《史上最強の魔法剣士、Fランク冒険者に転生する ~剣聖と魔帝、2つの前世を持った男の英雄譚~》怪鳥

それから。

偶然にも通りがかりの冒険者を捕まえた俺は、焚き木の前で々と男の話を聞くことにした。

「へえ。ということは、逃げたくて、逃げ回っていたわけじゃなかったんだな」

「當たり前だろ! 普通はそうさ! 他にどんな理由があるっていうんだ?」

「スキルの獲得條件を満たすため、とか」

「ああん? お前さん、何を言っているんだ? スキルっていうのは、そんな簡単に獲得できるもんじゃねーだろ。普通は何年も修行して、ようやく覚えられるもんさ」

そうだったのか。

やはり俺が簡単にスキルを習得できるのは、《前世の記憶》のおかげだったらしい

未だによく思い出すことができないのだが、前世の自分に謝だな。

「……その様子だと本當に何も知らねえみたいだな。お前さん、一何者だ? オレはもう10年は冒険者をやっているが、アンタみてぇな強い魔法を使えるやつは初めて會ったぜ」

そうか。知らなかった。

この世界で、俺の魔法は強い部類にるのか。

どうにもこの世界の強さの基準が分からないな。

「ところで、どうして、こんな夜道をうろついていたんだ?」

「うぐっ。オ、オレだって、好きでこんなところにいるんじゃねーぞ! ハメれらたのさ!」

悔しそうにを噛んだパンチョは、今に至るまでの過程について説明を始める。

曰く。

冒険者パンチョは、ザックという男に雇われたパーティーの荷持ちだったらしい。

パンチョとしてはそれなりに信頼関係を築いていたつもりだったらしいのだが、強敵に出會った瞬間、ザックの態度は急変。

パーティーが生き延びるための『囮役』として、その場に殘されて、捨てられてしまったという。

「それでよ~。命からがら、逃げ回っている最中にこうして日が暮れちまったというわけさ」

なるほど。

パンチョの言葉から推測するに、ここから街までの距離は、そう離れているわけではなさそうだ。

この男の案があれば、明日の午前までには人のいる街にまで到著できそうだな。

「なあ。ところで、言いにくいんだが。その、強いモンスターっていうのは、アイツのことか?」

先程から気になって仕方がないのは、俺たちを遙か上空から見下ろしながらも涎を垂らしているモンスターであった。

コカトリス 等級B

そこにいたのは、長3メートルを優に超えようかという巨大な鳥のモンスターであった

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