《神様にツカれています。》第一章 14
急に厳かな聲になった――というかドスの効いた聲かも――神様は不気味な笑みをらしている。
「ええっ!!だって、お米を作っている人とか、オレオレ詐欺をしている人には神罰なんて下らないんじゃ?なんでオレだけがっ!!不公平ではないですかぁ」
底辺チックではあるものの、神様であることは間違いない。だとすると、しくらいは「力」があるのだろう。さっきも空中に畫像を出していたし。ええと馬鹿力じゃなくて……神通力とか言ったような気がする。違うかもしれないが。
「彼らは自分達で全ての『行為』を終わらせている。お米の神や詐欺の神に頼ることなしに。
そこが誠司との違いじゃ、分かるか」
それは何となく分かるような気がする。要するに神様の力を借りて何かをする場合には失敗したら神罰が下るということなのだろう。朝顔を枯らせてしまった過去のある誠司には神様の力が必要で。
そしてオレオレ詐欺やお米などの農家の人は自分達だけで全ての行為を行っている分、神様にとっては楽なのだろう。だから神罰が下らないというよくよく考えてみれば納得出來ることだった。
がっくりと肩を落とした。
ただ、神様の力でも借りないことには――そしてプラチナ會員並みの特典付きという、凄く味しい話だし――誠司の人生がショボ過ぎることだけは間違いないような気がする。
「……分かりました。一杯頑張りますので宜しくお願いします」
そう言うと、目の前の神様はにんまりと笑った。いつの間にか校門を通り過ぎてキャンパスの中にってきている。
通り過ぎる學生とか掃除のオバさんとかは全くいつも通りで誠司の隣に誰もいないかのように目もくれていない。
普通ならこんなザビエルハゲのホームレス風の「人間」が居れば何らかのアクションがあるわけで、やはりというか思い通りというか誠司以外には見えていないらしい。
「よし。では、こちらに座って」
休憩用のスペースには機と椅子が並んでいる。そこに向かい合って座るハメになった。
何をするのだろう?と思って見ていると、空中から出したを誠司の前に置いた。
その意外なモノに思わず目を見開いてしまった。
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