《ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~》テスト勉強始めるのって、結構エネルギー必要だよね……

波志江家を出た俺は自宅へ帰還すると自分の部屋へと一直線。しかし、條件達のためテスト勉強するわけでもなく、すぐさまベッドへとダイブ。そして、

「勢いで條件を飲んだはいいけど……本當に大丈夫なのか……?」

天井を見上げながら一人呟いた。

俺はともかくなごみが一人で勉強してちゃんと點數が取れるかが問題だ。アイツ、努力はするんだが要領悪いからな……。テスト直前までは、昔みたいにコッソリなごみの勉強を見てやったり、家に帰ってからは電話とラインで教えてやったりしようと思っていたんだが……

「こりゃあ早速ピンチだな……」

俺は先ほど送られてきた、なごみ母からのメールを見ながらため息をらした。

ーーーーーーーー

To奏太君

今日は久しぶりに奏太君と話せて楽しかったわ!

奏太君の男前なところも見せてもらったし、大満足でした(ハート)

あ、ちなみに今日出した條件だけど、いくつか注意事項があるから送っておくね♪

〈注意事項〉

➀お互い以外の人に勉強を教わるのは○。あっ、ちなみに今回は私、なごみに一切勉強教えないから(笑)

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➁基本的に互いに教え合うのは止だけど、學校の休み時間だけは特別に例外を認めます。

⓷但し、放課後はすぐに帰宅すること。

※二人とも委員會にも部活にもっていないことは知っています。萬が一他の人の手伝いとかがある場合は擔當の先生に捺印をもらってくること。

⓸テスト期間中は勉強の邪魔になるから學校から帰り次第、なごみのスマホは私が預かります。(なごみの攜帯への電話やメールは全部ママが対応するからそのつもりで♪うっかりの囁きメールなんか送っちゃうと後で恥ずか死ぬことになっちゃうかもよ(笑)

④テスト期間中は、休みの日に二人で會うことも止。(デートはテストが終わるまで我慢してね♪)

以上、ルールを破ったら二人とも全教科マイナス10點!

気を付けてね~♪

未來のお義母さんより

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「おばさんには全部お見通しってか……? ホント勘弁してしいぜ……」

思えば昔からおばさんの裏をかけたこと等ほとんどなく、いつも気付けば彼の掌の上だったような……。正直『私、実は相手の心が読めるの』とか言われても、あの人なら信じてしまうかもしれない。とてもあの素直ですぐに騙されるが繋がっているとは思えない。なぜ親子でこうも真逆な格になったのだろうか……正直不思議で仕方がない。

と、それはともかく……

「まぁ、とりあえず正攻法でやってみるか。っていうか、俺もしっかり勉強しないと績下がりかねんし、今回ばかりは真面目にやらないとな」

テストまであと2週間。ハッキリ言ってグダグダ悩んでいる余裕はないし、時間を無駄にはできない。

だが、條件をクリアできなきゃなごみとは別れることに……。やるしかない! まずは今やれることからやっていこう!!

俺は起きたくないと駄々をこねる自分のにムチ打ち、気合いをれて起き上がると、カバンから教科書類を取り出し自分の勉強を開始させた。

が、しかし……

「あ~もう無理だ!」

そんな気合いも長くは続かず……。勉強開始から30分足らずで、俺はシャーペンを放り出した。

「やっぱ慣れないことはするもんじゃねぇな」

普段、『テスト勉強は3日前から』が信條の俺にとって、どうやら2週間前からコツコツ勉強する勉強法は無理があったらしい。

「人間向き不向きってもんがあるしな! いつも通りやれば大丈夫だろ!! うん!!」

と、何故か自信満々にダメ人間特有の言い訳を自分に言い聞かせつつ、

「よし、やっぱり今回も短期集中で頑張ろう! 今はそのための力を養わなければ!!」

気分転換にと、近くにあった読みかけのマンガに手をばす。と、そこへ……

ブーブーブー

不意に、勉強機にに取り殘されたマイスマホが震し、メールの信をお知らせしてきた。

「なんだよ。またおばさんからの注意事項とやらか? 注意事項多すぎだろ」

文句を垂れつつスマホを取り上げ、畫面を見てみると、

「ん?ラインか」

ホーム畫面にはメールではなくラインの通知畫面が。差出人はというと……"波志江なごみ"――どうやら良い意味で期待を裏切ってくれたらしい。

そして、肝心の容はというと、

『今日はありがとう。それと、また迷かけることになっちゃってごめんね……。でも! 私頑張るから!! 正直不安はあるけど、絶対に良い點取って見せるから!! ――じゃあ、私は早速今から勉強開始するね♪ ……大好きだよ、奏太君』

「ったく、このヤル気が結果に結び付いてくれるといいんだけどな」

自分でも単純だなと思いつつも、最後の一文のおかげで再び自分の中にヤル気が満ちてくるのが分かった。そして、

「俺も負けてらんねぇよな」

俺は手に持っていたマンガを放り捨て、意気込み新たに再びシャーペンを握り直し、教科書を開いた。

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