《ACT(アクト)~俺の婚約者はSな毒舌キャラを演じてる…~》テスト勉強は順調です!

「ここはまずこの式を展開してだな――」

なごみとテスト勉強を開始してから早くも1週間以上が経過。

「こうかしら?」

「そうそう! ちゃんとできてんじゃん!!」

今は帰りのホームルームまでの休み時間を使って數學の復習中。

「――この問題も正解、と……。數學も基礎問題だけなら大分解けるようになってきたな」

「當然でしょ? 私を誰だと思ってるの?」

「はいはい……とりあえず、その偉そうな口調が出せるくらいの余裕は出てきたみたいで何よりだよ……」

「どうしたの? 素っ気ない反応して。もしかして、敢えて素っ気ない態度をとることによって、私からの更なる罵倒を引き出そうとしているの? まったく、とんだしがりさんも居たものね」

「勝手に人を変態にすんじゃねぇ! ただ単に勉強だけじゃなくて、毒舌の方まで調子出てきたお前を見て嘆いてただけだっつーの!!」

「なるほど。これが噂に聞く"ツンデレ"というやつね。覚えておくわ」

「ちげぇから! 大どこに"デレ"の要素があったんだよ!! っていうかメモ取んな!! こんなのテストには出ません!!」

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気づけば俺達はいつもの夫婦漫才をクラス中に披していた。

昨日一人で勉強して分からなかったところが解決したらしく、さらに今の時間で基礎だけだが、無事に全教科のテスト範囲が終了。おで人前用キャラのなごみも饒舌だ。と、そこへ、

ガラガラガラ

「おーい、お前ら席著けよー。ホームルーム始めるぞー」

擔任の鈴木先生が気だるそうにしながら教室にってきた。

「じゃ、これ約束してた"テスト対策用のプリント"だから。採點は俺がするから今日から家でやってくれ」

「わかったわ」

「ちゃんと本番同様100點満點形式にしてあるから、できれば本番だと思って、ちゃんと時間測りながらやれよ」

「なるほど。わかったわ。――それで、何點位取れれば合格だと思っていいのかしら?」

「まぁ、お前の分はほとんど基礎問題しかれてないし、70點位取れればなくとも赤點回避くらいはできるんじゃないか? ――ま、あくまでこれは"対策用"だから、結果はそんなに気にする必要ないけどな」

「いえ、當然結果は気にするし、ちゃんと結果も出すつもりよ。――まぁ、せいぜい私がどれだけ長を遂げているか、楽しみにしていることね」

「いや、だから何でそんな上から目線なんだよ」

俺自作の"テスト対策問題"を手早くなごみに渡し終えると、

「おーい、さっさと席つかねぇと帰るのも遅くなるぞー。っていうか、俺もさっさと終わりたいから早くしてくれー」

俺達も他のクラスメートと同じく、し遅れて先生の指示に従い自分の席へと戻った。

「よし、じゃあまず、連絡事項だが――」

そして、先生はいつもと同じように気だるげに話し始めた。が、完全にその話は上の空。順調に進んでいるテスト勉強のことを考え、俺は思わず表を緩ませていた。

まだまだ基礎レベルの問題だけだが、テスト範囲は一通り終わり、徐々に正解率が上がってきてる。初日の燦々たる実力を見せられた時はどうしたもんかと頭を抱えたもんだが……それも今は昔。

なごみ自、家に帰ってからもその日の課題やら、俺が學校で教えたことの復習やらを何時間も頑張った甲斐あり、全教科赤點回避までもうし! と思わせるほどまでに長しているのだから。

これで、さっき渡した"テスト対策問題"で全教科60點……いや、50點臺や最悪40點臺があってもケアレスミスばかりなら、あとは殘りの2日間でなんとでもなるし、今のなごみならその點數も十分可能。

あと心配なのは調だけだが……まぁ、今日の楽しそうに俺をイジる姿を見る限り、とりあえず心配はないだろう。――ったく、順調過ぎて逆に怖いくらいだぜ……。と、一人でかにニヤニヤしているうちに、、

キーンコーンカーンコーン

「よし、チャイムも鳴ったことだし、これでホームルームは終了だ」

ホームルーム、そして今日一日の終わりを告げるチャイムが聞こえてきた。そして、

「よし、さっさと家に帰って対策問題やるか!――なごみ、行くぞ!」

「偉そうに私に命令しないでくれる? 気分が滅るわ」

「おい、もう勉強教えてやらねぇぞ」

「……ほら、さっさと行きましょう? 貴重な勉強の時間がなくなってしまうわ」

「はいはい……」

他のクラスメート達がまだグダグダしている中、俺はさっさと帰り支度を済ませ、なごみと共に席を立った。

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