《デフォが棒読み・無表の年は何故旅に出るのか【凍結】》10 人と…話すの?
「こいつが、新生のフーク・サチハクだ。よろしくしてやれ」
「はい」「え〜」「はーい」「ちっ」
その他諸々。
何とも言い難い。
歓迎されているのかされていないのか。
どちらにしても構わないのだが。
俺を含めず総數7。
思ったよりない。
なくとも30人くらいはいると思っていた。
「よろしく、頼みます」
「………悪い知らせだ」
校長の部屋より広い教室。
床の上にはただ機と椅子があり、座った時の正面には黒い板。
あれは、何だろう。
「悪い知らせー?」「なーんでーすかー」
口々に言葉を発し、訊き出そうとする生徒。
先生生徒間の中は良好なよう。
先生ーーキウース・ナムラと名乗った。校長との関係は…兄弟、または雙子かーーは漸く重々しく口を開いた。
「新しい生徒が來たので」
今日は遊ぼう!
…そんなので、いいのだろうか。
「はあ」
こんな大勢で遊ぶことがなかったため、俺は戸っていた。
プラス。
俺は何故か遠巻きにされていた。
皆は今中庭にて、致命傷になるような場所を木の枝突つく、という遊びをしている。
何だか騒な遊びだ。
「おや。新生があのにらないでどうする」
後ろから聲がかかる。
「…り方が、分かりませんし、って、どうするのか分かりませんし、人とどう話すのか、分かりません」
「あらま。じゃあ、ここに來るまでは何をしていたんだ」
「母と、父と、耕作を…」
「同年代と話したことは」
「獨り言くらい…」
「………」
「………」
二人して黙り込む。
しかし、この方が気楽だ。
結局、誰にも話しかけず、話しかけられず、俺の歓迎會らしきものは終わりを迎えた。
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