《デフォが棒読み・無表年は何故旅に出るのか【凍結】》36 報連相

ゴルテ。

名前を呼ぶと微かに耳をかした。

俺が布団にる時、彼は必ず同時に床で丸くなって、寢たふりをする・・・・・・・。

たまたま寢付けなかった夜、ゴルテがむくりと起き上がって扉の外へ行くのを目撃したのだ。

しかし、それについて翌日問い詰めるようなことはしなかった。

きっと、ゴルテはそういうのが嫌いだろうから。

彼が自由に行するのを制しても何もいいことがない。

人ーー狼の機嫌を悪くして利益など得られる筈もない。

今日もベッドの上にを投げてから目を閉じて丸まるふわふわに聲をかけた。

だが、いつものようにおやすみの挨拶をするためだけではなく、聞きたいことがある。

「この街から、ちょっと行ったところ。“錯の森”って、あるよね。そこについて説明」

「……早く寢たらどうだ」

「遠足で行くんだって。今日、連絡あった」

だから、詳しい報を。

そう促すものの、低く唸るのみで快い返答はもらえそうにない。

「ゴルテ、説明が面倒なら、いいよ。ぶっつけ本番。いいことだよ」

「いや、言いたくないわけではないというか……」

珍しく歯切れの悪い。

やっぱり言いたくないのなら別に責めたりしないのに。

「……一つ、短い語を聞かせてやろう」

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