キンコーンカーンコーン。

授業の終了のチャイムが校に鳴り響いた。

「ふぅ。疲れた〜」

前の智也が手を組みうーんとびをしてそんなことを言った。

「なぁ、とも。し聞きたいことがあるんだがいいか？」

「あぁ。いいけどどんなことだ？」

「そのだなぁ。この學校に水の髪で水の瞳をした子生徒のことを教えてほしいんだが……」

「……水の髪に水の瞳だと？」

「あぁ。本が好きそうな人なんだが……」

「お前、氷姫のことを知らないのか？」

「氷姫？」

「あぁ、この學校ではかなり有名だぞ！」

「そうなのか！　じゃあ教えてくれ！」

「あぁ……教えるのはいいが……近づくのはやめたほうがいいぞ」

「まぁ。そこは話を聞いてから考えるよ」

「でも、俺も直接関わったことはねぇ。俺が知ってるのもただ聞いた話だ」

「あぁ。それで構わない」

「彼の名前は氷堂時雨(ひょうどう　しぐれ)

俺らの一個上の先輩だ」

「先輩なのか？」

「あぁ。彼の二つ名は氷姫(こおりひめ)だ」

「高校生で二つ名がつく人なんているんだな……」

「続けていいか？」

「あぁ。すまん……」

「氷姫の由來はその格にある。氷姫の容姿を見ればわかると思うが、かなりの人だ。

水の髪に水の瞳なんて滅多に拝めないしな」

「さっき見た時はあまりにも綺麗な眼だったから瞳しか見れなかったな……」

「見たのなら話が早いな。それで、氷姫を見て惚れる男は多い……だが、氷姫に想いを寄せ、氷姫にアプローチした人に無事だったものはいない……」

「…………どういうことだ？」

「彼は大の男嫌いだ……」

「彼にアプローチした男たちは彼の口撃によって、神をズタズタに引き裂かれる……それでついたのが氷姫だ」

「なんだよ……そんな人がこの學校にいたのかよ……」

「あぁ。男子たちには要注意人として知られているが、そんな孤高の存在の彼に憧れる子たちは多い。子からはかなり人気の先輩だな」

「そうなのか……ありがとな！　々と教えてくれて」

「あぁ……でも俺は忠告しとくぞ？　彼には近づかないほうがいい！」

「忠告ありがとな！　親友！」

まぁ、俺は忠告は無視するタイプなんだけどな……

「あぁ！　じゃあ、俺は帰るからよ！　親友！」

「じゃあな！」

俺は親友の智也と別れを済ませた。

「よし！　いっちょ行ってみるか！」

と獨り言を呟きながら、教室をでたところ、1人の人に遭遇した。

「あっちゃん！　どこに行くの？」

「あぁ……なんだよ？　聞いてたのかよ！」

「うん。おもっきり獨り言言っちゃてたね」

「うるせぇよ！」

「そんな怒んなくてもいいのにね」

「それでこんなところになんのようだ？」

「それはもちろんあっちゃんと一緒に帰るためだよ！」

「あぁ……そうか。そういえばいつも一緒に帰ってたな」

「なになに？　忘れちゃってたの？」

「あぁ……しな……幸、今日はすまん！　ちょっと確認したいことがあるから先帰っててくれないか？」

「えぇぇ！　せっかく待ってたのにね……」

「……ほんと、ごめん！　今度必ず埋め合わせをするから……」

「ふぅーん。今聞いたからね。ちゃんと！」

「あぁ、また今度容については決めよう」

「うん。わかったよー。何があるのかわかんないけど、気をつけてね」

「あぁ。じゃあまた今度な！」

「うん！　あっちゃんバイバーイ」

俺は幸とも別れを済ませ、本來の目的の場所へと向かう。

俺が向かうのはこの學校の図書室。

水の髪に水の瞳の彼がいるかはわからないのだか、手掛かりは彼が本を持っていたこと、ただそれだけだ。

だが、一度は行ってみる価値はあるだろう。

俺は子生徒たちに手を振りながら、廊下を通り、図書室のある三階に階段で登っていった。

そして、図書室の扉の前に來た。

じゃあ、彼がいるのかとりあえず確認してみるか……いればいいんだけど……

ガラガラガラ。

俺はゆっくりと扉を開け、中へとっていった。

俺の學校の図書室の蔵書はかなり多い。

確か10萬冊って言ってたような気がする。

あらゆるジャンルの本があって、本好きにとってはとてもありがたい場所なのだろう。

図書室はどこか埃っぽい匂いと紙の匂いが充満していた。

放課後ということもあって見たじ図書室には誰もおらず、靜まり返っていた。

俺はそのまま図書館を回っていたところ、ある場所にたどり著いた。

図書室の奧にある蔵書庫だ。その扉は何故だかしだけ開いていた。

俺はその扉を開けて中へっていった。

ぎぃぃぃ。

扉はかなり古くなっていて、開くときにかなり古びた音が鳴る。

蔵書庫は窓がないせいか、しばかり薄暗かった。

そして、そこに彼はいた。

水の髪に水の瞳。氷堂時雨。

俺がってきたことにも気付かず、彼は蔵書庫の腳立のところに座って、本を読んでいた。