《験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》小さな勇気
「先生、助けてください!」
二日後。
今日も今日とて放課後にウィルたちはF級(クラス)に話をしに行ったのだが、ティムが慌てた様子で戻ってきた。
いずれなにか起こるとは思ってたけど。
何だ?
「ウィル様が攫われてしまった!」
「はぁ!?」
想像の8倍くらい重大なことになってないか!?
「エウレアは?」
「ウィル様を追っています! 僕は警備隊の方に連絡しに行かなくては……」
「わかった。その後はどうするんだ?」
「僕もウィル様を……」
「ダメだ。お前が來ても足手まといにしかならない。それより、他の王族の警護の人たちに話を通すべきだ。ウィル個人ではなく、王族を狙ったものである可能がある」
「シャロン、すまないが……」
「……先生、ウィルちゃんを……」
「あぁ、出來る限りのことはする」
「ティム! F級クラスの教室から攫われたのか!?」
「は、はい!」
「よし!」
學校初日に授業に遅刻しかけた時と同等の風魔法を用いてF級クラスの教室に向かう。
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「失禮!」
教室は騒然としていた。
「あ、あぁ……」
気の弱そうな男の先生が犯行現場と思われる散らかっている場所にへたり込んでいる。
「何があったんですか!」
「も、もう僕は終わりだ……。目の前で王を……」
ライヤのどこかでブチっとキレる音がした。
ガッ!
「自分の心配よりも先に攫われたウィルの心配だろ! 腐ってんのかお前は!」
毆られても正気に戻らない先生を放り投げ、現場の痕跡を探る。
しかし、ライヤに捜査の心得などなく、自分よりも詳しいであろう王國軍のために現場を保存しなければならない。
パッと見ではわかることなんてない。
「誰か! どんな奴らがウィルを攫ったのか見ている奴はいないか!」
生徒たちに呼びかけるが、皆怯え切っていて誰も口を開かない。
「くそっ!」
そう言い殘してライヤは教室をあとにした。
「ここにライヤが來なかった!?」
「アン王!」
ライヤが教室をあとにした十數分後。
顔を変えたアンがF級クラスに飛び込んできた。
驚きから立ち直りつつあったクラスの生徒たちはアン王の登場に聲を上げる。
「ここに! ライヤが! 來なかったかしら!」
偶々近くにいた生徒をガクガクと揺らしながら聞くが、あまりの勢いに答えることが出來ない。
「そういえば! このクラスの先生は!?」
サッと周りを見渡したアンはライヤに毆りつけられ床に転がったままぶつぶつと獨り言を言っている先生を見つけ、ため息をつく。
そして、生徒に向き直る。
「お願い。あなただけが頼りなの。ライヤが來たかどうかだけでもいいから……!」
あまりの必死さに生徒は詰まりながらも言葉を繋ぐ。
「ら、ライヤ先生は先ほど、來られました。現場だけ見て、焦った様子で出ていかれましたけど……」
「そう、ありがとう」
アンはそれだけ言って踵を返す。
「アン王!」
「なにかしら」
「あの、ライヤ先生をどうして気にかけるのですか? 先生も何も報を得ていませんし、ウィル王に追い付くなんてことは……」
「あるから焦ってるのよ」
「形跡から見て、素人の犯行じゃない。そもそも、學園に侵することすら難しいはずだ。なら、犯人たちはどこからった……?」
學園の主な門以外の場所はそれこそ管理職にある名だたる先生たちの魔法で封じられているはずだ。
それも一人の離反で大事にならないように各箇所に複數人の魔法が施されている。
その人選はできるだけ関わりの無いようになっているし、誰と擔當が重なっているかは學園長しか知らないはずだ。
「となると、門だけど」
今は帰宅時間帯である。
生徒たちが通るような一般的な門はどうしても人目があり、ウィルを攫うような輩が通るには不適切だ。
なら、社員用か。
すぐに風魔法をに纏い、教師用に用意されている門へ向かう。
學園の地理関係的に教師用の門までは3キロほどあるが、本気で向かうのならば數十秒でつく。
「やっぱりか……」
案の定、警備員のおじちゃんが倒れていた。
幸運にも命は奪われていないようだが、起きたところで証言は難しいだろう。
だが學園の門の警備をけ持つおじちゃんも半端な実力者ではない。
そのおじちゃんがベルも押せないまま倒されているというのは相手の実力の高さが伺える。
しかし、なくとも人質であるウィルを抱えている以上逃げ足はそれほど早くはないはずだ。
そのまま上空に上がり、周りを見渡す。
學園の出口は全て大きな道に面しているが、見晴らしがいいのは今回に限ってはプラスだ。
なくとも通行人にはおかしなきをしている人達はいない。
それもそうか。
そのままのウィルを連れていたらその白髪から王族を連れていると多なりとも騒ぎになるはずだし、袋のようなものを擔いでいる人は人目を引く。
基本的に教師は貴族しかいないため貴族街に面しているからだ。
となると、この道を通っていてもおかしくない者たちが犯人である可能が高い、か。
きな臭いことになってきやがった。
「急ぎなさい! またライヤに手柄をとられるわよ!」
「「はい!」」
F級クラスの教室では生徒が追い出され、アン主導のもと現場検証が行われていた。
ライヤは決して認めないが、他の人間はわかっている。
平たく言えば、ライヤは巻き込まれ質なのだ。
普通の人間なら一生に一度起これば珍しいだろうということをかなりの頻度で経験している。
その度に他人に相談することなく一人でどうにかしようとするのだ。
その中には王國としては見逃せないものも多く、王國軍が出張ることもしばしばなのだが、ある程度ライヤが勝手に進んでしまっており面子を潰されているのだ。
結果的にライヤ本人に応援を待つという頭があるのでどうにか決著には間に合っているのだが、捜査がライヤの後を通っているだけなのである。
「私も一刻も早く行きたいんだから!」
「アン王!」
「なに!」
「このが話があると……」
それは先ほどアンが肩を揺さぶったの子であった。
「當時の様子をお話しできればと……」
「教えて! どんな些細なことでもいいから!」
ライヤに追い付く明が見えた瞬間であった。
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