《デフォが棒読み・無表の年は何故旅に出るのか【凍結】》7 今日は寢よう 道のりⅤ
「あら、いいけれど…」
あなた、一人じゃない。
そう言われ、慌てて付け足した。
「えっと、人じゃないんです」
なんて切り出せばいいのだろう。
ただの狼?
それとも言葉をる狼?
一杯誤魔化して…かわいいかわいいワンコです?
よしこれだ。
「かわいいかわいいワンコと一緒なんです」
「あら、そうだったの!さあさ、雨も降っていることだし、早くお家にれてあげなさい。ほらあなたも!」
「ゴルテ。おいで」
(余計なことをするな…。この者が腰を抜かしたらどうするのだ)
まだゴルテは姿を現さない。
頭で彼ーーで統一することにしたーーが喋っているようだ。
聲がよく響いている。
俺もできるのか。
(早く來て。この人優しそう)
そう言っただけなのにゴルテは高らかに笑い出す。
(笑ってないで。早く。)
(クククッ。やはり面白いな!それと面白さに対するチップとして忠告だ。表面にわされるなよ)
「ありがとう、ごさいました。明日、日が登る頃に出発しますので。…図々しいお願いだけれど、明日の朝とお晝の分を」
「はいはい。作っておきますよ。それに、明日もそんな早くなくていいのに」
「さすがに、それは迷になるので」
「そぉお?ほら、ワンちゃんもおやすみ。じゃあ、私は食事をして、寄りをかけてお弁當を作って來るわ。自分の家のようにゆったりしておやすみなさい」
「ありがとう、ございます」
「なんだ、あの者は。この私の格が犬ころ程度だと言うのか全く。だから年を取ったものとまだいものは…」
「ゴルテ。また明日歩く。寢よう」
「さすがに明日にはその街へ著く」
學校へも著けることだろう。
用心しろ。
警戒するゴルテ。
忠告。
用心。
街に、何が待っているのか。
「おやすみ、ゴルテ。また明日」
【書籍化決定】美少女にTS転生したから大女優を目指す!
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8 190妹と兄、ぷらすあるふぁ
目の前には白と黒のしましま。空の方に頭をあげると赤い背景に“立ち止まっている”人が描かれた機械があります。 あたしは今お兄ちゃんと信號待ちです。 「ねぇ、あーにぃ」 ふと気になることがあってお兄ちゃんに尋ねます。お兄ちゃんは少し面倒臭そうに眠たそうな顔を此方に向け 「ん? どうした妹よ」 と、あたしに話しかけます。 「どうして車がきてないのに、赤信號だと止まらないといけないの?」 先ほどから車が通らないしましまを見ながらあたしは頭を捻ります。 「世間體の為だな」 お兄ちゃんは迷わずそう答えました。 「じゃああーにぃ、誰もみていなかったらわたっていいの?」 あたしはもう一度お兄ちゃんに問いかけます。お兄ちゃんは右手を顎の下にもって行って考えます。 「何故赤信號で止まらないといけないのか、ただ誰かのつくったルールに縛られているだけじゃないか、しっかり考えた上で渡っていいと思えばわたればいい」 ……お兄ちゃんは偶に難しい事を言います。そうしている間に信號が青に変わりました。歩き出そうとするお兄ちゃんを引き止めて尋ねます。 「青信號で止まったりはしないの?」 「しないな」 お兄ちゃんは直ぐに答えてくれました。 「どうして?」 「偉い人が青信號の時は渡っていいって言ってたからな」 「そっかー」 いつの間にか信號は赤に戻っていました。 こんな感じのショートストーリー集。 冬童話2013に出していたものをそのまま流用してます。 2016年3月14日 完結 自身Facebookにも投稿します。が、恐らく向こうは二年遅れとかになります。 ストリエさんでも投稿してみます。
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