神から授かったチートスキル〜魅了〜を駆使して現代社會でたくさんの嫁を娶りたい!》青年編 第48話 親友

夏休み間近の頃、蟬のうるさい鳴き聲によって目を覚ます。

アブラゼミの鳴き聲の中にウォーリーを探せのようにひっそりとなくクマゼミ。

小さい頃はアブラゼミはうんこの翅をしてるわ、おしっこをかけてくるわ、うるさいわと嫌いな要素が詰まっていて、それに比べてクマゼミは明の翅を持ってどこか希じがした。

まぁ、カブトムシよりもクワガタがいいみたいなそんなじだ。

蟲嫌いからすると比較するまでもないのだが、俺はそんな蟲たちに無理矢理と夢から引き摺り出されるのであった。

と、俺が自分で起きてしまうと役職を失ってしまう人

「にいさまぁぁぁ! 起きてくださぁぁあい! 今日は學校————」

と、思い切り扉を開けて、俺の部屋に侵してくる。

いつもの俺ならば布団に包まり、起きることを嫌がるという一連の行為があるのだが、あまりにも蟬たちがうるさいせいで嫌でも起きてしまう。

それに夜のうちにクーラーをつけるのも忘れていたので、今室はかなり暑い。

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「おう。おはよう。兄ちゃんはもう起きてるぞ」

と、いつもと違って起きている俺を見た希は

「だめですぅぅ! にいさまは朝はお寢坊さんでいてくれないと困りますぅぅ!」

と、口をプクーと膨らませて、プンスカプンスカさせている。

朝のこの一連の行は俺と希のスキンシップみたいなもので、俺もそうなのだが希はそれ以上にそんな時間を楽しんでいる。

俺もそんな希の気持ちを察して、起こされてあげなかったかわりに近くに寄って、頭をよしよしとでてあげる。

「えへへへ〜」

と、でられて満足したようで、

「じゃあ、にいさま私は先に下に降りてますね」

「うん。わかったよ」

と、希は扉を閉じて元気よく階段を駆け下りていく。

希の階段を駆け下りていく音が家の中響く。

そして、が言おうとした通り今日は仕事の予定がなく、學校に行く日なのである。

支度をしていつも通りに家を出る。

そして、いつも通り俺の馴染の1人である幸が家の前で待っている。

「あっちゃん。おはよう」

「あぁ、おはよう」

俺と幸は挨拶をわし、2人並んで歩いていく。

「あっちゃん、最近お仕事さらに忙しくなったんじゃない?」

隣の馴染の幸が心配そうに尋ねる。

「あぁ。そうだな。ドラマもまた出演が決まったし、モデルの撮影もまたやることになったよ……」

「そうなんだね……あんまり無理しないでね」

「まぁ……忙しいのは幸せなことだ思うからさ」

「まぁそうだね。でも、やっぱり無理はだめだよ」

幸が俺に釘を刺すように言う。

「わかったって。あっ! 仕事で思い出したんだけど、俺、雷撃文庫ってところからオファーがあった」

俺は幸にロリ編集長との出會いとオファされた経緯をある程度抜粋して話す。

「へぇ〜。そんなんだね。って、雷撃文庫ってふーちゃんの作品を出版しているとこじゃない?」

おぉ。幸はすぐに気付いたようだな。

俺は家に帰ってふとふゆちゃんの作品が目にって気付いたんだけど。

「そうなんだよ。雷撃文庫にふゆちゃんがいるんだよ」

俺は興気味になって話すのだが、幸は俺と対照的に冷めたじで、

「そうだね」

と、短く相槌を打つ。

「ってことはさ、俺がイラストレーターで絵を描いて、ふゆちゃんが原作者で本が出せるかもしれないってことだろ?」

あれ!? なんかどっかで聞き覚えがあるんだが……

「そうだね」

俺が興しているのに幸は俺の興とは反比例して返答が冷たくなっていく。

「でさ——————」

と、俺が話そうとしたところ幸が突然俺の手を握ってきて、

「もう、あっちゃんは朝から蟬みたいにうるさい。し黙ってて」

と、幸はしばかり怒った表を見せて俺を引くようにして歩いていく。

俺はそんな様子に呆気にとられたのだが黙って幸に引かれることにした。

そんな狀態が校門のし前まで続き、校門にるときには何もなかったような狀態になった。

學校って俺と幸は自分のクラスへと向かっていった。

階段を登って二階の2年E組へと向かう。

教室の扉を開けてっていくと、俺の親友の智也が席に座っていた。

智也は俺が教室にってきたのに気づかないのか、ごついヘッドホンをつけてゲームをしていた。

