《験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》育祭當日 9:30
ワアァァァ……!
一度は靜かになった會場から歓聲が溢れる。
開會式が終了し、個人種目が開始されたのだろう。
早くともこの段階くらいまでにはミランダが戻ってくると思っていたのだが、そんな気配がない。
ちょうど死角部分にってからかなりの時間が過ぎている。
競技も始まる時間でもう會場にる父兄の數はないので店の周りに違和も生まれない。
だが、あんな目立つ格好のが歩いていれば多なりとも騒ぎにもなるはずなので何かあったとして間違いないだろう。
「隊長、ここは任せていいですか」
「もちろんです、ミランダはどうかしたのですか?」
「端的に言えば、面倒ごとに巻き込まれたのかと」
「なるほど、こちらで手伝えることはありますか?」
「例年通りの警備をしていただければいいと思います。隊長たちの仕事は信頼していますので」
「失禮します!」
ライヤがミランダを探しに行こうと隊長と話しているところに他の隊の兵が訪れる。
「どうかされました?」
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「はっ! こちらにライヤ・カサン殿がいると聞き……」
「……私です」
突然名前が出たことに驚きながらも名乗り出る。
「そうでしたか! では、一緒に來ていただけますか?」
「待ってください。私にも仕事があります。理由を説明していただかないと」
「それが、私も詳しいことは聞いておらず……。隊長からライヤ・カサン殿をお連れしろと……」
はて。
ここの隊以外にライヤが関わったことのある部隊などいない。
あえて言えばライヤが王城で尋問などをされる際に拘束にあたっていた部隊くらいである。
軍の部隊がライヤに用があって呼んでいるというのは考えづらいか。
となると、軍をかせる人、もしくは多影響力のある人。
的には貴族あたりが本命か?
「おぉ、これはライヤ殿。さしもの貴殿も軍の要請には逆らえませんかな?」
予想通り、この前ライヤとアンの関係を消そうと學園を訪れたヘミング侯爵であった。
「そういうわけでは。しかし、どういったご用件で? ヘミング侯爵のご子息はまだ學園には通っていなかったはずでは?」
「子が通っていなければ観戦してはいけない決まりなどありますまい? なに、會場周りの警備を擔當しているのが先生だとお聞きしたのでね。ご挨拶でもと思いまして」
「では、これで失禮してもよろしいですか? 仕事がありますので」
ニヤリと笑う侯爵。
「ほう、なにか問題でも起きているのですか?」
「警備は常に警戒しておくのが仕事です。問題がないことに越したことはありません」
「おっしゃる通りですな」
それだけ言い殘し、會場へとっていく貴族たち。
「なんだ……?」
ただ挨拶のためだけにライヤを呼び寄せることなんてないだろう。
メリットがなさすぎる。
ということは、ライヤをこの場所にいさせることが大事だったのだ。
嫌な予に従って風魔法で空中へ。
今いる場所から會場の逆側に目を向けると、そこにはこそこそと行する一団が。
コロシアム型の會場の中でも森に面している部分であり、基本的に門も存在しないため警備がない。
そこで何かをしようという訳だろうが、ちょうど対岸ということに誰かの意図をじざるを得ない。
「くそっ」
ミランダのこともあるのに。
そのまま會場の上空を橫切って現場へと向かう。
「はぁ、退屈ね」
「そんなこと言わないの。ウィルがいるS級クラスを応援すればいいでしょう?」
「人數がなすぎてほとんど競技に出てこないじゃない」
アンも國王夫妻に連れられて會場を訪れていた。
アン自は乗り気ではなかったのだが、公務だと言われれば仕方がない。
アンが人したことによって、こういった公の場に王として出席するぞという事を印象付けるための仕事なのだ。
「せめて、ライヤをよんじゃダメ?」
「公には認めないってことになってるでしょう?」
「それでも、友達であることには違いないわ」
我儘を言うアンに王妃はため息1つ。
「アンにはアンの仕事があるようにライヤにはライヤの仕事があるでしょう。どうやら審判の仕事はしていないみたいだけれど……」
「會場周りの警備をしているみたいよ」
「先生自ら? 擔任についていない先生ならあるかもしれないけれど、擔任の先生が會場にいないことなんてあるの?」
「なくとも、私は知らないわ」
王妃はアンが不機嫌な理由を察する。
ライヤが明らかにおかしい待遇をけていることが気にらないのだ。
王妃とてライヤのことを気にっているという私は置いておくとしても明らかにおかしいということはわかる。
そしてそれがライヤがB級クラスであることが関係しているのだろうということも。
「ちょっとした立場くらいじゃ変わらないものねぇ」
王妃はとりあえずライヤには娘の家庭教師という立場をつけたのだからしはましになるだろうと考えていた。
実はこれでもマシになっているのだが、元から重い嫌がらせは多のことで消えはしない。
「育祭が終わったら、調べるか」
「えぇ、そうしましょう」
ここで初めて國王が口を開く。
國王なりに考えていたのだろう。
「ライヤ!?」
し思いにふけっていた王妃はアンの大きな聲に顔を上げ、そして目線の先を見る。
そこには上空をかなりにスピードで移していく教師の白ローブにを包んだライヤの姿があった。
「またあいつは厄介ごとに巻き込まれて……」
その姿だけでアンはライヤのを案じるのであった。
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