《神様にツカれています。》第二章 15

「信じてくれるのか……?」

ぐしゃぐしゃになった顔と頭で――それぞれ的な容は違うけど――也に聞いてみた。

「ああ、信じるさ。誠司のインスタ見た時から『あれ?おかしいな』て思っていた。

で、さっき挙げた二點の回答は?」

也の冷靜かつ誠実そうな聲がスマホ越しに聞こえてきて、こっちの方がオレにとっては神様、いや救世主に思えた。

「そ・そ・そ・その通りなんだよぉ。何で分かったのかは知らないけど……」

オレ達は、よほど変わっている人間ならともかく心霊スポットとか幽霊などはネタとして楽しむ程度で信じたりはしないのに「あの!」大阪大學法學部に通っている也が真面目に話している方が不思議だった。

「ああ、オレんちってさ、名字の『東城』の『城』の部分、本當は『社《やしろ》』という意味なんだってさ。つまり、神社の筋ってわけ。実際に本家の當主は某大社の神主だし」

へーそうなんだ……。也のお父さんは一流企業に勤務するエリートサラリーマンだと聞いていたけど、そんな由緒があったとは。

也の聲を聴いたと思しきザビエルハゲは、あからさまにキョドっている。

もしかしてコレは何とかなるのかも知れないかも!と一抹の明(で合ってたっけ?)を見た思いだった。

「でさ、オレにも若干そのを継いでいるんだよ。そんなことは友達に言うとドン引きされるから言ってなかったけれどもさ」

確かに「神様が見える」とか普通の會話の流れの中、真顔で言われたら、リアクションに困る話題だ。

「うん、うん、それで?」

神主だか住職のけ継いでいるということは何らかの力になってくれそうで――ちなみに言葉は知っていてもどう違うのかは知らない――思わずスマホを握る掌の力が強くなる。

「やべっ!あの配信者の呼びかけを聞いた暇な人達がそっちの大學に著いたって。

短期間で決著をつける必要があるから、取り敢えずその神様に替われ」

(逮・捕・は・嫌・だ!!!)しか頭の中に思い浮かぶことはなかったので、スマホをサビエルハゲの疫病神に手渡した、思考停止のままで。

「初めまして。誠司の友人の東城也と言います。宜しくお願いします」

あれ?なんで也の聲まで聞こえるんだろう?

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