《覇王の息子 異世界を馳せる》神の死
「関羽だけじゃねぇぞ」
そう言ったのは直家だ。いや直家だけではない。
倒れていた全員がゆっくりと――――しかし、力強く立ち上がってくる。
その様子を、何もするでもなく眺めていた神は――――
「うむ、なぜ貴様らは神に逆らう?」
神は心底、不思議そうな表を見せた。
「例えば―――
直家、貴様は、この世界に來ることにより、死の運命を逃れた。
例えば―――
吉備真備、貴様は死した友人に守られている。
例えば―――
西行法師、貴様は死者蘇生のにれている。
例えば―――
ミノタウロス、貴様は、神の力で生まれた神話の住民。
貴様ら、全員が神の力によって、その存在が許されている。
なぜ、その神に歯向かう? それは自己存在の否定ではないか?」
その問いに最初に答えたのは直家だった。
「ぺっ」と唾を吐き捨てながら―――
「なぜ、歯向かうだって?単純だ。てめぇの上から目線が気に食わねぇ。勝手に連れてきてうまくいったから謝しろだ?後出しもここまで來たら笑えるぜ!」
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次に同意したのは、意外にもミノタウロスだった。
「自分も気に食わないからです」
その言葉に西行法師が噴出した。
「かっかっか……神に呪いをけたで、よく怨念を背負わず言った。見事としか言いようがない」
曹丕も笑い。関羽も笑った。
張り詰めた空気が緩んでいく。
だが、それをよしとしない者が1人。
無論、それは神だ。神は「……」と無言で腕を振るった。
すると―――
「うおっ!」 「が!?」 「むむむ」
その場にいた神を除く全員が浮遊がじた。それも一瞬の事だ。
次の瞬間には衝撃。足元から全に衝撃が伝わり、が高く舞い上がる。
舞い上がるが最後、あとは落ちるだけ。
脳をかき回されたかのように朦朧とする意識では迫り來る地面に対してけを取ることもかなわぬ。
「神に逆らった者の末路よ」
その神の呟きは、撃のような落下音でかき消された。
そして、神は曹丕たちから目を逸らし、背を向けた。
しかし―――
神は背後に気配をじた。
(誰かが息を吹き返し、蠢いたか?)
振り返った神が見たものは―――
「馬鹿な!」
見たものは、全員だった。
曹丕も関羽も直家も西行法師もマキビもミノタウロスも―――
すでに全員が起き上がっている。
「なぜ、死なぬ!」
神が上げた悲鳴のような聲に答える者は―――いた。
ソイツはケタタマシイ破音と同時に現れた。
地下にあるはずの部屋に太のがす。
建も、地下室以外の全てを吹き飛ばし、ソイツは現れたのだった。
伽藍に空間に浮遊する人影それは―――
「おのれ!魔王か!魔王ルーデルか!」
「そう、私はルーデルだ。そして我らは貴様の言う《渡人》だ」
「……なにを」
「わからぬか。わからぬだろうよ。アンタは寓話から生まれた神に過ぎない。地獄に生き、地獄に死んだ私たちの事を理解できる道理はない。だからだよ。だ・か・ら 我らは死なぬ。貴様の想像する生ぬるい死なぞ、超越してるわ」
「戯言を申すな!」
「なら殺してみせろ。貴様を囲む武者を、師を、武將を、そして神をもだ!」
ルーデルの言葉に神は錯する。
気が付けば、曹丕たちに囲まれている。彼らの目に戦意の喪失は見て取れぬ。
「ぬおっおっ、寄るな!寄るな!」
神は力を振るう。 今度は―――否、今度こそは、二度と蘇らぬようにすら殘してやるものか!そう吠えながら使用した技は―――魔法は―――殘念ながら、不発に終わる。
なぜなら、神の腹部には大きな大きなが開いていたからだ。
「かはっ」とまるで人間のように口から赤黒いは吐いた。 神のくせに―――
そのかつて、神だった者は自分を殺めた存在に目を向ける。
「おぉ、貴様か。裏切るならユダかと思っていたが……貴様は…貴様なのだな。ユダ以上のユダだったのは」
そう自分を殺めた人間―――典韋に―――いや、その後ろにいる曹昂に言いながら、そして、その存在を止めた。
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