験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》報告

ふと目を覚まし、隣を見るとライヤの寢顔があった。

びっくりして飛び起きようとするを必死に自制する。

どうやらライヤが自分の布団を貸してくれたようで、アンは布団にが全部っていたが、ライヤは布団の橫に丸まっている狀態だった。

ライヤは気を遣って別の場所で出ていたのだが、気候が常春で朝晩は多冷え込むので寒くなってアンの溫を頼りに移していたのだ。

同じ布団にらなかったのは運が良かったというべきだろう。

「何なら、手を出してくれて良かったのになぁ……」

アンはそう呟いて寢ているライヤの頬をつつく。

初めてはムードのある場でなんてことはアンは考えていない。

というか、そ・う・い・う・知識が淺い。

王家のであればある程度の年齢になればそういった知識を學ぶことになっている。

他國に嫁ぐようなことがあった場合、生娘にしろ何の知識もないというのは大きな弊害になり得るからだ。

しかし、王家のしがらみをほとんどぶっちぎってここまで生活してきているアンは教わる機會などなかったのだ。

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何より、教えてしまった時に暴走してライヤに突撃したりしようもんなら國として一大事であるという賢明な大臣たちにより教えられなかったという面もある。

まぁ、とにかく。

日本で言う小學生から中學生くらいの知識しかないのだ。

キスはを表す行為であり、男の中にはそれ以上の行為があるという事は承知している。

そしてそれが2人の子供を宿す行為という事も。

しかし的なことは知らず、互いにで抱き合うという程度の認識であるため、あまり問題視していないのだ。

致命的な認識の齟齬である。

そんなことは知る由もないアンは眠っているライヤの頬をつんつんし続ける。

で、どんな狀況だ。

違和に目を覚まし、どうやらアンに遊ばれているらしいという事をおぼろげながらに把握する。

遊ばれていると言っても軽いものだし、起こさないようにと気を遣ってはいるのだろう。

しかし、両想いであることが分かったが自分の部屋の自分の布団で寢ているという狀況で深く眠れるほどライヤの肝は太くない。

アンのちょっとしたちょっかいで起きてしまうほどだった。

どうやら上機嫌で自分の頬をつついているアンを可いと思いながら、同時に起きづらいと葛藤する。

「ふふ~ん♪」

「ふっ」

「!」

遂には鼻唄を歌い始めたアンに笑みがこぼれ、固まる気配。

「……もしかして、起きてる?」

「もしかしなくても、起きてる」

バレては仕方ないとを起こすが、気持ちぼさっとした髪を顔の前に持ってきているアンに困する。

「何してんの?」

「こんな顔見せられない……」

かわいっ!

的に抱きしめかけるを自制しようとしてやめて、結局抱きしめる。

「!!?」

「アンは可いな」

「ぐっ……!」

迫真のリアクションをとるアン。

本人としては大げさと思っていないが、傍目にはどこのリアクション蕓人かというクオリティである。

「はっ!」

枕に顔をうずめ、バタバタしていたところから急にかなくなったアンがいきなり顔を上げる。

何とも忙しい。

「ライヤ、城に行くわよ」

「やだ」

「ほら、いつものローブでいいから」

「嫌な予しかしない」

「お父様に會うだけよ」

「最も嫌な事の一つだな」

「力づくで縛られていくのとどっちがいい?」

「行かせていただきます……」

「アン、俺にも公務があるんだがな……」

「そんなのより大事よ。斷言するわ」

あれよあれよと玉座の間。

何を隠そう、ライヤもここにるのは初めてである。

れるのは王族、そして各大臣クラスの大だけである。

それだけ、公の場で王様と関わるという事実は重い。

「ちょうど他の者がいないから良かったものを……」

ちらりとライヤを見やってため息をつく。

「それで、何の用だ?」

「ライヤと、正式に付き合うことになったわ」

眉を上げる國王。

「公表は?」

「しないわ。私はするつもりだったけど。でも噂にはもうなってるはずよ」

「はぁ……」

クソでかため息をつく國王。

心中お察しします。

し、ライヤと話がしたい」

「席をはずせと?」

「こういう時は何も言わずに察するものだ」

し不満げな顔をしつつも、広間をあとにするアン。

「さて……」

気まずい沈黙が場を包む。

そもそもライヤと國王は特に仲が良いわけでもない。

軍への引き抜きの話をしたくらいである。

「軍で地位を持てば、周りも納得しやすいと思うが?」

「そういった側面も否定できませんが、生徒たちを投げ出すわけにもいきません。それに、アンも応援してくれていますから」

「そうか」

「アンとはどこまでいった?」

「どこまでもなにも……」

何かしていたとして、親にそれを言われるアンの中やいかに。

「我が國の第一王だ。親がいうのもなんだが、妻に似てしく育ってくれた。他國からも婚約の申し込みは絶えんと言うのに」

なくとも、俺は譲るつもりはないと明言しておきます」

「たとえ我が國が窮地に陥るとしてもか」

「その時は逃亡しようってアンが言ってましたよ」

再び、クソでかため息。

「アンとお主という大戦力を簡単に失うわけにもいかん。また頭痛の種が増えそうだな」

「……」

ここで謝るわけにはいかない。

國王の頭痛程度で、アンとの関係を汚すわけにはいかないのだ。

「王妃には?」

「この後行くつもりかと」

「ふん、々可がられる覚悟をしておけよ」

「承知しております……」

十中八九、面白がられるんだろうなぁ……。

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