《ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~》男にとっての初験って、意外とハードル高いよね…

「あ~ダメだ。張で吐きそう...。っていうか、もうやることないよな...?」

土曜日。現在時刻は午前12時半を回ったところ。なごみが俺の家に來るまであと30分。

「部屋の中はちゃんと掃除したし、隠すべきものもしっかり隠した。俺以外の家族は全員外出中で邪魔がる心配もないし、あとは...」

落ち著かない...。初めての自宅デートを目前に控え、居ても立ってもいられず部屋の中を右往左往する俺。

「昨日は全然張なんてしてなかったってのに...」

なごみやクラスの連中の空気にまんまと乗せられ、完全に"ヤル気"になってしまった俺。

昨日は、『よっしゃー!明日はいよいよ16年間守り続けてきた貞の卒業式だぜ!!』と一人謎のハイテンションで盛り上がっていたのだが、待ち合わせ時間目前の今になって急に張してきたというわけだ。

「っていうかいろいろ不安だらけなんですけど...」

ヤバい...。いざ自分がこれから初験をする、と考えると不安だらけだ。いや、むしろ不安しかない。

ベッドインのタイミングは...?まずはキスからだよな...?キスまでの雰囲気作りはどうすれば...?っていうか、俺口臭くないよね!?――等々、頭の中に次から次へと勝手に疑問や不安が沸いてきて、不安が増す度に張も増してくる。

くそっ、これが大人の階段というやつか...手強いな...。

「と、とりあえず分からんことはネットだ!グーグル先生にご協力願おう!!」

俺はしでも不安を減らし張を和らげようと、頼れる相棒の姿を探した。すると、

ブーブーブー

「おぉ!そこだったか!――っていうか、メール?」

我がスマートフォンはこちらが見つける前に自ら振音を鳴らしてその存在を示してくれた。

しかし、友達ほぼゼロの俺にとって、アラーム以外で攜帯が鳴るなんてほぼ皆無。メールの信音なんてほとんど鳴るはずないんだが...。

平か?いや、まさかなごみの奴もう著いたとか!?おいおい、俺まだ心の準備できてねぇよ!!

ドキドキしながら畫面を確認してみると、

「なんだ、迷メールかよ...ドキドキさせやがって...」

差出人の欄には知らないメールアドレスが。

まぁ、たまには迷メールも來るだろ、としだけ安堵しつつ、一応容も確認するためメール本文をクリック。しかし...

「!!」

そのメールを見た瞬間、しの安堵も、先ほどまでのすらも一瞬で消し飛んでしまった。

「噓だろ...?」

『波志江なごみは俺達が捕らえた。返してしかったら學校の育倉庫まで一人で來い』

「こういう時は警察か?いや、そんなの後だ!とにかく早く助けに行ってやらねぇと!!」

瞬間、俺は財布と攜帯だけ持って、一目散に部屋を飛び出した。

「クソッ!早くしねぇと!!」

勢いよく家を飛び出し、全速力で駆け出そうと、學校の方角へと足を向けた。

が、しかし...

「おい、ちょっと待てよ」

「あ!?急いでんだから話し掛けんじゃ――がっ!!」

後ろからいきなり肩を摑まれ、振り返った瞬間...俺は後頭部に強い衝撃をけ、そのまま地面に倒れた。

そして、

「ハッ、悪いな。俺達も金欠なんだよ。恨むなら依頼した奴を恨むんだな!」

俺は自分を強襲した男の偉そうな口調を聞きながら、意識を失った。

    人が読んでいる<ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください