《病弱を演じる妹に婚約者を奪われましたが、大嫌いだったので大助かりです》第5話:凡騎士・キャメロン視點
「私の後をついてきてください」
門番を指揮する騎士はこちらの事など何も考えていないようです。
それに今まで原理原則通り厳しく調べていた城門を部下任せにしています。
どうもあまり賢い騎士ではないようです。
でも、こういう一つの事しかできない漢は嫌いではありません。
長も二メートル近くありも巌のような筋質です。
難し事はさせず、先駆けを任せれば敵を討ち破ってくれる事でしょう。
「どけ、どけ、どけ、急の下城だ。
メイトランド公爵家令嬢キャメロン様が、オーガスト第一王子殿下にケガをさせられて大変なのだ、邪魔する者は吹き飛ばすぞ」
これは、逆に二ノ丸三ノ丸で止められるかもしれないと不安になりました。
ですが誰も邪魔する事無くあっさりと通過できました。
もしかしたらこの筋騎士は何度も同じような事をやっているのかもしれません。
門番仲間の間では有名な問題児なのかもしれません。
まあ、何度も大聲で事件の事を城ばかりか城下や王都中に広めるという、とても役に立ってくれているので、問題児でもかまいません。
それにもう二度と會う事もないでしょうから。
「どけ、どけ、どけ、急の帰領だ。
メイトランド公爵家令嬢キャメロン様が、オーガスト第一王子殿下にケガをさせられたうえに、追放を言い渡されてて大変なのだ、邪魔する者は吹き飛ばすぞ」
私が何もしなくても、あの場にいた王侯貴族が噂を広めなくても、この筋騎士一人で王都中に噂を広めてくれました。
護衛のために同じ馬車の中にいるブレンダとカチュアも苦笑しています。
私が計算していた遙か斜め上の事態になりました。
この後どう事態がくのか、計算し直した方がいいですね。
「お待ちください騎士殿、騎士殿、キャメロンお嬢様がお話があるそうです」
者臺で見張りと護衛をやってくれているアニーが、王都の城門を通過しても先導を止めない筋騎士に聲をかけてくれました。
「何事でございますか、キャメロンお嬢様」
お前は私の家臣か!
「騎士殿、騎士殿には王城の城門を護るという、とても大切な役目があるのではありませんか、私はもう大丈夫なので直ぐに戻ってください」
私がそう言うと、筋騎士がとても可哀想な人を見るような目で私をみてきます。
なぜそんな表で私の顔を見るのでしょう。
「そのような狀態になられたキャメロンお嬢様を見捨てるなど、騎士として絶対にできません、ご領地まで護衛させていただきます」
ああ、これは私がうかつでした。
顔の傷は塞ぎましたが、顔中に固まったがこびりついています。
純白のドレスの半がで染まっています。
堅の騎士なら、すべき愚かなこの騎士なら、今の地位を捨てても令嬢に盡くしてくれますね、これが私の失敗です。
さて、これはどうするべきでしょうね。
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