《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第22話 クエストへ向かう件

「……で、啖呵たんか切って出て來たは良いものの、本當にこんな荷なくて大丈夫なのか?」

「皆さんこんなもんですよ」

俺たちは今、とあるクエストを行うためにその場所へ向かっているところだ。

「さっさと片付けて帰ろう?私早く家帰ってゴロゴロしたいんだけど……」

「なら何でついて來たんだお前は……」

「私は楽しみだよ!お兄ちゃんと一緒だから!」

「……それクエスト関係ねえじゃん」

俺も見た目は気だるげにしているものの、心はとても楽しみだった。

なんせ、お金がもらえるんだし。どーせモンスターもルイたちが倒してくれるだろう。

そんな余裕さえあった。

この余裕が、後々命取りになるとは、今の俺には想像もしていなかった。

〜ナシング平野〜

「著きましたねー!」

「ここか………って、何もねえな」

俺たちはここまで、俺のいた世界で言うところの電車で來た。この世界では『ビルディ』と言うらしい。

ビルディは日本の電車とほぼ変わらないデザインで、料金の払い方、駅のホームもほぼ同じ。だから、乗り方に迷うことがなかった。

まあ、ビルディの話はこの辺にして。

俺たちがビルディの改札から出ると、目の前に目を疑う景が広がっていた。

「こんな所があるのか、この世界には」

なんと、何もないのである。いやマジで。

が無ければ木もない。量の雑草が生えているくらいか。

その割にえらく広い平野だ。

「私もこんな場所は來たことないよ〜」

「私も初めて見る景ですね」

「そんな事よりもう帰らない?移で疲れたんですけど〜?」

なら帰ってろこの野郎。

「と、とにかく早く行くぞ」

俺が先導して歩き出すと、3人とも俺に著いて來た。1人、ものすごく足取りの重い奴がいるが。

俺たちが向かっている先。

それは、スライムの住処である。

ここ最近、街でスライムに襲われる事件が多発していた。

基本、モンスターは倒すと自分のレベルを上げる、経験値の元となる「オリジフ」と呼ばれるに変わるらしいのだ。

オリジフは、各モンスターによって貰える量が違い、強ければ強いほど、たくさんのオリジフが貰えるらしい。

つまり、モンスターは恐れられてはいるものの、同時に貴重なとされている。

しかし、スライムは多大な被害を及ぼすにも関わらず、倒してもオリジフが全然貰えないらしい。

ということで、「いっそ住処消し飛ばそう!」的なノリでこのクエストを発行したそうだ。

俺は思った。

運営テキトーかよ。

そんなノリで発行されてもねえ?

……まあ、報酬がお高く付くので、それは嬉しいのだがな。

てな訳で、俺たちはアテもなくこの、何もない平野を歩いていた。

……こんなんで本當に見つかるのだろうか。

俺がさいさきを心配し始めた、その時だった。

「あ!」

突然、ルイが足を止めて聲をらした。

「どうしたんだ?ルイ」

「あ、あれ!あれ見てください!」

「……あれ?」

俺はルイが指を指している方に目をやった。

「………?」

遠くの方に、何やら窟のようなものが見える。

……いや、窟にしては小さいような気がする。

「もしかして、あれがスライムの住処か?」

俺の問いに、ルイはコクリと頷うなずいた。

「……はい。あれが今回のクエストの発生源である、、スライムの住処です!」

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