《帰らずのかぐや姫》其の一
栄えているとは言いがたいがそれなりに人のいる市井を、質素ながら小奇麗な白いを纏った貌の若人が歩いている。はっきりと前を向いたその眼差しは凜々しく、後頭部で揺った黒髪は艶やかで輝かしく、老若男問わずに思わず目を向けてしまっていた。
それを若人は気付かない――気にしないようだが、隣を並んで歩いている背の低い老翁はどこかそわそわした様子だ。注目を集める若人に、彼は心配そうな視線を投げる。
「かぐやや、やはり傘を被って來た方がよかったんじゃないかい?」
老翁の問いかけに若人はにっこりと笑って彼を見返した。
「大丈夫だよお父様。というか、傘を被った方がよっぽど目立っちゃうよ。隠されてるものが気になるのがヒトってもんなんだから」
快活な笑顔を向けられ老翁は、そうかい? と心配を殘したまま若人こと娘のかぐやに笑い返す。
「だけど、あまり出歩くと風邪をひいてしまうよ。男の格好をして遊び歩くのもいいが、もうし厚著をしなさい」
らかなたしなめに、かぐやは舌を出して素知らぬ顔をする。その悪のような橫顔に、老翁こと竹取の翁は苦笑するしかない。
男の裝をに纏い、腰に刀を差し、翁の隣を歩いているこの貴公子と見紛うばかりの麗しい。彼こそ『なよ竹のかぐや姫』と呼び名高き姫君その人である。
「それはしく乙らしく」、という世の噂を完全否定するその裝いと言だが、何を隠そう、これこそが彼の本なのだ。翁の家に來たその日からそれはもう見事と言いたくなるほど走り回る娘であった。今世にはこびる噂は、彼が裳著をしたその日に丁度訪れた客人が、嫗ははに言われて珍しく大人しくしていた彼を見て言いふらした結果である。
騙している気がして仕方ないが、お転婆な娘だとはとても言えず、そのまま放置していた。それがついには彼に求婚する者まで現れてしまった時には、あの時訂正していればと思ったものだ。
前々からまとわりつく男衆を鬱陶しがっていたかぐやは、ここぞとばかりに無理難題を押し付けきっぱりと斷りをつけた。その結果大怪我をした者や命を落とした者もいることに翁・嫗が心を痛めたものだが、當の本人はそんなことほんのしも気にしていない。
それらの騒ぎがあったために中々外に出られなかったかぐやだが、今日は久々に外出が葉ったために朝から機嫌がよい。今も何か買うわけではないが左右を見回して楽しそうに頬を緩めている。
その時だ。
あることを契機に、かぐやの目が刃のようにった。そして、〝それ〟の聞こえてきた方向へと、かぐやは誰よりも早く、風の如く駆けて行く。姿の見えなくなった娘の背を、翁は「ああまたか」と嘆き半分、誇らしさ半分の複雑な気分で追いかけた。
反逆者として王國で処刑された隠れ最強騎士〜心優しき悪役皇女様のために蘇り、人生難易度ベリーハードな帝國ルートで覇道を歩む彼女を幸せにする!〜【書籍化&コミカライズ決定!】
【書籍化&コミカライズ決定!】 引き続きよろしくお願い致します! 発売時期、出版社様、レーベル、イラストレーター様に関しては情報解禁されるまで暫くお待ちください。 「アルディア=グレーツ、反逆罪を認める……ということで良いのだな?」 選択肢なんてものは最初からなかった……。 王國に盡くしてきた騎士の一人、アルディア=グレーツは敵國と通じていたという罪をかけられ、処刑されてしまう。 彼が最後に頭に思い浮かべたのは敵國の優しき皇女の姿であった。 『──私は貴方のことが欲しい』 かつて投げかけられた、あの言葉。 それは敵同士という相容れぬ関係性が邪魔をして、成就することのなかった彼女の願いだった。 ヴァルカン帝國の皇女、 ヴァルトルーネ=フォン=フェルシュドルフ。 生まれ変わったら、また皇女様に會いたい。 そして、もしまた出會えることが出來たら……今度はきっと──あの人の味方であり続けたい。王國のために盡くした一人の騎士はそう力強く願いながら、斷頭臺の上で空を見上げた。 死の間際に唱えた淡く、非現実的な願い。 葉うはずもない願いを唱えた彼は、苦しみながらその生涯に幕を下ろす。 ……はずだった。 しかし、その強い願いはアルディアの消えかけた未來を再び照らす──。 彼の波亂に満ちた人生が再び動き出した。 【2022.4.22-24】 ハイファンタジー日間ランキング1位を獲得致しました。 (日間総合も4日にランクイン!) 総合50000pt達成。 ブックマーク10000達成。 本當にありがとうございます! このまま頑張って參りますので、今後ともよろしくお願い致します。 【ハイファンタジー】 日間1位 週間2位 月間4位 四半期10位 年間64位 【総合】 日間4位 週間6位 月間15位 四半期38位 【4,500,000pv達成!】 【500,000ua達成!】 ※短時間で読みやすいように1話ごとは短め(1000字〜2000字程度)で作っております。ご了承願います。
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