《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第1話 人違いで死んだ件

「……ここはどこだ?」

気が付くと、俺、寺尾翔太てらおしょうた、高校2年生は、見知らぬ部屋に立っていた。

壁、床、天井全てが真っ白の四畳程の部屋。目の前にある木造の椅子以外何もない。

どうしてこんな所にいるのか。それは10分程前にさかのぼる……

ー10分前の自宅ー

 俺は自分の部屋のベッドの上で、壁に寄りかかりながらケータイをいじっていた。

「……チッ!くっそ!勝てるわけねえだろ!強すぎるぞ!」

俺はケータイのゲームに苦戦していた。

「あ~、やる気なくした。くそが!」

俺はイラつきが抑えられず、ケータイをベッドに思いきり叩きつけた。

「ゴフゥ!」

投げたケータイが俺の部に、それはものすごいスピードで跳ね返ってきた。

「……チッ!イッテーなクソ……ガハッ!」

急に部に走った激痛に、俺はベッドに倒れた。

「ガハッ!うおあああ!いてぇ!!」

俺はあまりの痛さに部を抑えながらベッドから転がり落ちた。

「グアアアアアア!!!」

あまりの痛さに俺は発狂した。それほど痛かったのだ。部を抑えながら俺はうずくまった。

「グアアアア……ア……ァ」

段々と意識が遠退いていった。かなくなり、聲もでない。

その瞬間、走馬燈のようなものが脳を駆け巡った。

『…………翔太、お前には足りないものが一つだけある』

走馬燈の中で、死んだはずの兄が俺に言った。

その言葉は、いつもいつもしつこいくらいに兄が俺に言っていた言葉だった。

『……お前に足りないものは、協調。仲間を思いやる心だ……』

で映し出されていた兄の顔が、フェードアウトしながら消えていく。

「…………兄……さん……」

これが、俺の最後の言葉だった。

俺はうずくまった狀態で、17才という若さでこの世を去った。

死因は、部への急な衝撃による、急心不全だった。

ー白い謎の部屋ー

そして、気が付くとこの謎の部屋にいた、ということだ。

はあ、なんて無様な死に方だ。

考えるに、ここは天國なのだろうか。いや、にしては狹すぎるよな。天國に行く前の通過點、といったところだろうか?

そんなことを考えていた。

『ピカッ!!』

「!?」

目の前にあった木造の椅子が、突如真っ白なを放った。急な出來事に、俺は驚きを隠せなかった。

「うお!な、なんだこれ!?」

しの間り続けたが、その後段々と消えていった。

が消えたかと思ったら、椅子に見知らぬが座っていることに気が付いた。

右手には、なにやら電子タブレットのようなを持っている。

そのは、表を一つも変えずに俺に言ってきた。

「さて、無事に死ねたことですし、異世界に行く約束、実行してもらいますよ?」

「……へ?」

思わず拍子抜けの聲がれた。

っていやいや!無事に死ねただあ?死んでる時點で無事じゃないだろ!それに、異世界に行く約束?俺、そんな約束した覚え無いぞ。そもそもこの人初対面だし!

俺の反応を見て、そのは、え?と言いたげな表で俺を見ている。

雙方とも10秒間程沈黙になった。

「いや…約束…しましたよね?」

最初に沈黙を破ったのはそのだった。

「いや、約束ってなんすか?」

俺の返答に、そのの顔がしだけ青ざめた。

「いや…だから…その…異世界へ行って目標を果たすという約束ですよ」

いや俺そんなの知らないし!ていうか、そもそもその目標とやらが分からないし!

俺の反応を見たそのは、更に顔が青ざめた。

「そ、そんなはずは!確かに殺したのは龍之介・・・さんだったはず!」

……は?誰だ?その、りゅうのすけってやつは?

は慌てて右手に持っていたタブレットを作している。

俺は気になり、の背後にまわり、タブレットに表示されているものを覗き見た。

そこには、俺の顔の畫像があり、その下に龍之介、と表示されていた。

……というか、よく見たらこれ俺じゃないな。めっちゃ似てるけど。

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