《験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の果を見せつける-》賢者とは
「ひょほほ!」
賢者とは。
他國ではどういうものなのかは知らないが、なくとも王國では「最も優れた魔法使い」に送られる稱號である。
ただ、送られると言っても王から任命されるようなものではない。
言うなれば、勇者に近いのではないだろうか。
勇者とは任命されたからなるのではなく、彼らはその稱號を得るに相応しい活躍をしたから大衆から勇者と稱されるのである。
同様に、賢者もこの國で最も凄い魔法使いだと大衆に認められれば自然と呼ばれるようになる。
もちろん、勇者・賢者の縁や弟子が継ぐという事は多くあるだろう。
伝によるものや、師匠が良いという要素もあるだろうから。
だが、彼らも功績を殘さねば一般人と変わりはない。
話を変えよう。
「勇者に相応しくない」という言葉がある。
文字通り勇者を「勇気ある者」として捉えても、大衆は勇者には自己犠牲の神を求める。
何らかの対価を糧にやっているのであればそれは仕事なので確かに勇者とは呼べないのかもしれない。
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では賢者ではどうだろうか。
文字通りであれば「賢い者」となるが、これを魔法使いに適用するのはこの世界においては正しいだろう。
魔法をステータスとして勝手に覚えるような仕組みではなく、構造を知ってから自力で組み立てないといけないのだから。
つまり、魔法に対する膨大な知識が必要となる。
そういった面では博士に近いのかもしれないが魔法により戦況把握に優れ、戦場をコントロールする參謀のような役割を果たすことも多々あるためそうはならないのだろう。
ここで一つ問題がある。
勇者には人格の指定があるのに対し、賢者にはないのだ。
そして、賢者という稱號に人々が持つ印象は「魔法が特に優れた者」である。
よって、何が起こるかと言うと。
「そこのメイドさんや。今晩、うちにこんか?」
「いい加減にしろよ、クソ爺」
セクハラ大魔神が賢者になってしまうことがあるのだ。
「じゃが、そこのメイドさんはまんざらでもなさそうじゃぞ?」
そして、更に質が悪いのがメイドや侍にとってこの話は悪くないという點だ。
現賢者は齢60を超えよぼよぼになっているとはいえ、意地汚いことに生機能は健在である。
よって、子を宿す可能があるのだ。
S・A級クラスの生徒に貴族しかいないことから魔法に伝が関わっているのはもはや疑うべくもない。
彼らは魔力量と子供の頃からの魔力制の練習によってその地位にあるわけだが、賢者の子ともなれば例えもう片親が平民であれ魔力量の多い子供が生まれるだろう。
平民からすればそうなれば自分の子供はB級クラスもしくはC級クラスにれる可能があるので將來に期待が出來るのだ。
一晩の我慢で將來が安泰ならそれでもいいと、考えてしまうのかもしれない。
「悪いことは言わないから、そいつは辭めておきなさい」
そこにちょうど良くアンが現れた。
「そいつの子、わかってるだけでも50人は超えてるわよ? それでも將來が約束されるレベルで才能を持ってる子なんてそういないわ。あなたはもっと自分を大切にしなさい」
現賢者がその稱號を得たのは30代後半。
見てくれも悪くはなかったと聞くし、本人が乗り気であったためそこかしこでヤリまくったらしいのだ。
結果として俺たちの世代くらいから下には賢者の子が多くいると言われるが、真偽は定かではないしもはや関係ない。
賢者の子だとしても優遇される理由が無いからだ。
そしてこの話は広まっていない。
將來の自分のためになればと思って賢者とワンナイトしたけど期待外れだった、なんて喧伝することではないのだ。
話が広まったとしても、母親に非難がいくだけである。
となれば。
「あなたも王城のメイドに採用されるくらいなのだから自信を持ちなさい。この仕事を終えればあなたには職も紹介されるし、いい人とのお見合いもあるでしょう。その時になって子持ちというのはあまり印象は良くないわ」
結婚ならば問題ないだろうが、メイドがその職を離れるのは20代後半か30代の辺りだ。
そこから結婚というのは多くないし、見合いになればシングルマザー、それも離婚したわけでもないとなれば印象が悪くなることがあっても良くはならないだろう。
「せめて、ライヤにしときなさい」
「ぶっ!?」
言いたいことは全部アンが言ってくれたので、のんびりとお茶を飲んでいたライヤは盛大に噴き出す。
「おまっ……!?」
「あら、現賢者の子であってもそう甘くないのはもうわかっているわ。でも、平民で魔力量もそこそこ。魔力制に特に優れたライヤの子ならわからないんじゃない? 見た目も悪くないしね」
「いや、そうじゃなくて……」
眼を期待にキラキラさせているメイドさんすっごい見られながらもアンに問いかける。
一応、人関係のはずでは……?
「あ、勘違いなんてさせないわ。私はライヤの妻になるわ。でも、獨り占めは良くないと思ってるの。ライヤの子が優秀である可能があるなら殘しておく方が王國のためになるわ」
王として、アンも何も考えていないわけではなかったのだ。
「でも、ほら、先輩とか……」
「フィオナさんね。あの人はライヤの妻の座を狙ってるわ。それも正妻をね」
ライヤは記憶をたどるが、別に第二夫人でも良かったと言っていた気がする……、とアンを見やる。
「はぁ……、だから私が気を付けなくちゃいけないのよ。おわかり?」
「はい……」
とりあえず自分のことを蔑ろにされているわけではないと安心したライヤだったが、優秀な伝子を殘すという考えはまだけれがたかった。
「そう気張らんと、軽~くヤッちゃえばいいんじゃよ。いい子を見繕ってやる。ん?」
「仲間にしようとすんじゃねぇよ!」
肩を組んできた賢者を思いっきり振り払うライヤを熱心に見つめるメイドがいるのであった。
(アン王のお許しをいただけた……!)
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