《神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社會でたくさんの嫁を娶りたい!》園児編 第21話 あの子を落とせ〜人見知りっ子編⑪〜
俺、佐藤篤樹(サトウ アツキ)は必死によもぎ保育園を駆け回っている。
それはなんでかって?
それはいま俺はあるを探しているのである。
銀髪のデコだしパッツン。
このの名前は真城冬(マシロ フユ)。
今、俺が攻略対象としているである。
俺は彼とここ長い時間をかけて、しずつ関係を築いていった。
俺は彼を真似することから始め、まず彼の興味を引いた。そして彼に聲をかけて、いつの日か一緒に絵本を読みあうようにもなった。
最近に至っては一緒に絵本を作った。
そのが先程、俺を見た途端に走って逃げ去ってしまった。
そして俺は彼が佇んでいた近くのゴミ箱の中に、ある紙切れを見つけた。
その紙切れにはどこか見覚えがあって……
俺とふゆちゃんが共同で創った絵本がビリビリに破かれていたのである。
きっと、ふゆちゃんも俺と同じ気持ちなのだろう……
いまふゆちゃんはかなり苦しい思いをしているに違いない!
俺は彼を必死に探し回った。
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保育園のトイレは男で分かれていないので、保育園にある全個室を探し回った。
それでも彼はどこにもいなかった……
ひよこ組のクラスも見たし、パンダ組のクラス、そしてキリン組のクラスも見た。
だが、彼はどこにもいなかった……
それでも俺は諦めない……彼を見つけるまで!
外が嫌いな彼がいるはずないだろ、と思いながらも俺は保育園の中庭へと向かっていった。
そこで俺は発見した。
銀髪のが、太を浴びてアスレチックの上でひとり佇んでいるのを。
彼の髪は風でそっと靡き、彼の目元には太のせいかきらりとったものがあった。
俺はその彼の姿に完全に見惚れてしまった。
きれいだ…………
太が嫌いなが太によって輝いていたのである。
どんなものに対しても等しく優しいをもたらす太。俺はそんな自分の理想像に太にしだけ嫉妬を覚えた。
太によって輝く彼俺は完全にに魅了されていた。
俺はただそのしいに近づきたくて、無心で彼の元へと歩み寄った。
俺は一瞬當初の目的を完全に忘れかけていた。
俺は俺の頭から逃げ去ろうとする目的をもう一度摑み直し、彼がいるアスレチックの頂上へと必死に向かった。
そんな俺を見たは今度は逃げ出す様子はなかった。
それにしても、このアスレチック登るのはキツくないか?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
わたしのなまえは真城冬ましろ ふゆです。
わたしはいまひとりでアスレチックの上で、風を浴びています。
わたしはいまとても悲しいです。
悲しみのあまり、わたしは雨のように涙を流しています。
あつきくんと一緒に作った本が何故かビリビリに破られて、ゴミ箱にポイされていたからです。
わたしは誰がやったんだろう……なんて恨む気持ちよりも、ただあつきくんと作ったものがなくなってしまう、あつきくんとのつながりが消えてしまうんじゃないかという不安な気持ちの方が強くありました。
わたしの初めてのお友だちのあつきくん。
そんな男の子を失いたくありません……
わたしはそれを思うと、ほんとにほんとに悲しい気持ちでした。
何分かずーっと泣いていました。
そしてそんな時に彼はわたしの元へと現れました。
彼はなんかぼーっとしています。
なんでなんでしょうか……
彼がわたしに近づいてきてくれました。
わたしは前と同じくドキドキしています。
この気持ちはまだわかりませんが……
今はもう、彼から逃げません。
わたしは一生懸命登ってくるあつきくんなことを待ちました。
そして、登りきったあつきくんはわたしに優しく聲をかけてくれました。
「フユちゃん、おはよう」
彼の笑顔は太のように、いや太なんかよりも輝いていました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺はいま一生懸命アスレチックを登っている。
ここのアスレチックは意外と難易度が高い。
その頂上で待っているを長いこと待たせておくのはかっこ悪いと思ったので、俺は全力で登る。
登り切ったのはいいものも、俺はかなり疲弊してしまった。
ここで息切れした様子を見せたらダサいと思ったので、一丁前に強がってやりました。
そして俺は脳に酸素が周りきらず、こんなことを口に出した。
「フユちゃん、おはよう」
おいっ! 俺の脳さん! 絶対に違うだろぉぉ! もっと気の利いた言葉があるだろぉぉ! おれはどっかのキャラなのかぁぁ? もっとコミュ力あげてくれよぉ!
