《俺が過保護な姉の前から姿を消すまでの話》期待

「大好きな弟」

いつからだったか、この言葉が酷く重くじる様になった。

“貴方は私の弟なんだから”

ひたすらにし掛る期待。元々學歴コンプを拗らせてた俺にとって期待と言うものは全く以て嬉しいものではない。

心ついたころから何でもそこそこ用に出來る質なだけあって、昔から此奴に任せれば大丈夫だろうだとか貴方なら出來るだとか思われがちだった。

期待に応えないといけない義務なんて無いのにそれだけが頭にこびりついて視野を狹めた。

姉との件にしろそれは言えた事で、姉の面倒を見る役目は全て俺に投げられ更に姉からの期待も降り掛かる。

自業自得と言ってしまえばそれまでなのだろう、このポジションを甘んじてれたのは俺だ。

何でも程々が良い、と言う事を改めて學んだ。

そんな中、いつも絡む面子の元より姉と折り合いが良くなかったが姉の前からだけ姿を消した。

子特有の口喧嘩でキャットファイトをする訳でもなく、本當に急に姉と連絡を取れる手段だけを全て遮斷した。

「急に何なのもう…」

人には合う合わないが有るから仕方ない、とイライラ半分落ち込み半分の姉を宥めたが流石にもうし遣り様があっただろうとは思う。

俺らとは普通に話す反面、彼は姉だけをとことん拒絶した。

所詮赤の他人。年単位の付き合いであろうと人と人の繋がりなんてこんな簡単に切れてしまうものなのか、一切の関與を斷ち切ってしまえば。

“姉から離れられる”

ふと風呂の中で頭に過ぎった。

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