《デフォが棒読み・無表年は何故旅に出るのか【凍結】》35 一緒に行きましょう

「ところで。一般的な、遠足と呼ばれるものとはかけ離れているだろう、今回の遠足。現地では何するの、かな?」

俺の疑問にアニセラとシータも首を傾げた。

なんと、今までこのようなことは実施されなかったらしい。

今回初めての試み。

なんていうか、不安要素しかないな。

朝の連絡から皆浮き足立っている。

今は晝食を食べる時間だが、誰もが遠足の話題でもちきりだ。

俺たちも、例外ではない。

「やあ、フーク。君も楽しみだよね?」

穏やかな笑みを浮かべるナイケはまた何か悪巧みをしていそうだ。

あの悪魔ごっこの前まではおとなしい年、というイメージだったのがあの出來事を経て、180°反転した。

見るからに道化ピエロだ。

し、校長に似ている。

よく分からない、楽しくないことを考えている、という點で。

「楽しみ……ではあるかな。なんたって、街以外のとこ、初めて行くから」

與えられた休日には欠かさず街へ足を運んだ。

シータおすすめの小屋を冷やかしに行ったり、ツツラが常連である惣菜屋で買い食いしたり……アニセラお気にりの本屋を訪れたり。

ツツラについてきたナイケの皮け流すのは大変だった。

ひどく弁の立つ彼の言うことは噓もほんともり混じっていて、たまに真にけそうになる。

「散策、とかするのかな? でも、魔いっぱいなんでしょ?」

「わたし、フークと班組む」

「おれとナイケも一緒な」

「やったね。フークと一緒だなんて、すごく栄だよ」

の多い森に行くというのに弾んだ聲。

ともだち、と行するのは何をするにも楽しいのだろう。

……あとでゴルテに、森について詳しく聞いてみよう。

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