん問題である。
……果たして俺はどこら辺からどういう風に教えたらいいのだろうか。
……まあ手探りでやってみるしかないか。
「じゃあとりあえずこれが今日使う食材だ」
とりあえず俺はクーラーボックスから食材を取り出し、ダンボールからは調理を取りだしていく。
まずは本的な事を座學で教えた方がいいのかもしれないけど、今回はとりあえず料理というものを一通り見せてみようと思った。
多分リーナ的にはこうして用意した食材をどうしていくのかもわからないだろうしな。まずはそこからだ。
「えーっと」
並べられた食材をリーナは読み上げていく。やっぱり食材そのものはわかるんだな。
途中で詰まったけど。
「師匠、これとこれは?」
「まずこれがパン。そんで牛と豚の合挽き。とにかく挽きだ」
さらっと言ったけど、なかなかエグい事言ってる気がするな。
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俺みたいに牛挽き=パックに詰められたアレみたいな第一印象が浮かんでくるのと違って、牛挽き=牛→挽き……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!? みたいなじだろうしなぁ……。
「なるほど、牛と豚の挽きですか」
あれ? 案外普通にけれたな。以外。
いや、ちょっと待て……ああそうか。コイツ多分あれだ。普段マジカルパワーでモンスターミンチにしちゃってるじなのかもしれない。
そういえばライオンさん(仮)との戦いというか一方的な殺戮はえげつなかったっすね。
これはあれだね。魚捌くのとかも抵抗とか無さそうだね。
……で、まあそれはおいておいて。
「とりあえずこれが今日使う食材な」
「ちなみにパンってのは一……」
「まあそれは追々と説明するよ」
「わかりました。それで、この食材で一どんな料理を作るんですか?」
その問いに、言っても伝わらないとは思うけど答えた。
「ハンバーグ。子供から大人までみんな大好きな洋食の定番だ」
「ハンバーグ……それは一どんな料理なんですか?」
「それは出來てからのお楽しみって事で」
じゃないと多分説明できねえし。
「じゃあ楽しみにしてますね」
「おうよ」
本當に楽しみなんだなと分かる様な笑顔を浮かべるリーシャに、俺も笑みを浮かべてそう返す。
「よし、じゃあ始めっか」
そして俺は調理の準備に取り掛かった。
さて、持ちこんできた調理のセッティングも完了し、いよいよ調理スタートだ。
「まずはこのパンをボールにれる。そこに牛をれて馴染ませるんだけど……そもそもパンってなんやねんって話を軽くしとくか」
「そうですね、お願いします!」
好奇心大勢に目を輝かせるリーナに、本當に軽く説明をしておく。
「俺達の世界にはパンって食べがあるんだ」
「パン……なんか味しそうな響きですね」
「ああ、うまいぞ。ものによるけど」
多分何言っても味しそうな響き言いそうだぞ。
でもまあ確かにパンは味しい。
「お前が最初に食べた生姜焼き弁當に白い奴ってただろ?」
「ってないましたね、味しかったです」
「アレは米っつってな、俺の國じゃ日常的に食べられてる主食なんだが、パンは米と雙璧をなす程食べられているんだ。それだけ食の基本と言えるような食べだよ」
「食の基本……ですか」
「まあ一どういうじのかってのは実際現みてみないと分かんないだろうし、なおかつ持った來てないから説明できないんだけど……まあ今度持ってくるよ。いや、今度作ろうか」
「やった!」
リーナが嬉しそうに聲を上げる。
……うん、家で予行練習しとかねえとな。パンは焼いた事ねえしな……家にある調理でできるのか?
……まあそれは追々と考えるとして。
「で、まあこのパンって奴はそのパンを狀に砕いたになる。結構んな料理に使われてんだ」
「まさに食の基本ですね」
「あ、うーん、そうだな」
まあなんか違う気がするけどそれでいいや!
「それで、このパンをどうするんでしたっけ?」
「とりあえず牛に浸しとく」
別に水に浸しておいてもいいんだけど、牛の方が仕上がりがしっとりとらかくなる。まあ微々たる差だろうけど、埋められるところはしでも埋めたほうがいい。だから牛を使う。
そして適量のパンを牛に浸してからリーナに言う。
「まあこれはこの後使うから一旦置いといて、次の行程に移ろうか」
そう言って次の食材を手に取る。
「じゃあ次はコイツをみじん切りにしていく」
俺タマネギを手にそう言うと、一瞬考える間を取ったリーナはそれでも何か答えに辿りついた様に手の平に拳をポンと置く。
「みじん切りって一何かなって思ったんですけどアレですかね? 魔獣を木端微塵にするような切り方って事でいいですかね?」
「いいのか悪いのか良く分かんねえよ」
あまり生きの木端微塵とか想像したくないっす。
「しかしタマネギも料理の食材なんですね」
リーナが不思議そうにそう言ったので聞いてみる。
「タマネギもタブレットの材料になってんのか?」
「まあなってますけど、タマネギには他の用途もありまして」
「他の用途?」
「錬金魔で特定のと組み合わせると催涙弾が作れるんですよ。ほら、タマネギを切るとアミノ酸と酵素が反応して硫化アリルが発生するじゃないですか。その効力を強めると簡易的ではありますけどそこそこ実用のある催涙弾がつくれるんです」
「……せやな!」
うん、分かる。分かるよ。硫化アリルね、硫化アリル……。
何゛だ゛よ゛硫゛化゛ア゛リ゛ル゛っ゛て゛よ゛お゛お゛お゛お゛゛!
