《神様にツカれています。》第二章 19

余りの疲労力も気力も失ってしまった誠司は屋上の床にペタンと腰を下ろしてしまった。

もう、このザビエルハゲに付き合ったばかりに、凄く疲れた。気持ちもも。

そんな誠司を半ば忌々しそうに、そしてその半分は気の毒そうに見ている麻神様は誠司のスマホから出る也の聲にがっくりと肩を落として聞いている。

心なしか、さらにハゲ合が進行しているのが気の毒といえばそうだったが、あまりに振り回されて心ともに疲れ切った誠司は同する気にもなれなかった。

「日本での活躍はもう諦めて、海外に行ったら如何ですか?最近は特殊詐欺グループも海外に拠點を移しているという報もありますし、詐欺の神様もそちらに憑いて行っているとか聞きましたよ」

也の懇々としたじの説教というか説得が続いている。それをぼんやり聞き流していたが、海外と聞いて麻神様が急に力が出てきたじでを乗り出している。

「海外って、どこですかイスラム教・キリスト教のシマ……もとい、信者の多い國はマズいので」

「島」って、きっとアイランドとかじゃなくて、893映畫で聞いた覚えがある縄張りの意味だろうな。

「え?特殊詐欺って海外でも流行っているんだ……」

外國に行ったことはなかったし、ほとんどニュースや新聞は見ないのでその辺りの事は誠司にも分からない。

ただ、人間の行為の、いわばおこぼれを貰うのが神様の仕事(?)のようなので、大麻という植を日本で栽培するのは無理だろう。だったら、大麻とかの栽培が法律で止されていない國に行ってくれた方が良い。というか日本から出て行かなくてもいいからなくとも誠司にストーカーのように憑くことだけは止めてしいと心の底から願ってしまう。こんな一日は今日だけで充分だ、心ともに疲れてしまった悪夢の日は。

「最近架空請求、つまりアダルトサイトを閲覧したとか適當に言ってお金を振り込ませるのは下火になっていて、高齢者を狙うのも警察や金融機関などの努力によって減っています。

その反省點を踏まえたのでしょうかPCに警告音を鳴らして『ウイルスに染しています。即座に電話してください』という警告音が鳴るようにして、パニック狀態にした上で電話を掛けさせるのが今の流行みたいですね」

也の聲が明晰かつ落ち著いたじでオレととんでもないお騒がせ神様以外にいない屋上に響いている。

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