《ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~》そして…案の定事件は起こった。

「うお!もうこんな時間か!そろそろ戻らねぇと」

晝休みというのは短すぎないだろうか?

そんな疑問がつい口をついてしまう今日この頃。現時刻は12時50分を回ったところ。5時間目開始まで殘り10分。移の時間なんかも考えればそろそろここを出た方が良さそうな頃合いだ。

「あら、もうこんな時間なのね」

「おい、何ナチュラルに俺の攜帯見てんだよ」

「いいでしょ、別に?減るもんでもないし」

「いや、減らないからっていいってもんじゃねぇから!っていうか自分のスマホ持ってんだろ?自分の見ろよ」

コイツはプライバシーというものを理解していないのだろうか。

「それは無理な相談ね。だって私の攜帯は今教室に置いてあるんだから」

「教室にスマホ忘れてそんな落ち著いてる奴初めて見たわ。お前スゲェな」

このスマホ依存社會と言われている現代日本。恐らく大半の人間はスマホを失くしたと気付いた瞬間冷靜ではいられないだろう。

「別に私もスマホを失くしてたら多なりとも慌ててるわ。――言ったでしょ?“置いてある”って」

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「…いや、なんでそこでドヤ顔なんだよ。っていうか、貴重品はちゃんと持ち歩けよ。今の時代、貴重品の管理は全て自己責任。失くしたり盜られても『ちゃんと管理していないあなたにも落ち度はありますよ?』って言われる世の中なんだぞ!?」

「…とりあえず、奏太君が貴重品をなくしたことがあるのは分かったわ。ご愁傷様」

と、そんな下らないやり取りをしていると、

「お~い、二人ともいつまでイチャついてんだ~?早くしねぇと授業始まるぞ~」

気付けば時計の針は12時55分まで進んでいて。

「ヤベッ!っていうか、平、置いてくんじゃねぇよ!」

俺達三人は慌てて屋上を後にした。

※※※※

「次の授業ってなんだっけ?」

「確か保健じゃなかったか?」

しかし、ギリギリとはいっても別にダッシュするほど急ぐ必要はなく。俺となごみは先行していた平に追い付くと、気持ち速めのペースで雑談しながら自分達のクラスへと歩いていく。

「あら、奏太君の得意科目じゃない。よかったわね、ムッツリ博士」

「誰がムッツリ博士だ。何の拠もなく誤解を生むようなあだ名をつけるのはやめろ」

「あら、証拠ならあるわよ?奏太君のスマホにあったマニアックなエロ畫の數々…どう考えても変態だわ」

「おまっ!見たのか!?俺の攜帯見たのか!?」

いつの間に!?いや、大丈夫。確かに俺のスマホにはエロ畫がっているがあれくらい高校生男子なら普通だ。巨モノとか巫さんモノとか普通だよね!?そうだよね!?

中から大量の汗を流す俺。

「見てないわ。でもなくとも奏太君のスマホにかなり怪しい大量のエロ畫がっていることは確認できたわ」

「…誰か、この導尋問を俺から遠ざけてくれませんか?」

「ははっ、やっぱお前ら面白いわ!」

「どこがだ!」

そんな他ない會話をしながら教室の扉を開けると…

ガラガラ

「?」

教室にった瞬間、俺達はその異様な雰囲気に気が付いた。

「…あなた達、さっさとそこをどいてくれるかしら。そこは私の席よ」

なごみの席の周りに不自然にできた人だかり。他の生徒はあからさまに目を反らし、『自分は関係ないから』と主張している。

「ああ、ごめんごめん」

「ごめんね~、ちょっとお話に夢中になってて」

そんなことを言い、クスクスと嫌な笑みを浮かべながらなごみの席を囲んでいた生徒たちがその持ち主へと道を空ける。

すると…

「「「!!!」」」

そこに広がっていた景に俺たち三人は目を剝いた。

椅子はひっくり返され、機の中の教科書類はそこら中に散らばっており、機の上には晝飯の殘飯がぶちまけられていた。

「おい!なんだよ、これ!!」

「お前ら、こんなことしてタダで済むと――」

その慘狀に俺と平が周りのクラスメイト達を睨み付け、糾弾するため聲を張り上げようとするが…

「言ったでしょ?手助けは不要よ」

それは本件の被害者本人によって遮られた。

『これくらいは想定』と言わんばかりの目をこちらに向けるなごみ.

すると…

「あれ~?波志江さん、これどうしたの~?かわいそう~」

後ろから転校してきたばかりの彼にとっても聞き覚えのある聲で挑発が。

振り返ると、案の定そこにはこのクラスの王が嘲笑を浮かべて立っていた。

――新町エリカ…やっぱりコイツか。

「どこの誰だか知らないけど…これはあなたがやったってことでいいの?」

目を細く鋭くしながら皮じりに事実確認するなごみ。しかし…

「はぁ?私がこんなことするわけないでしょ?証拠もないのに勝手に犯人扱いしないでくれる?」

新町が素直に犯行を認めるわけもなく。

周りの連中も彼の取り巻きか、関わりたくないと目を反らす奴ばかりで口を開くものなど皆無。十中八九このの仕業なのだろうが…殘念ながらこのの言うとおり証拠がない。

「ほら、私がやったって言うなら証拠出しなさいよ、証拠を!」

さらに挑発的に煽る新町。しかし…

「テメェ…何が証拠だ――」

「わかったわ。それじゃあお言葉に甘えて証拠を見せてあげる」

頭にが上った俺の言葉を遮り、なごみは余裕の表を浮かべ、フンっと鼻で笑った。

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