《史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する ~剣聖と魔帝、2つの前世を持った男の英雄譚~》ゴブリンの城
目が覚めた。
ここは何処だろう。
暗い。真っ暗だ。
息苦しさをじた俺は、目の前のガレキをどかして、の刺す方向に向かっていく。
ふむ。
どうやら俺のは眠っている間に地面の中に埋まっていたらしい。
ん? そう言えば俺は誰だ?
何のためにここで眠っていたんだろう?
いまいち、思い出すことができない。
手始めに俺は、近くにあった水たまりを覗き込んで、自分の顔を確認してみる。
「……そうか。思い出した」
どうやら《前世の記憶》の一部を取り戻すことができたようである。
俺は戦いばかりの人生に疲れて、《転生の魔石》を使ったんだった。
だが、他に目ぼしい報は何も得ることができない。
とりあえず、今、思い出せる報はここまでのようだった。
足りていない報は、そのうち思い出せそうな気がする。
さて。
無事に転生したのは良いが、どうしたものだろう。
まず、ここが何処なのかを明確にする必要がありそうだ。
建のようだが、人が住んでいるような痕跡が見當たらない。
おそらく、昔は人の家だったが、廃墟となってしまっているのだろう。
「何者だ! 貴様!」
聲のした方に視線を移すと、そこにいたのは長2メートル近い緑のモンスターであった。
ゴブリンロード 等級B
なんだか強そうなモンスターである。
勝てるのか? 俺が?
いや、この狀況は勝たなければ、即座にゲームオーバーだよな。
なんとかしなければ、非常にまずい狀況である。
「「「キキッー!」」」
ゴブリンエリート 等級D
ゴブリン 等級E
ふむ。
どうやら俺の敵は、先程の強そうなゴブリン1匹だけではないようだ。
時間が経過するごとに俺の周りには、長1メートルくらいの小型のゴブリンたちが集まってきていた。
なるほど。
どうやら俺が眠っていたこの廃墟は、ゴブリンたちの城だったらしい。
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