《覇王の息子 異世界を馳せる》馬車での一幕

「風邪には気をつけなければなるまい・・・・・・。後、司馬懿は殺す。絶対に殺す」

曹丕の呟きで馬車の溫度が下がったようにじられた。

彼の放出するの渦は、とても年が起こすようなには・・・・・・

「いや、待たれよ。マキビ殿」

そう、言ったのは関羽だ。

「貴殿の話を信じておらぬわけではないが、どうも腑に落ちない事がある」

「・・・・・・。え?いや、なんでしょうか?関羽殿?」

どうやら、問われたマキビの方は、曹丕のに飲まれていたようで、正気に戻るには一瞬の間があった。それを気にせず、関羽は言葉を続ける。

「実は・・・・・曹殿は袁紹との戦いの末、討ち死に」

その関羽の言葉にマキビは呆けたような反応しかできなかった。

「討ち死に?曹が――― いや、いや、いや。それはおかしい。」

互いに話が噛み合わず、混している。

「うむ、面白い」

関羽とマキビは同時に聲の方向に顔を向ける。

一瞬、誰の聲か理解できなかった。

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さっきまで、怒りをあらわにしていた曹丕の言葉だったからだ。

「面白いですね。ここに來てから知らぬ事ばかり。500年後の世界から來た者が居れば、その世界は我らが知る世界とは、全くの別だという。これは面白いな!」

曹丕に浮かぶ表は歳相當の笑顔。

笑い聲を上げ、今の現狀を楽しんでいる。

あまりにも激しいの切り替わりであるが、それには理由があった。

曹丕はマキビの話を鵜呑みにしたわけではないが、それでも―――

父、曹が生存している可能を見出していたのだ。

馬車は揺れる。

ゴトゴトと音を上げ、しっかりと進む。

馬車には5人の人間が乗っている。

曹丕と関羽。マキビ。馬車の手綱をっている、シン。

そして、もう一人。

関羽と戦った老人が橫たわっている。

老人と言っても、それは本來の年齢であり、現在の風貌は若々しく活力が見て取れる。

関羽との戦いで得た傷は癒えているはずである。

するほど酷い病を患っているそうだが、その前兆はマキビのによって抑えられている。

不機嫌そうな顔を浮かべ、何事をする様子もなしに橫たわっている。

なぜ、この馬車に乗っているのか? 彼を見ているとそんな疑問が湧いてくる。

だが、彼と言葉が通じるのは同じ倭國のマキビだけであり、関羽たちは彼の名前も知らない。

そして、彼自信も人を寄せ付けようとしない雰囲気を醸し出している。

本當に、「なぜ、この馬車に乗っているのか?」よくわからない人である。

そんな人に飄々と近づく人がいた。

曹丕だ。

「時に老人。助言を頂きたいのだが・・・・・・。マキビ殿、通訳をお願いしても構いませんかな?」

「私は構いませんが」とマキビは心配そうに老人の方へと目を向け、曹丕の言葉を伝えた。

老人は無言で曹丕を見る。鋭い視線で曹丕を睨み付けるが曹丕は気にする様子はなく、老人の正面へ座り込んだ。

どうやら、曹丕は許可が下りたものだと解釈したのだろう。

「さて、実は悩みがあるのですが」と前置き。

「私は、そこで馬車を縦しているシンに惚れているのですが、どうすればモノにできるのでしょうか?」

曹丕は、ごく普通に當たり前のように言った。

馬車という決して広くはない空間でハッキリと聲に出した。

當然、馬車をにも聞こえているはずだが、曹丕は気にしている様子が微塵もなかった。

一方、の様子は馬車の中からは見えないが

曹丕の発言後に馬車が大きく揺れたのは、偶然ではあるまい。

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