《史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する ~剣聖と魔帝、2つの前世を持った男の英雄譚~》前世の記憶
夢だ。夢を見ていた。
俺の名前は相沢悠里。
こう見えて俺は、日本という國で生まれ育ったサラリーマンであった。
そんな俺が異世界転生を遂げたのは、30代の中頃の年齢だったと記憶している。
1度目の人生。
初めてのファンタジー世界で、魔法が使えることを知った時は、そりゃ、テンションが上がった。
とにかく魔法が使えることが嬉しくって、たくさん魔法の修行をした。
気付くと俺は周囲から、《魔帝》と呼ばれるようになっていた。
2度目の人生。
魔法の扱いを極めた俺は、今度は剣を極めてみることにした。
最強の剣士となった俺は、邪神と呼ばれるモンスターを討伐できるまでに長していた。
気付くと俺は周囲から、《剣聖》と呼ばれるようになっていた。
さて。
こういうことを言うと俺の人生が充実しているようにも聞こえるかもしれないが、実のところは全くそんなことはなかった。
來る日も來る日も他人のために戦うばかりで、楽しいことなんて1つもなかった。
挙句の果てには周囲からは『化』呼ばわりされて、不遇な境遇を押し付けられてしまうし、本當に損ばかりの人生だったと思う。
だから俺は、次の人生は100パーセント自分のためだけに生きてみようと決意していたのである。
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