《デフォが棒読み・無表年は何故旅に出るのか【凍結】》9 挨拶してこようか

「ふ」

あ〜ぁ。

をすると。

こだまが返ってきた。

「ゴルテ、おはよう」

「おは、よう…」

彼は今だに眠そうに、前足で目をこすった。

「まず、もう一度挨拶に行こう」

「私はまだ、ここにいる」

挨拶が終わったら一度戻って來て、今後の予定を話してくれ。

先ほどよりも幾分かはっきりした聲で言った。

「分かった。じゃあ行ってくる」

その言葉には寢息が返された。

昨日夜中に駆け込んだ目的地。

詳しい自己紹介はせず、手紙を見せただけだったが、簡単に部屋に案された。

「フーク・サチハク」

それだけ言って頭を下げた。

この部屋の主は値踏みするように俺を見た。

「ふぅん。似てないな」

誰に、とは聞かなくても分かる。

俺の両親と、だろう。

「そんなこと言われても困ります。會ったことありませんし」

定型文で答える。

さっぱりとした部屋の奧にはシックな機。

右も左も本があるばかり。

趣味は読書なのだろうか。

まだこの時代安くはない紙を使った本をこう數多く持っているとは。

この學校はそんなに儲かるのか。

そしてこの部屋、學校の持ち主が眼前にいた。

「この學校にりたい、と」

「はい」

彼はカクタール・ナムラ。

20代半ばのがっしりとしたを部屋と同じくシンプルな上著とズボンで覆っている。

顔は端正な部類にはるだろう。

人によっては好青年らしい顔立ちだ、と言うかもしれない。

だが、どこか裏が見え隠れする笑みだ。

若干、不気味でさえある。

「観察眼も養われている、と」

いいんじゃないかな。

彼は俺の目を抜いてそう言った。

観察眼、と言われたところで心臓が跳ねたが、すぐに、何がいいのか考えた。

いいんじゃないかな。

何が?

どう?

「はい、學おめでとう。今日は授業けなくていいから、講師にだけ挨拶しといて。あいつ煩いから、そういうの。よろしくね」

それを言い終えると席を立ち、俺の襟首を持ち、部屋の外へペイッと放り出した。

バタン

にも閉まる扉。

まあ、挨拶は終えたんだ。

ゴルテに報告しに行こう。

校長はしばかり

ワカラナイ

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