験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》學生生活ダイジェスト

転生してからの俺の人生はダイジェストでお送りする。

転生後、俺は歯が生えてきたころに記憶が戻った。

あ、ちゃんと戻るんだ、と思ったことを覚えている。

俺が転生した世界は、言葉の音は日本語と同じだったが、文字は全く違うものだった。

音が同じであれば、濁音や半濁音、小さいつなどが分けられていても82文字を覚えるというのはそれほど難しいことではなかった。

の仕組み的に発聲が出來るようになる前には覚えられていた。

四季は存在せず、1年中春のようなじで、24時間制。

1年はし長く、370日。

生まれたのはし大きめの、しかし普通の商人の家だった。

1人息子だったということもあり、両親は俺の學習意が高いと見るや、惜しげもなく勉強をさせてくれる親だった。

ここにも道真公の作がっていたのかな、と思ったりもしたが、それは両親に失禮なので偶々親が優しかったのだろうと思うようにした。

勉強ができる環境ですくすくと育った俺は、前世と同じ黒髪ながら目はし青みがかった黒になっていた。

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地球で言うアジア系の普通の顔だが、この世界ではんなタイプが共存しているので、特に不都合はなかった。

まぁ、イケメンではなく、暗めの顔ではあるものの、整ってはいたので俺的には満足だ。

魔法のあるこの世界で勉強をつづけた俺は一家が暮らす王國唯一の魔學校であるアジャイブ魔學校に學。

B級魔師として勉學に勵む。

あ、級(クラス)というのは魔力の多さ、そして魔力制の緻さの2點の総合評価だ。

つまり、才能と努力の合計の評価となる。

範囲はS級(クラス)からF級(クラス)。

俺は幸運にもある程度才能に恵まれ、小さい頃から魔力制に時間を費やしてきたのである程度高いB級(クラス)と判斷された。

基本的に級(クラス)は家柄に左右されることが多く、だと推測される。

つまり、S級(クラス)には王家や貴族が多く、F級(クラス)には農家の子などが多い。

しかし、この學校は「意ある者には學ぶ機會を」をモットーにあらゆる分に門戸を開いているので、生徒數はかなり多い。

いや、凄く多い。

勉強についていけず、中退していく者もなくはないが、それでもかなりの數が卒業して世間に出ていく。

在籍年數は基本9~16歳の8年。

學年ごとの人數にもばらつきがあり、そもそも人數が多すぎるため、學年を越えた繋がりは家同士が仲が良かったりしない限りないに等しい。

それぞれの學年が學ぶ場所も違い、互いの噂すら屆くようなことはあまりない。

この時代には験生時代に嫌と言うほど培ってきた勉強法で今回は死ぬことのないようにしっかりと休息をとり、B級(クラス)でも上位の績で卒業することが出來た。

いい學校生活だったと言えるだろう。

惜しむらくはラノベによくあるような波萬丈の學校生活とやらはおくれなかったというところか。

俺はまぁ、とにもかくにも勉強が出來たので。

んな奴から僻みを買うこともあったが、騒ぎ立てるようなことでもなかった。

良くも悪くも普通の學校生活だった。

だが、しかし。

ここから雲行きは変わってくる。

先ほど、俺はB級(クラス)上位の績で卒業したと言ったが、それによって職業選択の自由が與えられた。

こちらが希した職に対して職場側がOKを出せば晴れて就職できる。

萬が一、斷られた場合でも、その優先が失われることはなく、必ず各級(クラス)の上位から職場が決まっていく。

もちろん、基本的には自由に選んでいいのだが、例外がある。

例えば、國の事務や、醫師などがこれに當たる。

異世界の代名詞冒険者、栄譽が約束される王國騎士、國民を守る守護兵、そして実家を継ぐ商人。

異世界でしか験しえない職業も數多くあったが、前世でも夢であった教師になることにした。

道真公にもそういうのは気にするなって言われてるしな。

しかし、B級(クラス)で教師というのはかなり珍しい。

というか前例がない。

これからの國を擔っていく子供を育てる人なので、生半可な者がなれるものではない。

なくともA級(クラス)、ほとんどはS級(クラス)が教師をしている。

俺が教師を希したことによって教師陣で何悶著もあったらしいが、當時俺の擔任だったS級(クラス)の先生が推してくれて就職が決まった。

ただし、俺の學年ではなかった教師たちには疑いの目を向けられているが。

まぁ、前例がないならそれも仕方のないことだろう。

更に言えば、友達がいない。

他の人と遊んだりすることはほぼ無かった。

基本同じ級(クラス)の人と仲良くなるのだが、B級(クラス)はそれなりにお金持ちが多かった。

つまり、平民の俺はつまはじき者だった。

それは別に良かったと今でも思うのだが、伝手がないというのはいただけない。

友の機會がなかったので連絡先も知らないのだ。

遊ぶことがなかったので勉學に勵んだおかげでこうして就職が有利なわけだが。

ぼっちだったのだ。

なんか悲しくなってきた。

話を戻そう。

多くの教師が俺の採用を疑問視していると言ったが、中には俺を完全に敵対視している者もいた。

A級(クラス)はある程度理解を示してくれるのだが、S級(クラス)の貴族出の方々は平民出の俺なんかが自分と同じ職なのが気に食わないらしい。

そのことに起因する嫌がらせは如実に表れた。

というのも、こちらでももちろん日本でも、新任の先生というのは基本的に経験富な先生の下について補佐として何年か學び、そしてようやく擔任をもつというシステムのはずだが、俺は1年目にして新生の擔任を任されることになったのだ。

それも補助教員無しで。

S級(クラス)を。

先ほども言った通り、S級(クラス)は王家や貴族で構されており、俺なんかに教わることをんでなどいないのだ。

親まで含めて。

というか親が特に。

彼らのプライドが高いのは學生生活で重々承知している。

彼らはS級(クラス)の先生には一定の敬意を払うが、A級(クラス)の先生にすらしばしば無禮な態度をとることがあった。

B級(クラス)ならどうなるか、火を見るよりも明らかだ。

今から気が重いな。

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