《デフォが棒読み・無表の年は何故旅に出るのか【凍結】》41 道中のヒトコマ
「話に熱中して転ばないようになー」
「はーい!」
先生の呼びかけに対してシータだけが素直な返事をした。
俺たちは朝ご飯を食べてからすぐに出掛けた。
昨夜に準備をするよう言われていたから誰も遅れることなく早く出発することができた。
道中、皆で魔の対処法を復習しながら歩いていると、ゴルテが20歩も後ろを歩いてるのに気が付いた。
上手く木などに隠れながらの後追いなので、俺とナイケ以外はーー俺とナイケと先生以外は気づいていないだろう。
「なんなの、何であのオオカミさんついて來てるのさ」
前を行くシータ、アニセラ、ツツラの話に時々參加しながら最後尾でゆっくり歩く。
森への道のりの半分もいったかというところで、そう訊かれたのだ。
「ついてきてって、昨日、言っといた」
「意味分からないよ。魔をあのオオカミさんに退治してもらおうってお話かい? それはそれで愉快なストーリーだけれど、僕にとって面白い語ではないね」
皮混じりの口調は彼の代名詞といってもいいくらいには、こんなことをしょっちゅう言われている。
「君を、喜ばせるための、策じゃあ、ない」
「おや? 策? アレが策だと言う? こりゃ傑作だね」
ギラギラ鈍くる目も彼の特徴の一つだ。
そして、彼と話していて退屈しない自分がいることを、納得できない自分がいる。
「じゃあなにか、アレを囮に魔を倒して自分の手柄にしようとか?」
「フークはそんなことしないよ!」
突然びてきた手に腕を引っ張られ転けかけた。
「フーク、こっち」
アニセラにも反対の手を引かれた。
「……やれやれ、僕の部が悪いようだ。ツツラ、頑張れよ」
何故か膨れっ面のツツラをナイケがめる構図が出來上がっていたことに心首を傾げていた。
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【書籍版一巻、TOブックス様より8/20発売!】 暗殺一族200年に1人の逸材、御杖霧生《みつえきりゅう》が辿り著いたのは、世界中から天才たちが集まる難関校『アダマス學園帝國』。 ──そこは強者だけが《技能》を継承し、弱者は淘汰される過酷な學び舎だった。 霧生の目的はただ一つ。とにかく勝利を貪り食らうこと。 そのためには勝負を選ばない。喧嘩だろうがじゃんけんだろうがメンコだろうがレスバだろうが、全力で臨むのみ。 そして、比類なき才を認められた者だけが住まう《天上宮殿》では、かつて霧生を打ち負かした孤高の天才美少女、ユクシア・ブランシュエットが待っていた。 規格外の才能を持って生まれたばかりに、誰にも挑まれないことを憂いとする彼女は、何度負かしても挑んでくる霧生のことが大好きで……!? 霧生が魅せる勝負の數々が、周りの者の"勝ち観"を鮮烈に変えていく。 ※カクヨム様にも投稿しています!
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學校內でも生粋のモテ男である三人と行動を共にする『俺』。接點など同じクラスに所屬しているくらいしかない四人が連む訳は、地元に流れる不可思議な『噂』、その共同探訪であった--。 微ホラーです。ホラーを目指しましたがあんまり怖くないです。戀愛要素の方が強いかもしれません。章毎に獨立した形式で話を投稿していこうと思っていますので、どうかよろしくお願いします。 〇各章のざっとしたあらすじ 《序章.桜》高校生四人組は咲かない桜の噂を耳にしてその検証に乗り出した 《一章.縁切り》美少女から告白を受けた主人公。そんな彼に剃刀レターが屆く 《二章.凍雨》過去話。異常に長い雨が街に降り続く 《三章.河童》美樹本からの頼みで彼の手伝いをすることに。市內で目撃された河童の調査を行う 《四章.七不思議》オカ研からの要請により自校の七不思議を調査することになる。大所帯で夜の校舎を彷徨く 《五章.夏祭り》夏休みの合間の登校日。久しぶりにクラスメートとも顔を合わせる中、檜山がどうにも元気がない。折しも、地元では毎年恒例の夏祭りが開催されようとしていた 《六章.鬼》長い夏休みも終わり新學期が始まった。殘暑も厳しい最中にまた不可思議な噂が流れる 《七章.黃昏時》季節も秋を迎え、月末には文化祭が開催される。例年にない活気に満ちる文化祭で主人公も忙しくクラスの出し物を手伝うが…… 《八章.コックリさん》怒濤の忙しさに見舞われた文化祭も無事に終わりを迎えた。校內には祭りの終わりの寂しさを紛らわせるように新たな流れが生まれていた 《九章.流言飛語》気まずさを抱えながらも楽しく終わった修學旅行。數日振りに戻ってきた校內ではまた新たな騒ぎが起きており、永野は自分の意思に関係なくその騒動に巻き込まれていく 《最終章.古戸萩》校內を席巻した騒動も鎮まり、またいつものような平和な日常が帰ってきたのだと思われたが……。一人沈黙を貫く友人のために奔走する ※一話4000~6000字くらいで投稿していますが、話を切りよくさせたいので短かったり長かったりすることがあります。 ※章の進みによりキーワードが追加されることがあります。R15と殘酷な描寫は保険で入れています。
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