《神様にツカれています。》第二章 16

「は……初めましてぇ……よ……宜しくぅお願いしますぅ」

何だか、サビエルハゲの方が――神様の壽命なんて知らないけど――年下のような話し方だったし、オレに向かっている時のように張りの有る聲ではなくて、小聲だし震えている。

そんなことを冷靜に観察出來るまで回復したのはし嬉しい。

そして、気付いた。髪、いや神様にスマホを渡す時にスピーカー機能(?)の部分をタップしてしまっていたのだと。

「私の名字は、東城です。貴方にならその名前に聞き覚えがあるかと存じますが?」

わー!也かっけー!敬語とか話し方がアナウンサーみたいだ。オレの敬語知識は「です・ます」をつけるしか出來ないし、尊敬語と謙譲語があるとか聞いたコトはあるものの、どんなものかさっぱり分からない。

「はぃぃ。ありますぅ……。あのぅ……例の大社にぃ……連なるぅ」

サビエルハゲの髪部分が何だか逆立っているような気がした。ネコは怒ったらが逆立つものだけど、神様は明らかに怖がってキョドっている。「例の」という部分が分からなかったものの、それはオレの知識不足で、きっと凄く位の高い神様が――言ってみればプラチナよりも高いダイアモンドとかそういうレベルだ――居るのだろう、多分。

「そうです。ご存知ならばお話は早いです。

神様は人界に介止ではなかったですか。私の思い違いでなければ確かそのように決まっていたハズなのですが。介止というルールは知っていたという認識で宜しいでしょうか?」

也の聲が普段よりももっと賢そうなじで響いた。

「るーる……とは?」

あ!ズルい!!オレとの話では英語も含めて――何故かネカフェ事まで――知らないモノはない!みたいなドヤ顔で話していたクセに。

「決まりのことです。規則、掟おきて、してはならないことだと申し上げれば分かりますか?」

何だかハゲ合が進行しているっぽい麻神は、先程よりももっとキョドっていて、しかも目は宙に浮いてフラリフラリと泳いでいる。

「はいぃ……分かります。人間界に介……はて……。そのような記憶が無かったか有ったかと言いますと、ある意味有ったような気が……そこはかとなくしますが……最近ボケが進んでいるので、定かな記憶には殘っておりませんで座る次第で候そうろう」

スマホからは也の失笑が流れてきた。

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