《験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》校長の謀
「學校は、楽しいです……」
「そうか、それは良かった」
楽しいと思えるならそれが一番だ。
「でも……、ゲイル君が心配です……」
「優しいな、シャロンは」
たった1日しか會ってない奴の心配をするなんて。
「一応……、クラスメイトだから……」
「そうだな」
7人しかいないんだ。
気にして當たり前か。
「先生……、もう、ゲイル君は、來ないんですか……?」
「心配するな。いずれ俺が引っ張ってでも連れて來てやる」
俺が笑顔で答えると、心配げな顔だったシャロンも笑ってくれた。
「お、シャロン。それ引いてないか?」
「え……?」
よく見るとシャロンの浮きがぴくぴくいている。
「引っ張って」
「はい……!」
ここの辺りの魚は小さいわりに活きがいい。
引きずり込まれるようなことはあり得ないが、腰が引けてしまうかもしれない。
俺はシャロンの後ろに回り、竿を支えてあげる。
「焦らなくていいから、ゆっくり自分の方に引っ張ってみて」
シャロンは言った通りに、徐々に岸に引き上げていき、釣りあげることが出來た。
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「やった! 先生、釣れたよ!」
「うん、良かったな」
いつもより聲も大きく、喜ぶシャロン。
こんなに喜んでくれるなら連れてきた甲斐があったというものだ。
「さあ、どんどん釣るか!」
この日はかなり釣で、留守番してもらっていたフィオナに多くのお土産を持って帰ることが出來た。
これが自分の胃にるのだからちょうどいい。
「シャロンちゃん、夜ご飯も食べていきなよー。折角たくさんあるんだし」
「ぁ……、いえ……、親に、夜ご飯までには帰れって言われてるので……。ごめんなさい……」
「そういうことなら仕方ないねー。じゃあ、またおいでねー」
フィオナはキッチンに引っ込んでしまった。
魚を捌くのに忙しいようだ。
「今日は楽しかったか?」
「はい……!」
いい笑顔だ。
良かった良かった。
「先生、ありがとうございました……! また、明日……!」
「うん、気を付けて帰れよ」
一応、お土産に魚を持ってシャロンは帰っていった。
最後の方は心なしか普通に話してくれていたようにじる。
フィオナに対してはまだまだおどおどしていたので、慣れによるものが大きいのかもな。
監視の方々の視線には疲れたけど、穏やかに過ごせたし、いい休日だったと言えるのではないだろうか。
翌日、普通に教室にると普通にゲイルがいた。
「お、來たのか」
「まだ俺に対する口の利き方をわかっていないようだな」
普通じゃなかった。
余計に尊大になって帰って來やがった。
「ライヤ、俺はお前に決闘を申し込む!」
「ついに呼び捨てかよ……」
先生は悲しいです。
「ゲイルさん、決闘と言いましたか?」
「そうだ!」
悲しんでいる俺の代わりにウィルが聞いてくれる。
「俺への口の利き方がなっていないからな! ここらで1つ、級(クラス)の差をわからせてやろうかと思ってな!」
「だ、そうですが、どうします? 先生?」
「俺はお前が先生と呼んでくれているのがわからなくなってきたよ……」
王様が一番謙虛かもしれん。
「かも」なだけだが。
「決闘って言ってもなぁ……」
殘念ながらそんな制度は學校にない。
戦闘職を育てる學校ならば、存在しているのかもしれないが、我がアジャイブ魔學校にそんな騒なもんはない。
あってたまるか。
「學校側も良しと言わないだろうし……」
「いいですよ」
「校長!?」
タイミングがいいのか悪いのか。
ちょうど通りかかった校長が許可を出してしまう。
「S級(クラス)の先生が一どういう方なのか。生徒に示すにはいい機會ですからね。そうですね、
全級(クラス)見學にしましょう!」
「校長ぉぉ!!」
話が大きくなりすぎてますよね、それ!
ススッと近づいてきた校長は俺に耳打ちする。
「他の先生方を黙らせるいい機會なのでは?」
「何か企んでいるとは思いましたよ……」
俺は小さくため息をつく。
「しかし、平民の俺が貴族の子供を倒してしまったらそれこそ確執が決定的なものになるのでは?」
「それは問題ありませんよ。その日は授業參観にしましょう。そうすれば、証人もたくさん増えますしね」
「はぁ……」
もう何がなんでも決闘させたいらしい。
「さて、ゲイル君。決闘というからには、それなりに形式を踏まえなければなりません。ここは私が取り持とうと思いますが、よろしいですか?」
「はい、校長先生。俺がこいつに勝つのですから、大々的に行ってください」
「うんうん、では、當日は參観日にしようかと思いますが、よろしいですね?」
「もちろんです」
どんどん校長の目論見通りに話が進んでいく。
「では、3日後でどうですか? 會場もこちらで用意しましょう」
會場て。
「それまではしっかりと授業に參加してくださいね。よろしいですか?」
「はい」
決闘はともかく、ちゃんと學校に來させる流れにするとは。
校長、恐るべし。
「さて、S級(クラス)の皆さん。そういった運びになりましたので、3日後には是非、親さんを呼んで來てくださいね?」
にこやかに校長が笑うが、俺にはわかるぞこれ。
全員に語りかけているかのようだが、実際はウィルに語りかけている。
つまり、校長はこう言っているわけだ。
「王族を連れて來い」と。
「承知しました、校長先生」
そしてこういう意図を見逃すウィルではない。
これはえらいことになってきた……。
「はい、今日の4時限目は、臨時教師であるアンネ先生に來ていただきました」
「「よろしくお願いします」」
「うん、俺の時の対応と違っててなによりだ」
もういいや。
「じゃあ、俺は後ろで見てるんで、先生よろしくお願いします」
「わかったわ」
アンもとい、アンネ先生は慣れた様子で教壇に立つ。
人の前に立つの慣れてんなー。
「授業を始める前に一つだけ。この中にライヤに喧嘩を売ったものがいるそうね。誰かしら?」
「……俺です。S級(クラス)の俺をB級(クラス)のライヤ……先生が教えるのはおかしいと思って……」
呼び捨てにしようとしたゲイルだが、アンネ先生の無言の圧に押されて先生をつける。
「まぁ、私にもそういった時期はあったから、とやかくは言わないけれど……」
「で、ですよね!」
怒られると思っていたゲイルは安心したかのように話し始める。
「ただ、これだけは言っておくわ」
アンネ先生の背後にどす黒いオーラが見える……。
「次にライヤのことを馬鹿にしたら許さないから。いいわね?」
あのゲイルが涙目で必死に頷くことしかできない……。
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