《人違いで異世界に召喚されたが、その後ハーレム狀態になった件》第29話 神?そういえばそんな奴もいた件

「………アリサがいるみたいなんだけど?」

「……………………。」

俺が告げた言葉に、ルイたちは表を変えることなく黙り込んだ。

5秒ほどの沈黙の後、ルイがようやく口を開いた。

「ははは……翔太さん、やめてくださいよ、もお………」

ルイの表は引きつっていた。まさか、と言いたげにダラダラと汗を垂らして。

シリアも引きつった笑顔で続ける。

「あははは………。お兄ちゃんったら、面白い冗談を言うね………」

おお……。お二人とも、ものすごく目が泳いでおりますぞ?

「あは、あはははははははは」

俺たち3人がハハハと引きつった笑顔で笑い合っていると、狀況が分からないリーナとリノが、俺たちの奇行に首を傾げた。

「……どうしちゃったの?三人とも……?」

「様子がおかしいのだ。アリサって誰なのだ?」

うん、そうか。分からないもんな、お前ら。

「えーとだな…………」

俺はアリサがどんな人なのかということについて説明をした。

説明を終えると、二人が聲を揃えて言った。

「「五本指にるほどの魔法使いであるアリサに翔太が狙われているー!?」」

うん、簡潔なまとめをありがとう。

そう、俺は今アリサに狙われているのだ。

ああ、思い出したくもない。あんな慘めな俺。

俺は嫌な思い出を思い出し、頭を抱えた。

「余裕でしょ、そんなの」

「?」

突如リーナがそんなことを言った。それはもう偉そうに。

リーナは腕を組みながら続けた。

「余裕だっつってんの。そんな奴」

リーナはリノの肩に手を置いた。

そして、リノと顔を見合わせてから言った。

「あたしらを誰だと思ってんの?神様よ?か・み・さ・ま。たかが人間ごときに負けるわけないでしょ」

ケラケラと笑いながら言うリーナ。

それにリノも続けた。

「そうなのだ!あたい達にかかれば、ちょちょいのちょいなのだ!」

とても頼もしい二人だった。

二人はニコッと俺に笑顔を向けてくる。 

「お前ら……!」

俺は二人の顔を見つめた。

「そうそう、あたしらを頼ればいい……」

「お前らそういえば神だったな。神っぽいことあまりしてないから忘れてた」

「「おい!!」」

二人から威勢のいいツッコミが返ってきた。

だってさ、本當にそうじゃん?

確かにリノは助けてくれたよ。それは良いとしてさ、リーナに関しては何もないじゃん?

二人が揃って俺に顔を近づけながら睨んでくる。

俺は二人に圧倒され、一歩後ずさった。

「わ、悪かったって。謝るから許してくれ。な?」

「はあ!?あたしから神をとったらキャラが目立たなくなるじゃない!」

そういうメタい事を言うなバカ!

「あたいなんて翔太を助けなかったカ!?」

俺に驚きの表を向けるリノ。

俺はリノをなだめる様に言う。

「ごめん!リノに助けてもらったのは本當に謝してる!」

俺は手を合わせながら頭を下げて謝った。

「べ、別にそこまでする程ことでもないのだ……」

リノが揺しながらあたふたとしている。可いな。

「ねえ」

「ん?」

リーナに腕をつつかれた。

「……あたしは?」

「お前は特に何もしてない」

「ええ!?」

バッサリ言ってやった。

つーか、ええ!?ってなんだ!お前自覚してないのか!?何もしてないこと!

リーナはまだ分からないといった様子であごに手を置いている。

「………あたし、役に立ってるわよね?」

「立ってないです」

こいつマジで自覚ないのか。すげえ毆りたい。

それでも納得していないリーナは続けた。

「………この世界に召喚してあげたのあたしだし」

それお前が勘違いしたからだよね?

「………あたしみたいながずっとそばにいてあげてるし」

ごめん、お前荷にしかなってない。

「………能力だってあげたし」

それお詫びだからね?俺もらって當たり前だからね?

つーか、使い方すら教えて貰ってないからね?

「………はあ」

俺は重いため息をついた。

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