何゛言゛っ゛て゛る゛の゛か゛全゛然゛わ゛か゛ん゛ね゛え゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!
……ふぅ。いかんいかん。心のが枯れる。
まさか異世界にきてアミノ酸だとか硫化なんとかだとか、そういう類の単語を聞くとは思わなかったよ。後者の既に名前忘れちゃってる方なんて普通に生活してたらまず覚えない様な単語じゃねえかなぁ?
これはリーナが頭いいのか俺がアホなのか……まあどっちでもいいや。
「まあとにかくこいつをみじん切りだ。とりあえず手本見せる」
そして俺は包丁を手にズダダダダ……いかん、目がッ!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!
「とまあこれがみじん切りだ」
とりあえず切る予定量の半分を切ってリーナに見せる。
「なるほど……これがみじん切りですか……って師匠、泣いてます?」
「せやな」
しゃーない。その、なんだ。硫化なんとかが出てんだろ?
そして次はお前が泣く番だ。
「とりあえずリーナもやってみるか?」
まあ別に泣かせたいとかそういう気持ちではなく指導の為だよ。うん。
「はい!」
そして張りきるリーナに包丁を渡して、いざリーナVSタマネギ。
「手ぇ切らねえように気を付けろよ。一応切らねえようにするコツとしては左手でこういう風に握ればいい」
とりあえず食材を切る際の手の置き方を再実踐してみせると、リーナが納得したように言う。
「ああ、さっきのタマネギの押さえ方にはそういう意味があったんですね。なるほどなるほど、為になります」
「それでも怪我する時はするだろうし気を付けろよ」
「心配してくれてありがとうございます。でも大丈夫ですよ。私に危険が迫ったら自的に強化魔張れるように訓練してますから。極端な話、この包丁って奴を師匠が逆手に持って、背後から突然「とりあえずぶっ殺すぞ!」って刺してきても多分傷一つ付かないです」
「へ、へえ……」
すげえや。
でも多分それだとキミ、切り方の極意なんの為にもなってないよね?
……まあ怪我しなきゃそれでいいんだけどさ。
ていうかとりあえずぶっ殺すぞってどんな例えだよ。俺完全にサイコパスじゃん。やべー奴じゃん。
「ま、まあとりあえず気を付けてな。同じじに切ってみ?」
「はい!」
促されたリーナは玉ねぎのみじん切りに取りかかった。
「……へぇ、うまいもんだな」
「えへへ、そうですか?」
いや、普通にうまくてすげえ早い。
多分すげえ手先が用なのだろう。
「それでここに切り込みれるんですよね」
「そうそう……ってかお前平気そうだけど目、大丈夫なのか?」
「あ、はい。今網に薄い結界張ってますんで」
「えぇ……」
なんかズルくなーい?
というか才能の無駄遣いすぎじゃないですかねぇ。
「できました! どうですか?」
そしてなんか反則じみた方法で玉ねぎのみじん切りを終えたリーナ。
まあその過程はどうであれ、素人とは思えない速度と度だ。
「よし、完璧だ」
「やったー! イエーイ!」
テンション高いっすね。
でもまあノリノリに楽しそうにやれるって事は良い事だよ。料理をやっていこうと思えば食べることも大事だけれど、やっぱり料理そのものを楽しくできないとな。
……そういう意味じゃちゃんと才能あると思う。きっとそれが一番大事な事だ。
「それで、次はどうすればいいですか?」
「よし、次はだな――」
そしてそんな楽しそうなリーナに促されて、調理は次の行程に進む。
継続は魔力なり《無能魔法が便利魔法に》
☆TOブックス様にて書籍版が発売されてます☆ ☆ニコニコ靜畫にて漫畫版が公開されています☆ ☆四巻12/10発売☆ 「この世界には魔法がある。しかし、魔法を使うためには何かしらの適性魔法と魔法が使えるだけの魔力が必要だ」 これを俺は、転生して數ヶ月で知った。しかし、まだ赤ん坊の俺は適性魔法を知ることは出來ない.... 「なら、知ることが出來るまで魔力を鍛えればいいじゃん」 それから毎日、魔力を黙々と鍛え続けた。そして時が経ち、適性魔法が『創造魔法』である事を知る。俺は、創造魔法と知ると「これは當たりだ」と思い、喜んだ。しかし、周りの大人は創造魔法と知ると喜ぶどころか悲しんでいた...「創造魔法は珍しいが、簡単な物も作ることの出來ない無能魔法なんだよ」これが、悲しむ理由だった。その後、実際に創造魔法を使ってみるが、本當に何も造ることは出來なかった。「これは無能魔法と言われても仕方ないか...」しかし、俺はある創造魔法の秘密を見つけた。そして、今まで鍛えてきた魔力のおかげで無能魔法が便利魔法に変わっていく.... ※小説家になろうで投稿してから修正が終わった話を載せています。
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