《験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》授業參観
「あれはライヤが悪いでしょ!」
「いーや、あの年でそんなませたことを考えたアンが悪いね!」
當時10歳だったのにアンは俺の発言から何をじ取ったのか知らないが、真っ赤になってさっきまで師匠とすら呼んでいたライヤをぶっ叩いたのだった。
「勘違いさせるようなことを言うのがいけないでしょ!?」
「あれー? 俺は肩もみでもしてもらおうかと思ってたんですけど、何と勘違いしてたんですかねぇー!」
「そ、それは……」
真っ赤になってんでたのに急にしおらしくなるアン。
「……言えるわけないでしょ……」
ぐっ!!
普段から快活なやつが急に大人しくなると、なんか刺さるものがあるな……。
これがギャップ萌えか……。
「で、でだ。その時の想は?」
「生徒たちに言う時は最後の部分はカットしてよね? そうねぇ」
ちょっと考え込んだ後にアンは結論を出した。
「もっと強くなりたい、かな」
「なるほど。先生はお姉さまに2年生の時點でもう勝っていたのですね」
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「いや、逆だな。2年生だからこそ、勝ってたんだ」
「?」
2年生のころには確かに俺たちの間に実力差はあっただろう。
あくまで、決闘においてだけだが。
しかし才能とは、びるものだ。
天才は子供の頃から天才であるのかもしれないが、そのまま大人になったところで大したことはないだろう。
だが、その過程でより急激に長し、大人になっても周りを圧倒できるからこそ天才なのである。
例としては、プロ野球選手だ。
全員プロ選手になれる時點で天才なのだろう。
しかし、第一線で活躍し続けられる者は限られており、それが努力を惜しまなかった天才だと、俺は考える。
ちょっと話はそれたが、アンはそれだったということだ。
學年が上がるごとに魔力量も魔力制も上昇し、7年生の頃の戦績だけで言えば負け越していたような気がする。
だが、未だに総合戦績では負けていないのが俺のかな自慢である。
「と、まぁ、こんなじの出會いだったが、どうだ? 面白かったか」
ウンウンと頷く子供たち。
こんなのでも面白いもんなんだな。
「まぁ、とにかくみんな功してよかった。これで安心して授業參観に臨める」
今日は授業參観前日。
実はギリギリなのであった。
「だけど、本當にみんな頑張ったな。正直、間に合わないかと思ってたぞ?」
「ふん、當然だろ? お前とは才能が違うんだよ!」
「お前?」
「……先生」
ゲイルは相當自慢げにするが、誇りにしていいと思う。
俺は獨學だし、もっとかったとはいえ、1か月はかかってたからな。
2週間というのは相當に優秀な數字だ。
「それで、先生―。明日は何するのー?」
マロンがのんびりとそんなことを言うが、俺はにやりと笑う。
「明日になってからのお楽しみだ」
「はい、じゃあ授業を始めていきまーす」
授業參観は全ての級クラスが同時に行われる。
だから、やりたい授業が被ってどちらかが諦めるしかない狀況が生まれるのだが、S級クラスは優先されるのでやりたいことが出來る。
これはS級クラスの先生になってよかったことだな。
「今日は、授業參観という事で親さんが見に來ていますが、いつも通り頑張っていきましょー」
「「……」」
「はい」
ウィル以外の子供たちの張が半端じゃない。
というか、親さんたちまで張している。
「ウィル、シャロン。頑張るのよー」
王妃が見に來ているからである。
アンとウィルの親であり、シャロンの叔母である王妃は國では王よりも敬われている唯一の存在と言っても過言ではない。
武人気質で、キレたら終わりと言われる王を止められるのはこの人しかいないのだから。
普段はやんわりしているから、そんなイメージはないのだが。
「昨日までの授業で、魔法の質を薄めるってことはできたな」
聲は出せないが、頷くみんな。
うーん。
他の貴族が俺に何かしないように牽制に來たか、ただウィルとシャロンを見に來ただけかは知らないが、子供たちが委しきってるぞ。
「で、今日は自分の適が高い魔法以外の制について教えていこうと思う」
々ざわつく親たち。
それもそのはず。
なくとも1年生の學して1か月経つか経たないかくらいでやるものではないのだ。
「で、この前俺に撃ったのがそれぞれの得意魔法ってことでいいよな?」
記念すべき初回の授業である。
あれが1か月前とは、1年が短くじるな。
「なら、風魔法ならみんなあんまりやったことないよな」
そう言いながら魔法を発する。
「ほい」
「「?」」
「「!!」」
生徒たちは頭上にはてなマークが飛びっていたが、親たちは気付いた様子。
経験値が違うな。
「足元を見てくれ」
「先生、飛んでます?」
「「!!」」
俺は足元に風魔法を出して、2センチほど飛んでいたのだ。
「最初に魔法の威力を薄める方法を先にやってたのは、これを見越してたからだ」
ニヤリとみんなを見やる。
「だって、飛びたいだろ?」
「「うん!」」
お、元気が出てきたようだ。
「で、先に説明しておくと、自分を浮かすほどの風魔法をずっとやっとくっていうのはまぁきついからな? 俺がこうやってるのも割と無茶してる」
トッと降りる。
「だが、お前らはS級クラスだから、これからもっと魔力量が増えるからな。それを見越してのことだ。まだ魔力制も甘いし、無駄が多いから浮くぐらいで一杯だと思うが、心配しなくていい。いずれ楽に飛べるようになることだろうからな」
改めて俺は飛び、上空をロールしたり、バク転のようなきをしながら手本を見せる。
「ここまでは出來なくていいまである。必要ないからな。だけど、まぁ出來たら今みたいに自慢できるよってことだな」
もう俺のそんな言葉を聞いていないくらい目がランランとしている。
「気合れるのはいいが、魔力薄めるのを忘れるなよ? 勢いあまって飛んでっても助けてやるけど、ならないに越したことはないからな?」
「きゃあぁぁ!!」
言ってる間にシャロンがはるか上空へと飛んでいった。
あぁ……。
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