俺の脳では悶絶しっぱなしだったりして。
そんな俺のことはつゆ知らず、彼は泣き腫れた目元をそっと拭いて、笑顔を向けてくれた。
彼のその笑顔に、先程ビリビリに引き裂かれた俺の思いを癒してくれるかのようにじた。
「ふゆちゃん…………」
「なーに。アツキくん」
俺はアスレチックにちょこんと座った。
その隣に彼もちょこんと座ってきた。
「………………」
「………………」
その間、俺とフユちゃんには対した會話はなかった。
俺とフユちゃんはしずつ登っていく太を2人で眺めていた。
太の暖かさよりも、フユちゃんの溫の方が暖かい。
ふゆちゃんのは徐々に俺の元に近づいてきており、そっと彼の頭が俺の方に置かれているのであった。
太は雲に見え隠れしていて、ちょうどいい明るさだった。
雲が凄い勢いでいていくのを2人で眺めた。
2人で寄り添っているだけで、引き裂かれた絵本は元には戻りそうになかったのだが、俺とふゆちゃんのこころは徐々に満たされ、そして修繕していくのであった。以前よりもく強くなって。
「フユちゃん! 今度も一緒に絵本作ろうね! 今度はもっとすっごいやつ作ろうね!」
「うん♪ 約束だよ!」
大切なのは作品なんかじゃない。
作品を作り出すという共通の思い出だ。
あっ! もちろん作品は大事だよ?
そんな俺の言葉にちゃんは満面の笑みを向けてくれた。
太もふゆちゃんの笑顔に合わせてなのか、雲を避けて一段と輝き出した。
彼の綺麗な碧の瞳、そして彼の潤っった。
そんな彼に俺は我慢できなかった……
やばい……可すぎる……
に……に……なんか早口言葉みたい……はぁ、俺6歳でよかった。6歳ならなんでも合法だよね!?
俺はふゆちゃんのにそっと自分のを重ね合わた。
そんな俺を彼は驚いた様子で目を見開いていたが、次第にまぶたが重くなったのか。
目をそっとつむっていた。
そして俺は彼、真城冬(マシロ フユ)の攻略に功した。
純っ子、人見知りっ子の、ゲットだぜ〜♪
心はしゃぐ俺だったが、問題はまだ平積みだ。
ここからはアイツとの決戦だ…………
俺は雲に姿を完全に隠してしまった太を眺めながら、次なる戦いへの覚悟を決めるのであった。
待ってろよ! ナツ!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
わたしは真城冬ましろ ふゆです。
いつもいつも自己紹介からってごめんなさい……
わたしに好きなものが2つ増えました。
それはまず一つ。
お日様がすきになりました。
ポカポカでキラキラなお日様。
なんでわたしはあんなにいいものを嫌っていたのでしょうか。
好きになったのはきっとアツキくんのおかげなんでしょうけど……
そしてもう一つ。
それはさとうあつきくんです。
あつきくんのポカポカでキラキラな笑顔がだいすきです。
わたしのはじめてのおともだち。
これからもずっとだいすきでいたいです。
あと、これは緒なんだけどね……
わたし、アツキくんのチューしちゃいました。
それからがポカポカしています!
アツキくんが好きで好きで仕方がありません。
あ! アツキくんがまた黒髪のにめられています! 助けに行かないと!
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