《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第25話 出會ったが強すぎた件

「さあて、始めようか!」

俺は目の前のスライムの大群にビシッと人差し指を突きつける。

いやあ、それにしても、改めて見るとすごい量だな。

今俺の視界に映っているのだけ數えても、100……いや、150匹はいるのではないだろうか。

俺が何故このような奇行に走ったのか。それは他でもない、シリアを助けるためだ。

俺はちらりと背後を見る。

「………っ!……!?」

リーナを除いた二人が、聲にならない聲で涙目で俺に何かを訴えている。

おそらく、戻ってこいとでも言いたいのだろう。

しかし、二人は引き止めたくても、スライムの大群の恐怖に、足が震えてけないようだった。無論、俺も足が震えているわけだが。

二人が思っているように、あんたらも、こんな俺に勝ち目は無いと、そうおもっているだろう?

確かに、俺にこの大群を一人で相手するのはさすがに無理だろうな。

……俺に、この能力・・が無ければな。

アリサとの対決で判明した俺の能力。魔法攻撃を無効化し、その魔法を力を回復するに変換する能力。

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そこで俺はある疑問を抱いた。

何故あの時、アリサは戦いを放棄して逃げていったのか。

俺のこの能力は、自分でも把握しきれておらず、容は今も謎のままだ。

………だが、もしアリサがこの能力の詳細を知ってたら?

ルイは言っていた。アリサはこの世界で五本指にるほどのすごい魔法の使い手だと。

それほどの魔法使いなら、多種多様な魔法を知っているのではないだろうか?

そして、俺の能力が、魔法を力に変換すること以外で使用されると厄介だから、アリサは戦いを放棄して逃げたのではないだろうか。

俺はこれらのことから、こう推測した。

俺の能力は、回復以外に攻撃にも使える・・・・・・・のだと。

もちろん、使い方は分からない。そして、俺が力を回復したいときに、スライムが魔法攻撃をしてくれるかも分からない。

比率で表したら、勝ち2負け8、位だろう。

ほぼ高確率で負け=死亡だ。

だが、今シリアを助ける方法はこれしかないと、そう思った。

俺は、やると決めたらやる男だ!

「よっしゃあああ!!かかってこいやスライム共ーー!!」

俺の咆哮を聞いたスライム達が、明らかに戦闘態勢にったのが見えた。

「やってやるぜ、見てろお前ら!不可能なんてもの、俺がぶっ潰してやる!」

『キュウウウン!!』

一斉に咆哮をあげたスライム達が、俺に向かって勢いよく突っ込んで來た。

……って、え?これってもしかして……。

「あ、あれ!?魔法使わないじっすか!?」

ああ、やべえ。これ終わるやつやん。

「のおわああああ!!」

俺は思い切りんだ。が、スライムは勢いを落とすことなく突進してくる。

距離は約10メートル。

突っ込んでくるスライム達は目と鼻の先だ。勢いは止まることを知らない。

この時、俺は今更にして死が近づいて來ていることに気がついた。

今更気づいてももう遅い。心のどこかで、何とかなると思っていた。

やはり、俺にはダメだった……。仲間を助けてやれるほどの力なんてなかった……。

俺は……シリアとの約束を守ってやることができなかった。

翔太の頭に、いくつもの記憶が一気に流れ込んで來る。いわゆる、走馬燈ってやつだ。

『お願い、翔太……た……助けて……!』

川の流れに逆らうように、一人の年が翔太に手をめいっぱいばしている。

「………………。」

翔太は、泣き目になりながら、ただ立っていることしか出來なかった。

「お前に足りないものは、仲間を思いやる心だ」

「…………そんなもの、いらねえよ」

突如として流れた小學生の頃の記憶。

自然と涙が溢れて來た。

その涙は、いくつものが込められていた。

悲しみ、恐怖、怒り、そして、悔しさだ。

「ごめんな、シリア……」

俺はけなく呟く。

そして、スライムの大群は、俺に思い切り當たりをかました。が勢いよくはね、口からを吐く、地面に思い切り叩きつけられ、やがて痛みをじなくなり、意識が沈む…………

はずだった。

『ズゴオオオオン!!』

スライム達が俺に當たりをかます直前、突如、凄い轟音と共に、辺りに大きな砂ぼこりが舞った。

「……な、何が、何が起きた……?」

突然のことに、狀況を判斷できない。

辺りを囲っていた砂ぼこりが消え、視界が確かなものになっていく。

そして現れた目の前の景に、俺は息を呑んだ。

「そんな……まさか……」

なんと、ついさっきまでいたあのスライムの大群が、跡形もなく消えていた。

それは、元からスライムなどいなかったのでは、と思わせるほどに跡形もなく消えていた。

「ふぅ〜、危なかったのだ〜」

「!?」

突如、背後から聞こえた聲に、俺は驚きの表を浮かべながら振り返った。

「あたいが居なかったら、お前は死んでたのだ。自覚はあるのカ?」

そこにいたのは、ふわふわと宙を浮く1人のだった。

背は150cmくらいで、青の綺麗な髪のおかっぱで、とても可顔だ。服裝は稚園児が來てそうなだぼだぼの服で、聲が高く、右手には、何やら大きい魔法の杖のようなを持っている。

俺は、驚愕に両目を見開いたまま、目の前のに問いかけた。

「お、お前は、何者だ……?」

すると、そのは八重歯を見せて可く微笑んだ。

「あたいの名前はリノ。今は迷子の神様なのだ!」

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