「リーフカット！！」

 　ルイがそうびながら右手をアリサの方にかざすと、右手から緑にる刃のようなが無數に飛んで行った。

『ヒュッ！ヒュッ！ヒュッ！』

 　凄く早いテンポで刃が飛んで行く。

 　しかし…

「まだまだだな」

そう言って、アリサは平然とルイが放った魔法を避けた。

「…やっぱりアリサは強い」

ルイは悔しそうな表を浮かべ、右手を下ろした。

「ひゃあっ！？」

 　右手を下ろした瞬間、ルイは悲鳴をあげた。

急に悲鳴をあげたルイは、驚きながらも焦っている様子だった。

なんで悲鳴をあげたかって？

……こいつ、リーフカットとやらを出すのをやめずに右手を下ろしたんだよ。

「きゃあああああ！！とまって！とまってーー！！」

 　ルイが右手を抑えながら泣き目でんでいる。

なんだこいつ。前回いつもと違ってカッコ良かったから、結構期待してたけど。

やっぱ天然か！

「とまってーーー！！」

まだ魔法を止めることができないルイは、泣きながら腕をブンブン振りはじめた。

右手から出てくる無數の刃が、あらゆる方向に飛んで行く。

目の前の木、空、地面、俺……ん！？

「ちょっ！ルイ！腕を振るな！俺の方に飛んできてるから！」

「だって止まらないんですよーー！！」

俺は飛んでくる刃をギリギリのところでかわして行く。

と、ついにルイの魔法が止まった。

ルイが息を荒げながら右手を抑えている。

「と、とまった…」

そして、俺もまた息を荒げている。

飛んでくる無數の刃を避けるのに必死だったからな。

って！それどころじゃない！

俺は急いで視線を向けた。

完全に忘れてた存在、アリサに。

攻撃してくるかと思ったが、そんなことはなかった。

アリサは俺たちにあわれみの視線を向けていた。

だめだ！たとえ元だとしても、仲間に向けていい視線じゃない！

「はっはははははは！」

突然、アリサが笑いだした。

「…何がおかしいの？」

おかしい事しかなかったよ？

そして、アリサは笑顔のまま言った。

「相変わらずアホだな、ルイは」

「うう……」

アリサに馬鹿にされたルイは、泣き目で俯いてしまった。

……お？なんか良い雰囲気じゃないか？

「まあまあ、そう泣くなって」

「……うん」

お？おお？？

と、アリサが両手をルイの方に向けた。

……ん？

何だろう、アリサのかざしている両手の中心で、黃いがだんだん膨らんでいってるんだが…。

「罪を犯した者は処刑だルイ！ザストローマー！！」

「絶対仲直りする流れだっただろーーー！！」

俺の渾のびは屆かず、アリサの両手から黃いが放たれた。

そのは球でとても大きく、半徑が俺の長の1.5倍程ある。當たれば確実に死ぬだろう。

まあ、ルイなら避けれるだろう。

そう思い、ルイに目を向けた。

「……ルイ！！」

ルイは、未だに泣き目で俯いていた。おそらく巨大なが近づいていることに気付いていなかったようだ。

……俺のは自然ときだした。

無駄だと分かっている、意味なんて無いと分かっている。けれど、俺はくことをやめなかった。

何かに押されたように。

脳裏にふと、あの｢言葉｣が浮かび上がる。

……仲間を思いやる心、か。

そして、俺はルイをかばう形で巨大なに背中を向けた。

と、やっとルイが顔をあげた。

「……翔太さん？」

「ごめんな、ルイ。守ってやれる力も無くて」

『チュドーーン！！』

もの凄い音ともに、巨大なが俺に直撃した。

ああ、何て慘めな男なんだ…。

目の前が真っ白に染まっていく。染まり切る前、ルイの顔を見た。

ルイは、目を見開き、驚きの表を浮かべていた。