《一臺の車から》16.じゃぱにーずデートカー (トヨタ セリカ)

キャブレターが空気を吸い込み、元気よく走っていった。

いつも通りの帰り道。

2cvの後ろからその車はやってきた。

赤いボディのその車、トヨタ、初代セリカだ。

テールランプから通稱、ダルマセリカだとわかる。

そのまま、夜の下道を加速していった。

トヨタ、セリカ。

トヨタ自車が、世に送り出した大衆的スポーツカーだ。

しかし、実際にはデートカーとしてれられた。

この車のモデルはフォード マスタングで、後に出したLB(リフトバック)では、さらに強くなっている。

この車に搭載されているエンジンは1600ccの2T-Gエンジンと2000ccの18R-Gエンジンがある。

どちらもヤマハ発機が開発した。

この二つのエンジンの元は、カムカバーを見てわかるとおり、トヨタ2000GTのエンジンだ。

とても能はよく、1600ccの2T-Gエンジンは、コロナ1600GTやTE27レビン、トレノなどに搭載され、この頃のトヨタ自車のスポーツカーを支えた主力エンジンとなった。

もちろん、モータースポーツでも活躍した。

レースでは大きなオーバーフェンダーを取り付けられ、サーキットを暴れまわった。

グループ5にあたるスーパーシルエットフォーミュラではセリカLBをベースに「セリカLBターボ」として參戦した。

セリカはラリーにも參戦していた。

セリカは長い間、モデルチェンジを數多く繰り返してきた。

ラリーでも數多く活躍してきた。

また、海外輸出用にセリカXXとなるグレードを発売。

海外ではスープラの名で売られた。

しかし、そんなセリカは販売臺數の落ち込みから2006年に販売停止。

セリカは消えたように思えたが、その後86GT ZN6が発売される。

どうやら、トヨタはこのクラスのスポーツカーを持っている意味に気がついたみたいだ。

そして、次期スープラの発売が近づいている。

どうやら、セリカはまだ、生き殘っているみたいだ。

家に帰ってきて

「なんか、新しいセリカを、トヨタが考えてるって噂されてるけどほんとかな?」

なんて言いながら鍵をしめた。

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