《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第15話 二人が自由人な件

「これより!急會議を行う!」

目の前のテーブルをバン!と叩き、俺は言い放った。

テーブルを挾んで目の前に座っているルイが、頭にクエスチョンマークを浮かべながら首を傾げた。

「え、えーと、どういうことですか?」

わけが分からないと言った様子だ。

と、俺の右隣りに座っているシリアも、同じく首を傾げている。

「私もどういうことか分からないよ、お兄ちゃん?」

分からないのも無理はない。ていうか、分かってたら逆に怖いな。

「いいか?よく聞けよ?」

俺が二人に話した容はこうだ。

俺は、この異世界に來てからある一つの疑問を抱いていた。

それは、あの(俺を説明もなしに異世界にぶち込んだくそ)が俺に與えたという特殊能力についてだ。

俺は一度、スライムに殺されかけた。

……自分で言っててけなくなってくるな。

ま、まあ!それは良いとして!

俺はスライムの頭突きによって死にかけた。その後、俺はスライムの魔法によってトドメを刺された。

……はずだったのだが、どういうわけか、直撃をくらったにも関わらず、死んでない上に元気まで出てきた。

この時點での俺の考えは、「異世界だからじゃね?」というとてもふざけたものだった。

だがしかし、アリサとの対決で、ちゃんとした理由があることに気づいた。

ルイは言っていた。「回復魔法が弾かれるのは、力がマックスで、回復が必要ないと判斷された時」だと。

つまり、俺はアリサのザストローマー(あの巨大な魔法)をけて気絶していた時、力がマックスだったのだ。

これらから導き出される答え。それは…

俺に魔法攻撃は効かない、なおかつ、魔法攻撃をけた場合、逆に力が回復する。しかし、理的な攻撃はダメージをける。

というものだ。

あくまで推測だがな。もしこの推理が正しければ、あのクソ……おっと、口がすべった。あまりにもうざくてつい本音が。

えー、仕切り直して、あのが言っていた。「この世界では最強と言われる能力」のつじつまが合う。

おそらくアリサは、俺の特殊能力に気づいて、勝てないと思って逃げたんだろうな。

だが、それだけで逃げるとは思えない。ルイの攻撃はかわせるわけだし。

なのに逃げた。つまり、俺のこの特殊能力には、まだ謎は殘されている。

「……というわけだ。分かってくれたか……っておい!!」

これらを話し終えた俺が、改めて二人に目をやると、二人は俺の話をもう聞いておらず、ルイは腕に付いている機械を作し、シリアはなぜか俺の右腕を抱きながら顔を赤く染めていた。

「おい!お前ら!俺の話聞いてたか!?」

すると、ルイがハッ!と顔を上げ、俺に向き直った。

「も、もちろん聞いてましたよ!あ、アレですよね!クソですよね!」

「お前絶対聞いてなかっただろ!?」

ルイはエヘヘと笑いながらすみませんと謝ってきた。

もういいと言って、シリアに目をやった。

「なあシリア、お前は聞いてくれてたよな?」

すると、ルイは顔を上げ、上目遣いをしながら、

「お兄ちゃん大好き!」

「答えになってないからそれ!!」

シリアはまた右腕を抱いてきた。

「はあ、俺の力説はなんだったのか…」

俺は深くため息をついた。

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