神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社會でたくさんの嫁を娶りたい!》青年編 第5話 登校

住宅街を並んで進んでいく二つの影。

服裝から判斷するに、學生なのだろう。

その片方はかなり高長のようだ。顔も小さい。

モデルなのだろうか……

ここに住んではいない、通りすがる人は必ず彼を二度見はする。

多い人は五度見もする。

近所に住む人はその人の正を知っている。

その人は人気子役の彼だ。

その隣にいる人はというと……普通だな……

「ねぇ……あっちゃん……今、酷いことを考えたりしなかった?」

え!? なんでわかった……

こいつエスパーなのか? 神様なのか?

「か、考えてねぇよ」

「はぁ、やっぱり! 考えたのね……」

「なんでそんなにわかるんだよ? 怖いぞ?」

「だって、あっちゃんが変なことを考えている時はいつも気持ち悪く笑ってるもん」

「…………」

「さっきも気持ち悪かったよ……」

「おい! いつも一緒にいる! みたいな言い方すんなよ! それに辛辣だな!」

「え!? あっちゃん急にどうしちゃったの?」

「だぁかぁらぁ! いつも一緒にいる馴染! みたいなキャラを押し付けてくるな!」

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「え!? 本當にどうしちゃったの? 押し付けなくても私たち馴染だよ! もうずっと一緒にいたじゃない!」

「…………」

そう、俺の隣にいる人。それも普通のの子。顔は整っていて、型も一般的な格も普通。そんな人。あるのはただ馴染というキャラだけ……あ! 名前はえーっと、鈴木幸すずき みゆき。

「ねぇ……あっちゃん! また変なこと考えてたでしょ?」

「っ!!! やばい……學校に遅れちゃう!」

「あっちゃん! あからさまに焦らなくてもいいのに……」

「うるさ〜い!」

俺は場が悪くなって、遅刻という理由をつけて走り出した。

俺の足はかなり早い!

陸上の大會に出たら確実に新記録を出して優勝してしまう。それぐらいには早い自信がある。

ぐんぐんとスピードを上げて、風を切り、學校へと向かっていく。

俺は風を全に浴びながら、気持ちよく前へと進んでいく。

だが、學校への道のりには俺のそんな勢いを止めてしまうものがある。

それは……

ピッポー。 ピッポー。 ピッポー。

『SHINGOKI』である。

どれだけブレイクして前へと止まることなく突き進んでいくことができたとしても、こいつの前では皆平等に立ち止まらなければいけない……

俺も、その1人だ……

俺、佐藤篤樹(さとう あつき)は6歳の時に『マリモの決まり』の子役にオーディションで合格し、そのドラマが大ヒットとなった。

そのおかげで俺も大ブレイクを果たした。

その後も子役として演じることも多かった。

バラエティ番組にも出ることがあった。

そして、子供用のファション誌にも載るようになった。

子役としての年月を長い間過ごしてきた。

だが、男の子の子役はここで一つの転換點を迎える……

それは長だ。

どんなけ可い子役であっても、長には抗えない。

男の子の場合はそれが激しく影響してしまう。

聲が低く変わり、可い容姿から、ゴツゴツとした男として長してしまうのだ。

い姿からの変容。

それによって、ファンがしずつ消えてしまうことがある……

そして、人気子役でもひっそりと社會の中に影を落としていくのだ。

俺もそんな時期が…………

そんなのなーーーい! ないったらなーい!

俺にはそんな時期はない!

俺は子役として活躍した後も、なんやかんやでドラマ、映畫、ファッション誌に出続けた。

俺の人気に影が刺すことなど一度もなかった。

それもそう。俺にはなんたって、師匠がいるのだから。

俺は師匠を使って、可さも包しつつ、カッコよさをも追求していった。

その結果、俺は學校に行く時間もなくなるくらいに大ブレイク中。

そんな勢いある俺を止める存在『信號機』

ピッポー。ピッポー。ピッポー。

俺が信號機を待っていると、後ろから

タッ。タッ。タッ。タッ。タッ。

「ハァ…ハァ…ハァ…もぉっ! あっちゃん! 急に走ったりしないでよ! ハァ…ハァ…ハァ」

「おぉぉ! みゆき! 意外と早かったみたいだな!」

「おぉぉ! じゃないでしょ」

俺の後ろから勢いよく現れたのは馴染の幸。

同じ小學校に通い、同じ中學校に通い、同じ高校に通い、さらにはご近所さん。

典型的な馴染のステータスを兼ね備えた人こそがこの鈴木幸なのである。

日本人の名字ランキング上位者がここで揃ったのである。

「いやぁぁ! 久しぶりの登校で気分が上がったんだよ!」

「だからって急に走らなくてもいいじゃないのかな〜」

「いや! そこは許してくれよ! 俺たちなんたって馴染だろ?」

「うわぁ……それあっちゃんが言っちゃうの?」

「だってお前もさっき言ってただろ?」

「それはそうだけど……調子に乗りすぎじゃない?」

「そうか?」

「どれだけあっちゃんが人気で大ブレイクしてても、そんな調子だといつかはきっとあっちゃんにはバチが當たるよ」

「っ!! な、なんだ急に! 説教かよ!」

「まぁ、いいけど……とりあえず信號青だから渡ろっか!」

「あ! 本當だ!」

「もうかなり早いスピードで走ったから、學校には間に合いそうだね」

「あぁそうだな!」

「それにしてもあっちゃんが學校に來るのって2週間ぶりくらいかな?」

「うん。それぐらいになるな!」

「こうやって一緒に登校できるのは、わたし結構嬉しいんだよ。たまにしか一緒に行けないんだけどね」

「…………き、急にどうしたんだ?」

「まぁ、いいよ……わかんなくたって……」

いやいや、分かるよ? 俺がわからないはずが無いじゃないか……俺は、ラノベ主人公のような鈍系じゃない……

俺は新たな敏系主人公なんだから……

君の気持ちを數値として見ることができちゃうんだからね……

君がどれだけ俺のことをしているのかが數値となって、ニヒヒヒ。

「ねぇ……あっちゃん……また変なこと考えてたでしょ? 本當に気持ち悪いからやめたほうがいいよ」

「ぬ!?」

「何が、ぬ!? なの? 本當に気持ち悪いからやめてよね」

「わかったよ。気持ち悪くてごめん。大ブレイクしている俺が気持ち悪くてごめん」

「あっちゃんって、めんどくさいよね……」

なんだよ!? こいつ……

俺のことどんなふうに思ってんだよ……

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【名前】鈴木

【年齢】17

【誕生日】6月6日

【3S】B: 78    W: 58    H:80

【親度】90

【好きなもの】特になし

【嫌いなもの】特になし

【H】C

【テクニック】C

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【稱號】【馴染キャラ】【アツキの嫁】

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【ひとこと】

え〜……ここに書くことなんてなにもないよ。

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もうとっくの前に攻略済み。エピソードも凡庸。

特質すべきことが何もない……本當に何も……

俺が引っ越して家族絡みで俺の庭でBBQをした時、俺が食べていたものを幸が知らずのうちに食べていた……

その頃には何も起こらなかったのだが……

中學校に上がり、幸が不良に絡まれていたところを助けた時に、突如として【稱號:アツキの嫁】が現れた。

その當時は俺も頭を抱え、このことについて深く考えた。

導き出されたのは……

俺の【魅了】の力はウイルス的なものにもなる……ということだ。

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