《ムーンゲイザー》星空
「一週間後かぁ、、
じゃあ、それまでにたくさん會いたいな。
會える?」
私は意外にも落ち著いていた。
寂しくなるのは事実だが、どうすることもできないし、未來への不安で今この瞬間を臺無しにするのはもうやめよう、と思った。
今朝、ひとしきり泣いて夕香子は皮したのかもしれないな、と思った。
ツムギはにっこり笑って言った。
「もちろん!
晝間はやること多いから難しいけど、夜は毎日會えるよ。」
それだけでいい。
ツムギが大事な時間を私と共有してくれる。
それで十分だ、と思った。
あと一週間もある。
私たちに殘された時間。
それは夜の空に輝く満點の星のように、神様がくれたプレゼント。
私はそんなことを思いながら空を見上げていた。
今日はとびきり星も綺麗に見える。
頬を一筋の涙が流れた。
今日はよく泣く日だな。
でも、その涙は今朝のとは全然違っていた。
なぜだろう。
もうすぐ離れてしまうというのに。
悲しくて不安でたまらないのは変わらないのに。
心がクリアで、大地に足をつけて、しっかり前を向いているじ。
そんな自分の長に心が喜んで泣いているんだ、と思った。
「夕香子、泣いてるけど笑ってるよ。」
ツムギを見ると、彼も笑っていたが、目が潤んでいた。
2人は特に會話をすることもなく、しばらくそのまま星空を見ていた。
満點の星空は寄り添う2人を優しく包み込んでいた。
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