《ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~》新町エリカside 手段は選ばない!やられたらやり返す!!

※※※※

「エリカちゃーん?大丈夫~?機の中ゴミだらけだよ~」

「はははっ!『大丈夫~?』って、これみっちゃんがやったんじゃん!」

「ちょっと、この子泣いてないー?」

朝。教室に行くと私の機はゴミまみれ。機の上にはチョークでいろんな悪口が書き連ねられ、クラスメートからは嘲笑と侮蔑の言葉があちらこちらから投げ掛けられる…いつもの景だ。

「ちょっと!無視してんじゃないわよ!」

「調子乗ってんじゃないわよ!」

「うっ…ご、ごめん…_」

助けなんて來ない…ただただこんな日常に耐えるだけの毎日。

――もう限界。私は覚悟を決めて、決意した。

「見てなさいよ...?アンタ達なんかに負けないんだから…」

この最底辺のカーストをひっくり返してやる、と。

※※※※

「ちょっと、エリカ!聞いてる?」

「え?あ、うん...なんだっけ?」

友達の理恵に呼ばれてふと我に返った。…そういえばいつもの三人で話してる最中だったっけ。

「もう!エリカちゃんぼーっとし過ぎ!あの波志江って子のことだよ!」

「あー、ごめんごめん。何かムカつき過ぎて逆にボーッとしてた」

「何だそれ!」

「あははっ、エリカちゃんウケルー!」

それにしても、今更小學校時代の黒歴史を思い出すなんて…私も疲れてるのかしら…。

「あ~でもホント波志江って子ムカつくんだけど!!」

「エリカ、アイツこのままでいいの?」

放課後の誰もいなくなった教室で尚も不満を吐き出し続ける私の友達。

勿論、イラついているのは私も同じ。というか、多分私が一番ムカついている。

「いいわけないでしょ?今どうやってやり返そうか考えてるのよ」

晝休みのことを思い出すだけで腸が煮えくり返ってくる。

波志江なごみ。私が苦労してようやく手にれたこの快適なポジションを脅かしてきたあのを…私は絶対に許さない!

「晝休みの借りは倍にして返さないとね」

「さすがエリカ!そうこなくっちゃ!!」

「エリカちゃん、最高!!」

私の意思を聞き、喜び盛り上がる花と理恵。私に恥をかかせたこと、存分に後悔させてやるわ!

「で、どうやってあのに痛い目見せるかだけど...何か良い案ある?」

まずは二人の意見を聞いてみる。まぁ、正直私の中ではおおよそ何をやるか決めているのだけど。

「良い案っていってもなぁ…今回のこともあるし、中途半端だとまた返り討ちじゃない?」

「確かに~。晝休みのだって偶然とか言ってたけど、あれ絶対狙ってたよね?」

今日の晝休みに思いっきり返り討ちに遭ってしまった私達にとって恐らく次はラストチャンス。『もう失敗はできない』という思いからか、予想通り二人の意見は慎重だ。

でも、正直そんなことどうでもいい。

「アンタ達、停學とかが怖いなら無理しなくていいわよ。――今回は私一人でやるから」

「「え?」」

たとえ波志江なごみが私達に対抗する手段を持っていようが、たとえ私一人になろうが、返り討ちに遭うリスクがあろうが関係ない。

「ちょっと、エリカ!何言ってんのよ!!べ、別に私達ビビってるわけじゃないし!!」

「そ、そうよ!やられっ放しでいいわけないじゃん!!」

口ではそう言っている二人だが、弱気になっているのは明白。

別に二人を責めるつもりは全くないが、正直こんな中途半端な狀態でこれから私が提案する作戦についてこれるわけがない。――大丈夫、私は一人で十分。

「別に無理しなくていいわ。客観的に考えればこんなことで停學やら退學やらのリスクを背負うのは無意味だもの」

「いや、だから――」

「今回は"ケンイチ"に出てきてもらうつもりよ。――この意味、分かるわよね?」

「"ケンイチ"って…エリカ本気…!?」

「さすがにそれは…」

案の定、"ケンイチ"という単語を聞いてさらに消極的な反応を見せる理恵と花…。

「私に喧嘩売ったらどうなるか、しっかり教えてやらないと」

手段は選ばない。あんなぽっと出の高校デビューに苦労して手にれた地位を脅かされてたまるか! 晝休みの借りはきっちり返す!――思わず口の端を吊り上げた私の頭の中は、そのことで一杯だった。

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