《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》アベリア (コミカライズ決定!記念SS)

コミカライズしますー!よろしくお願いします!!

呼吸が激しい......奴の重心が僅かに右にあり、きょろきょろと視線も定まらない。

――ユグドラシル188階層、巖窟の中。

SS+レート相當の魔、ウルフィルダとの戦闘にり約三時間が経過していた。

ウルフィルダは狼の姿で、しかし腕と腳は人のモノの魔獣。牙は長く、怒りで目が碧く輝く。

神話に語り継がれている神の使いだが、今の僕からすれば死神というのが正しい。

(......死んで、たまるか......)

こいつと戦うのは四回目。初見では左足を食いちぎられ、全力で逃げた。二度目ではきを読むのに徹し、粘りに粘ったがただならぬ殺気に死を予し撤退。

三度目、癖を見抜きやっとまともに戦えるレベルになった。またも途轍もない殺気をじ、撤退。去り際に奴の目が青くっていたのを見た。

この時、ノルンの言った言葉が忘れられない。

「え、お前ウルフィルダと戦ったの!? あいつとやってよく生きてたな〜! ノルンびっくりだわ、あははっ」

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「えぇっ......」

大丈夫、ユグドラシルなら何処にいても見てるから。マジで死にそうになったら助けるから!と、彼は言っていた。

しかし、この発言によりそれが噓だと判明し、僕はノルンが頼りにならないという事実に戦慄した。

ここまで死にかけること百數回。そのまま死んでた可能があったことに腳が震えた。

そして、ウルフィルダとの四度目の戦い。

おそらくはここからが本番。を針で刺されているかのような攻撃的な魔力と殺気。

目が青くり、両椀の筋が二倍程に膨れ上がる。

そして、立ち上がり四足歩行から二足歩行へと変わった。スピードを捨て、より攻撃に特化する。

「さて、ここからが未知の領域......」

ゆらゆらと両腕を振り、力狀態のウルフィルダ。

対象的に腳には漲る魔力。スピードを捨てたかに思われたが、なるほど......あれで地面を蹴りつければそれを補う以上のスピードを得られる。

――ミシッ

來る、と思った瞬間。奴の立っていた場所、巖でできた地面が破裂した。

(!! 消えた!!?)

ボグッ

鈍い衝撃と熱。宙を舞う僕が見たものは、自分のだった。

を真っ二つに、上半を斬り飛ばされていた。

理解した瞬間、ヒールを唱える。瞬時に失われた下半が復活し、天井に足をつく。

冷や汗が溢れ、ボタボタと目に見えて落ちている。

(ヤバい! ヤバかった!! 首を落とされていたら終わっていた!!)

ウルフィルダは的確に首と目を斬りつけに來た。

しかし僅かな重心の偏り、ここまでの奴のきからウルフィルダがどこかしらに怪我を負っている事を僕はユグドラシルでの戦闘経験と本能で察知した。

ウルフィルダの姿が消えた瞬間、上に飛び跳ねたのだ。

(自然、反かした......でなければ、死んでいた)

運が良かったと言われればそれまでだが、しかし生きているのは行した結果。これまでの経験則や培ったモノが僕を生かした。

......また一つ、死線を潛り抜けて僕は生きている。

――瞳が紅く、燃え上がるようにマナが溢れ出した。

(......見るのではなく、じる......五で、音や匂い、空気の揺れ......その全てで!)

纏う紅いオーラ、マナをダガーへ。

――天井をガンと蹴りつけ、下から飛んでくるウルフィルダを迎撃。奴の鋭い爪をダガーで斬りそらす。

互いに一つ間違えればあっという間に消える命。だが、危険を冒してでも攻めなければ消える命。

撃ち合う刃で散る火花は、魔力とマナに彩られ暗いを照らす。

――そして時間にして一分にも充たない撃ち合い。その果て、ウルフィルダの左腕が巖壁に斬り飛ばされ、彼岸花の咲くような飛沫を描いた。

(......!!)

片腕を失ったウルフィルダ。しかし奴の闘志は衰えず、青い眼でこちらを見據えている。

(......すごい。 なんて、殺気だ......)

手負いの獣が危険なのは常識だ。それは命を奪われまいとする必死の抵抗であり、諦めでは決してない。

しかし、ウルフィルダは......その異様な魔力量、これは。

命を魔力へと変えている。

(......厳に言えば、魔力は生命力......けど)

僕の紅い眼には見える。ウルフィルダは生命力を無理矢理に魔力に変え、死ぬ気で戦おうとしているのが。

彼は、僕を殺すために死ぬ気なんだ。

殺られるくらいなら、殺って死ぬ。

神話にあるウルフィルダは誇り高き神の使いともある。これがその所以であり、気高き魔獣と言われる理由か。

から噴き出すような紫のオーラは、紅が混じりマナへと変化しているのがわかる。

魔力の元はマナではあるが、こうして魔力をマナへ変化させられる魔なんて他に類を見ない。

――スッ

僕はダガーを構える。

「來い、ウルフィルダ」

遠吠えのようなびと共に突っ込んでくるウルフィルダ。

が燃え盛る炎に包まれたかのよう、マナを纏う。

ぼろぼろとが崩れ始め、マナがウルフィルダのを蝕む。

――ザシュッッ!!

僕はをかがめウルフィルダの懐へ潛り込み、真上にダガーを振り上げた。

ドシャっと落ちた彼の頭は崩れ落ち、マナに焼かれるよう消え去った。

(......本來、純粋な生命力であるマナは生が扱える力ではない......)

された高度のエネルギー、生命力......マナは、れるだけで破壊をもたらしてしまう程の力をめている。

だから、耐のある勇者のを引くものでしかそれは扱えない。

(......その力を扱えるなんて)

ウルフィルダの死をいとわない特攻と、めた潛在能力。かなりの強敵だったな。

「ふむ、ウルフィルダに勝ったか。 流石だのう」

んー!とびをしながらノルンが歩いてくる。

「死にかけたけど」

僕がジト目で睨むと彼がケタケタと笑った。

「セーフティがある戦いと死線と紙一重の戦いでは得られるものが全く無く違うからな。 生きるために必死にあがく、その結果にもたらされるモノにこそ価値はある。 これは戦いだけじゃなく、全ての事柄に言えることであり生きる上で大切な事だよ」

「生きる上で」

「強くなりたければ必死にならなければならない、ということだ。 何事もな」

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