《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第28話 あいつが再び現れた件

「うっわぁ……。なんだこの行列……」

俺たちは今、役所にある報酬をもらう所にいる。いるのだが……。

「こりゃ相當時間かかりそうだな……」

そう、行列なのである。それはもう凄い數である。

「何よこれ!どんだけ並んでるわけ!?もう帰りたいんですけど!」

リーナがそう言いながら、前を並ぶ人たちを睨みつける。なんてしつけのなってない子なんだろう。すげえ恥ずかしい。

そんなリーナを、ルイお姉さんが鎮める。

「リーナさん!ダメですよ!靜かに待ってないと!」

「だって!だ……だって……」

「だってじゃないです!靜かにしててください!」

「………すみません」

リーナが落ち込んだ様子で肩を落とした。

そんなリーナの頭に手を置いてやるルイ。

な、なんじゃ今の!リーナが「……すみません」だとぉ!?んなばかな!ルイ様まじ神!

俺がルイにうんうんと頷きながら心していると、ルイが俺の方を見た。

「……な、なんですか?」

恥ずかしそうに顔を赤くするルイ。可い。

なんだこの子。これがいわゆる完璧ってやつか。

……いや、違うな。こいつ天然だったわ。

俺はつま先立ちで列の最前列を覗き見た。

俺と同じくらいの歳の男が、賞狀のようなものをけ取っている。

おそらくあれが報酬だろう。

「……一人一人に渡すのが長いからこんなに列が長くなってんのか……」

はぁ……。さすがにずっと立ったままかないのはきついな。

ふと橫を見る。

「ううぅ……疲れたのだ〜」

俺の隣にいたリノが、泣き目でつぶやいていた。

なんだこいつ。あんだけ強いくせに、力はないのか?

と、リノが俺のにもたれかかった。

「もう無理。翔太、おぶってくれなのだ〜」

リノが上目遣いで言ってくる。

うん、可い。

しょうがない。

「よし、分かった。おぶってやるよ」

「サンキューなのだ!」

リノがぱっと表を明るくさせ、弾んだ聲を出した。

うん、可い。

これはあくまでしょうがなくだ。別に可いからとかそんなんじゃない。

……そんなんじゃないから、信じてくれ。

というわけで、俺はリノをおぶった。

「よいしょっと……軽っ!?」

あまりの軽さに驚いてしまった。こいつ重あんのか!?

俺の背中で、リノが「ふぅ〜楽なのだ〜」と聲をらした。

……のんきなやつだな。

俺はもう一度つま先立ちで列の先頭を覗いた。

「おいおい全然進んでねえじゃん」

さすがに長すぎるぜ。

どんだけ待たす気だこの野郎。

あまりの遅さに、俺はその場でため息をつき………?

…………。

「…………ちょっと待て」

俺は再びつま先立ちで前列を覗く。

…………。

俺の突然の行にルイたちが俺に視線をよこした。

………うん、どうしよう。伝えた方がいいのかな?

俺はすっとつま先立ちをやめ、ルイたちに向き直った。

ルイ達3人が、俺の顔を見るなり首をかしげた。

そして俺はルイたちに告げた。今まさに起きている危機を。

それはもう揺しながらな。

「………アリサが、いるみたいなんだけど?」

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