俺の前が智也なので俺はそのまま自分の席へと向かう。

ゲームに夢中なせいなのか俺が席に座っても気付く気配はない。

仕方がないので俺は智也の肩を叩いてやる。

と、さすがに気付いたのかいつも通りに気な挨拶を向けてくる。

「おぉ! おはよう、あつき。久しぶりだな」

「あぁ、そうだな。最近の調子はどうだ?」

「うーん。ボチボチかな……お前の方こそどうなんだよ!」

「俺か? 別に何にもないけど……」

「本當か? 最近またネットが荒れてるぞ? お前が相田真奈とお忍びデートだとかいって」

「ハハハ。お忍びデートね。否定はしないけど……デートって言っても仕事帰りに回る壽司を食いにいっただけだぜ?」

「どういうことだよ。普通お忍びデートなら回らない壽司だろ?」

「そうだろ? 俺もそう思ったんだけど、真奈姉さんが回る壽司がいいっていうからさ」

「ハハハ。あの國民的優を姉さん呼ばわりかよ。お前も流石だな!」

「まぁ、姉さんも幸と一緒で馴染みたいなものだからな」

と、俺が何気なく幸の名前を出したとき、智也はしだけ顔を顰めたのだが俺はそんな様子に全く気づきもしなかった。

「…………そうか。で、ここだけの話お前は一誰を狙ってるんだ?」

智也が今までれてこなかったところに今日はなぜだか積極的だった。

まぁ、俺と智也は前の人生でもかなり仲が良かったし、信頼に足る人だと思うから言っても構わないのだが……

「うーん……わかんねぇ。ハハハ」

俺はこんなふう調子で一見適當に思えるような返事をした。

でも、実際に俺の言ってることは真実であって、噓ではない。

「なんだよ……それ……まぁ、お前は蕓能人だからな」

「まぁな」

「はぁ……お前ってやつは本當になんでも持っていて、羨ましい限りだよ」

智也が吐した言葉は本心にも思われて

「まぁ、なんかあれば俺に言ってくれよ! 大のことはなんとかしてやる!」

と、俺は智也にそんなことを軽々に言う。

「おぉ、サンキューな……わりぃ、ちょっとトイレ行ってくるわ」

と、智也は尿意が達したのか駆け足でトイレへと向かっていった。

俺は智也のトイレに付き添うこともなく、俺は自分の鞄から教科書を取り出す。

⭐︎

場所は二階の男子トイレでなく、グラウンドに敷設されている公衆トイレ。

部活の際には運部によって使用されるのだが、朝そこを使用するものはいない。

そんな人気のないトイレにて。

ガコンッ!

誰かが思い切り壁を毆る音。

毆られた壁にピキリとわずかなヒビがる。

いコンクリートにヒビをれるだけの鋭い拳。

「くそぉぉ! なんだって言うんだよ……」

人気のないトイレで心からのびがれ出す。

「はぁ……こんなんじゃ、ただ嫉妬してる哀れなやつじゃないか……」

と、もともと綺麗な顔がひどくなってしまっていて、その青年は水道から水を出して、ゴシゴシと顔を洗う。

洗った顔を鏡に近づける。

「はぁ……篤樹は俺の親友であって、篤樹は別に何も悪くないはず……あいつは確かにの子を適當にあしらうとこはもあるが……別に篤樹は悪くない……」

と、青年はトイレの中でそんなことぶつぶつと呟いている。

「俺のむことはただ幸さんに自分を好きになってもらうことであって、篤樹を恨むことなんかではない……」

と、鏡に映る醜い自分をそんなことを言って諭す。

と、突如鏡に映る自分がさらに歪んで見えた。

「ハハハ。お前も哀れだなぁ……」

と、鏡に映る歪んだ顔の俺がそんなことを言う。

俺自は何も喋っていない……

それなのにしっかりと鏡の俺は口を開けて話しているように見える。

俺は幻視なのかと思って目をるのだが……

「ハハハ。これは現実だよ……」

「え!? どういうことだよ?」

「お前に——————」

⭐︎

場所は2年E組の教室へと戻り、

「おい。智也、どうしたんだよ。やけにトイレ長くなかったか? もうホームルーム終わっちまったぞ?」

「ハハハ……そうなんだよ。ブツがあまりに巨大でさ。時間がかかっちまったよ」

「なんだよ……そんなけかよ……」

一瞬だけだが智也に暗い笑みが見えたかと思ったが、それも気のせいみたいだ。

「あぁ。そんなけだ」

「ならよかったよ!」

と、俺の學校生活がいつも通りにスタートしていく。

          

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